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俳優発声上級(1/13)                      《ことば系》

1月13日(日)俳優発声上級

講座テーマ「三島文学と戯曲(1)」

[1]三島劇と近代能楽集について
 (1)ペーパー資料により三島作品リストを知る。
 (2)近代能楽集についてドナルド・キーン氏の後書きを読む

 [宿題]
  ・卒塔婆を調べる
  ・小町を調べる

 能楽(ノンリアル/リアル/デフォルメしたやり方あり)
      ↓聞かせる
     オペラである 能楽と本舞台との共通項
     ・ひとつ舞台
     ・シテとワキ(主人公は2人)

 現実の自分と実感した現実でない自分。
 現実から変わったときに状態が変わり声が変わった。

 芸能のすごさ→普遍性を持っている。→体の真に置いておく。
             ↓
           世界に通じる

[2]卒塔婆小町演習
 ・三島作品には
  人の性を
   ①男性は男性の中の性を知らず、むしろ女性の方が知っている。
   ②女性は女性の中の性を知らず、むしろ男性の方を知っている。
  場合が多い。

  男性の方が老婆のことが腑に落ちる。

 ・能楽は、身体で演じる。観念的にしない。
 ・彫刻のような正確さが必要。
 ・女性が男をやることで、自分が女のように感じる。
 ・女を磨く(無駄なものを捨てる)。
 ・役は明るく作る。 

◆本日の磯貝語録
 自分の役を疑いを持たずに接しない。(必ず疑いを持って)自分の理解の幅
 を狭めない。考えもしないことを見つけ出すこと。普通や常識はなるべく避け
 る。

◆本日の感想
 「卒塔婆小町」を読む。男性も女性も、劇中の老婆役を読む。男性は裏声で
 女を演じた。自分の実体とずいぶん離れたものとなり面白かった。

俳優発声上級(12/9)                      《ことば系》

12月9日(日)俳優発声上級

講座テーマ「セリフ学[Ⅱ] 人間と劇-"桜の園"による」

  自由柔軟

[Ⅰ]身体動のExercise=歩行(walking)
 ・広い空間を観客を意識して歩く(自己流の歩きを直す)

 ①「直進歩行」
  ・足裏、踵骨、腰骨、背骨、首、肩、頭骨、足の出し方、重心の移動、
   腕手の振り方、他。
 ②ステージを後部から対角線に客に向きながら「斜め歩行」
 ③「真横歩き」上肢は正面向きで横歩行
  1)前掛け
  2)後掛け
 ④「和の歩き」重心を腰から足裏に降ろした歩行。胴を長くみせる。
  
[Ⅱ]セリフ学[Ⅱ] 劇をする人間を考える
  チェーホフ作「桜の園」をテーマに

 第三幕の位置づけ
 段層
  ①generationギャップ
  ②社会変動と現在の崩壊
  ③社会階層ギャップ

  ・シャルロッタが一番失笑に書かれている
  ・ワルツが全員踊れる
   ラネフスカヤ、ガーエフ、ピーシク、トロフィーモフ(インテリ大学生)
  ・全員が桜の園が売られてしまっていますという意識のもとでやっている。
  ・俳優が書かれていないことを考えていないので、演出家が代弁。

  ・日本語と異なり、主語を沢山言っている。
  ・日本語と異なり、人的代名詞が明確である。
    「私は」「私」一人称の私がたくさんある。
    「あの人」「そういうあなた」「いういうあなた」

 p.90を繰り返し読み込む
  ・何回もくり返し読む。代名詞に対する思いや感情の種類をさがし言い
   替える。(物理的に読むスピードを変える)

  ◎チェーホフの芝居は、ト書きをおろそかにしてはいけない
   どの位置の私か、何の関係の私か、どのように心が変化していく私か?

  未来と崩壊がラネフスカヤの愛で回っている。「でも私はこの石を愛している」

  ペーチャが涙を流した理由→ラネフスカヤへの愛情(尊敬、敬愛)を持って
  おり日本人にない感覚(概念に入るとしぐさができない。身体的に発明する。
  どんな眼を持っているのか?)

  ペーチャの涙が重要。自分の母親を愛している(極限的感情)
  自分の観察をして、再発見する。

◆本日の磯貝語録
 ・ケイタイメール対話→機械的情報対話(言葉の力がない)
 ・話し対話、喋り対話→情動的身体対話(生き合う実感がある)

◆本日の感想
 演ずる人間(俳優)の本質にせまる講座でした。良く訓練された人達で、
 VASCの高品質の舞台を作りたいと思いました(M.S)

俳優発声上級(11/11)                      《ことば系》

11月11日(日)俳優発声上級

講座テーマ「チェーホフ"桜の園"を学ぶ-セリフ学」

 ・美しさは背中。呼吸のほうが感じやすいし、表しやすい。繊細さがある。
 ・日本人の特徴-自分の眼鏡で分かる範囲で質問を受ける。
 
[Ⅰ]チェーホフ 第3幕演習(磯貝塾長)
 配役:
 ピーシク(Aさん)、エピホードフ(Bさん)、トロフィーモフ(Cさん)
 ヤーシャ(Dさん)、ワーリャ(Eさん)、ロパーヒン(Fさん)
 ラネーフスカヤ(Gさん)、ガーエフ(Hさん)、フィールス(Jさん)
 ドゥニャーシャ、シャルロッタ(Iさん)

 ・自分の思いや感じ方は避ける。
 ・その語その文を喋り読みをし、語や文を想起してゆく。
 ・息を自在に変化させ、閉じこめない。
 ・鼻と喉がいつも開いていること。
 ・相手役のセリフを耳だけで聴かない。鼻と喉で受け止める。
  
 ◎作者は、その役に何を言わせたかったか。
  どのような状態(心、身体、他人との関係)を求めていたかを読み取ること。

 ・キャラクターの喉を作る。主観的にする。
 ・セリフの読み間違い、咬む等は、呼吸が上がる、後首に力が入る。
  重心がなくなる。前頭意識だけになる、等の時におこりやすい。

 p89 "私の息子が溺れて死んだのも、ここよ"
  ・もっと早くもっと奥へ引き込んで、その反動で外にだす。
  ・ともかく内向しない。外に作る。外で描く。

 ◎他人のセリフを聞いているときは、鼻と喉を開けたままで聞くこと。
  それは、ひとつひとつの台詞を情報としてでなく、より身体的実感として
  受けることができるためである。
   
 ・ラネーフスカヤのセリフが暗い。内向している→受けゼリフで息を止めて
  鼻と喉がしまっている→開けること。
 ・若い俳優が老け役を演じる(声で)時は、気持ちを老けても嘘ごと。
  年よりは、歯と口唇と息のスピードが違う。口唇と歯で口跡を作る。
 ・ガーエフは声や言葉はしっかりしていること、暗くはない。始めに
  少し捨て息を流してから言葉にする。→息先行。

 <最重要メッセージ>
 今までは良く鳴る声、通る声、透明な高い声、はりのある声、全てエネルギー
 の高い声を各自つくってきた。これは、俳優の基本(素材を練り磨く)である。
 今後は、これを基準に各役、各状態により。各々にエネルギーを消す弱める
 テクニックを持つことを始める。または、各状態によっては、もっときたなく、
 不明瞭につくる。これはテクニックである。

 p96
 ヤーシャ(Dさん)
  ・自分の声からヤーシャを創り出す。自分の状態や精神が決まっていない。
   全部いい声でやってはいけない。
 エピホードフ(Bさん)
  ・字読み、口読みをしない。喋ること。
 ドゥニャーシャ(Iさん)
  ・息が高い。もっと降ろすこと。降りたところでささえ、鼻、喉を開ける。
   その状態で彼女の人格をつくる。身体でやること。
 ワーリャ(Eさん)
  ・他人のセリフをワーリャの身体でなく本人の身体で受けている。
   "お礼には及びませんわ"→感情的セリフはささえが上がり、喉が閉まり、
   声のコントロールができなくなる。強すぎる。もっと息を使うこと。
   鳴りでなく、響きゼリフをつくること。

 ◎字(テキスト)は、いくら正確に読んでも、読んでいる限り、その語、その
  言葉、その文のそれなりの状態にはならない。俳優は字を喋ること。喋りには、
  その語を発する人の生理状態、精神情態が含まれている。聴き取れる音声
  で字を喋る訓練がセリフ訓練である。

 p103 ロパーヒン(Fさん)
  ・"私が取ったのです"→様々な意味を持ったセリフ
   1)誇らしげ 2)感慨深げ 3)ラネーフスカヤへの気兼ね 4)未来への決心
   5)不用意の興奮
   自らの口と声で、これらの事をひとつひとつ確認して喋る。

 ◎いい芝居とは、役者が役になっていくこと。 

◆本日の磯貝語録
 良い表現者はテキストを字読み音声化しない。字を読まずに喋る。

◆本日の感想
 長年にわたって"良い声を作る"ことをしてきましたが、最近になってその良い
 声を使わない消すということを教わり、選択枝が増えました。もうひとつ上のステ
 ージに上がった気がします。(K.N)

俳優発声上級(10/14)                      《ことば系》

10月14日(日)俳優発声上級

講座テーマ「セリフ学Ⅱ-桜の園による⑥:意識と状態」

[1]対話を考える(日本語として)
 日常生活の対話
  言葉と思考の問題   文字のエネルギー 音声にもエネルギーがある
  気の問題           ↓           ↓
                  文というエネルギーにする。
  ものを喋る。話す。思うことをしゃべるな!⇒喋る事を思え。  

 (1)社会と言語:人にとっての言語(ことば)
  PrivateとPublicの境がくずれた
       :言語が崩れた。父と母と子が同じ言語になる
       :新幹線のグリーン車で騒ぐFamily
        分け隔てがない社会の現実
       :言葉は思考形態そのもの。そのまま社会をあらわす。
       :自分と他人が違うことを確認するのは肉体と言葉しかない。
       :言葉は広げたら質が下がる
       :VASCは社会の気付かない事をテーマとして追ってゆく。

 ・社会に引きずらされないで、やりあげる才能がない。
 ・日本語、日本人はアメリカのおかげで自由を得た(戦後日本は主観的、
  自己中心的になった)
 ・言葉を考えて、言葉をどうにかするのが演劇人の仕事。
 ・自分のものにしたいため主観的になっている日本人
  (自分自身にひきつける→所有欲)
 ・作品とは、自己から離れた場所に描かれたもの。
 ・書かれている台本から演劇は逃れられない。
  言葉に対して俳優は思う事をしてしまうと変わってしまう。

 (2)日本語の特徴
 ・社会言語学的特徴
 ・言語学的特徴
 ・言語心理学的特徴

 ・語に宿ったコトダマ。文に宿った魂はあるのか?
 ・日本人はとにかくあらゆるものをPrivate化する。個人的で叙情的な問題
  にしてしまう
 ・各々の役を自分に近づけて演じてしまうのは良くない。自分の外側に役を
  出す。
  役を自分の内側に入れ込まない。
 ・表現言語を研究する人がいない。言葉を本質的なことを問題にする人。

 ◎日本語の伝達性を高める→台詞の感情を自己化しないで、客観化して
                  演じる事で伝達性を高める。
 ・自分に引きつけ足りない(全員) 頭になっているが体にひきつける言語
 ・思考とは身体的情動である。

  ことば→概念、観念
   ↓   ↓
  身体 →実感

 <リーディング演習>桜の園から
 P.110 トローフィーモフ
      ロパーヒンのセリフ 腹臓の実感をもつ
 P.86  ラネーフスカヤ~ワーリャ

 ・実が演じるのではなく、虚と虚が対話をする。
  役は虚がやる。相手役の虚が虚に語りかける。

 Q:演じる役(虚像)は前より横に置くのが良いか?
 A:私は前に置く時もあれば後ろや横に置く時もある。役による。
  (実の眼でみないで虚の眼で見て相手の虚を見て感じる)

 ・虚vs虚を理解するには能楽を観なさい。
 ・ことばが写実的になるのは×である。
     →リアリズムとはその通りの事を表現することではない。
      言葉で出すし、身体でやるのもおかしい
 ・言葉は社会的信頼関係のみでやらない。 

◆本日の磯貝語録
 聴くセリフも見る文字も自分化し、自己感情に置き替えるのではすがすが
 しい芝居にはならない。自分も役も客体化出来た時に新しい感覚や表現が
 現れる。

◆本日の感想
 自分が役に近付くのではなく、自分の外側に置き客観的に演じる。理論上わ
 かっていても実際の場面では難しい。今迄は、勝手に自分で解釈し自分の
 気持ちで演じていた。結局それは自分でしかなく"役"を自己化しているレベ
 ルから抜けていない事を痛感。客観性の弱い俳優は結局演じる事は出来な
 いのかなと痛感。(E.T)

俳優発声上級(9/9)                           《ことば系》

9月9日(日)俳優発声上級

講座テーマ「セリフ学「Ⅱ」関係と意識」

I think that it ・・・ 自分の思いの中で表現するのではなく、そのものになる

[1]対話劇 相手が話す事と自分の話す事の通路を作る
  自分の思っていることをすぐ出すのではない。→腹芸である。
  人間が生活をしてゆく場合に必ず
  分かり合うこと⇔分かり合わない事で成立している。
    多民族、挨拶・文化・言葉が違うため深い理解が必要。

 (1)桜の園(チェーホフ作)
  表面的なものだけでなく、書かれていない事を作る。口ではなくノドでしゃべる

  テキストP.26から ラネーフスカヤ「あの子ひどく疲れているわ~」
   ラネーフスカヤ:Aさん  ワーリャ:Bさん  ガーエフ:Cさん
   ロパーヒン:Dさん  ピーシク:Eさん  フィールス:Fさん

 ・ラネーフスカヤとロパーヒンが対立している人間力学である。

 ・対話劇(人のセリフを聞いている時に心が動く。
       ◎話すときは全員に口を見せる。唇に表情をつける。
       聞くときは相手の‘口’を見る)
   →相手に強要する。ロシア人は多民族ある。→しつこくて、いやらしい。

 ・俳優の個人的思いや感情の使用や表出は極力さけ、その時の生の生理的反応を
  伴った、心の変化をつかまえ、セリフにする。
 ・ラネーフスカヤは歩く時にどう止まる、立ち上がるのか
 ・人間は自分の思いが先行しない。実際を作る。
 ・Aさんは息を抜くが、ラネーフスカヤはエネルギーがあまっているから満足して
  泣く。エネルギーは体の中心にくる。

 (2)エクササイズ
  イ)内臓の力を下に抜く歩行練習(止めない、溜めない)
   ・足はペタンペタンと垂直に上げて垂直に降ろす。
   ・止めない、溜めない、息を流す。肩を抜く。背骨の力を抜く。内臓の力を抜く。
    腰の意識をする(開けっ放しにする)。腰方形筋を弛緩させておくと
    息は流れる。腰を抜く、側腹を抜く、恥骨、鼠径部を足にのせる。
   ・手のひら、手首、肩にもためない。首の付け根を抜く。
   ・口の中あく、ノドが空く。口は前で開けず後ろであける。
    すると縦口になる。下あごは降ろしておく。
   ・腹を抜いておく。人中はとても大事。
   ・‘カラスガミテタ’‘ユウヤケコヤケ’‘アシタテンキニナレ’
    ‘タケヤブヤケタ’とつぶやくように言いながら歩く。
   ・タケヤブヤケタ→実感が持てる。
    対話とはイメージを固定する事ではない。

  ロ)腰方形筋のささえと伸展
   ・骨盤と腰方形筋につながっている。分離しない。
   ・アンダーコードで出す。
   ・ノドの奥をあけて、あごの力を抜く。うがいをする。
   ・下あごを抜けないと、ノドとつながらない。
   ・腰方形筋をゆるめる。
    手をぶらぶら。手をゆする。手首を回す。足首を回す。足裏で感じる。
    ↓
   腰方形筋でコントロールする。
   笑う=腹で笑う
    話をしている人とシンクロして。
   リューバの呼吸に合わせる。聞きながら周囲を見て、相手の反応をうかがう。
   相手に対して呼吸をシンクロさせてゆく。
   声や言葉は身体である。息を変えるのは腰である。

  日本人の特徴
    グループの中で真剣なことを言う人がいると同調する。

  思い方、感情はすべて呼吸法である。そこを変える。

 (3)役付けセリフ稽古
 
 (4)セリフ箇所(長ゼリフ)を決め個人指導と全員合評会
  Aさん~息の流し方が同じです。膨らませたまま。息の吸い方を変える。
      口の自己主張が強すぎる。
      バカな女(↗)-理念だけである。 バカな女(↘)-下におろす
  Cさん~頭がジャマ。体におろす。語尾が納得したものにする。
      なつかしい(↗)とはしない。意思は外へ。生活感がない(唇)
  Gさん~ズボンを脱いでパンツだけでやってほしい。
      私自身の人間性を感じながらやる。
  Hさん~造花である。ラネフスカヤで死ぬほど鍛えてやる!
      実感がないところで作りたがる
  Iさん~生理をロパーピンに近づける(内臓をロパーピンにする)
      息を中に溜め込みすぎ
  Jさん~後半にJさん節になっていた。パンツの中にいろんなものが入ってる。
      具体的で肉体的なもの。
  Kさん~相手にしゃべっていない。息が一定である。つまらない。銅像である。
      不安定さがない。安定したら崩す。
  Lさん~溌剌として自信に満ちている。息が流れていない。安定してしまった。
      腹の中→切腹する(安全に死に方)

   自分の腹の中が生きている。腰が一つに決まっている。
   横腹の芝居がない。
   人間の精神状態は腹である。

  Aさん~腸が愉快ではない
  Bさん~
  Fさん~人間の汚さがない。肺と腸の位置をかえろ!
  Eさん~観念芝居すぎる。子供に見せる芝居にする。ひねくれすぎている
  Cさん~いやらしい!力入りすぎ。内臓の肉付きがない。
       ノドやパンツがあるのか?Cさんが裏を読めるようにするためには?(課題)
  Mさん~地に近い。口調ではなく、息のポジションを変える必要あり。

◆本日の磯貝語録
 内臓に実感をもつ。内臓意識を強める

◆本日の感想
 ラネーフスカヤは難しい。でも、ようやく、声、呼吸、発語、そして対話が
 一致して見えてきた。今までのセリフとはちがう!!(K・H)

俳優発声上級(7/15)                           《ことば系》

7月15日(日)俳優発声上級

[Ⅰ]演ずることの本質を考える(磯貝塾長)
 「桜の園」(チェーホフ)
 ・社会のために演じるのではなく、人間のために演ずる(人間を抽出する眼力)。
  社会を理解するのではなく、書かれている文をどう読むのか決める。
 ・この役そのものの人格(性質)を見つける(心の方向性)。もしくはつくる。
 ・俳優の仕事=身体感覚(声と身体)と霊媒性による役の現実化。

[Ⅱ]第一幕をリーディング(グループになり)
 ・笛の上側(upper code)の共鳴を多用する場合。
  笛(vocal code)の位置を上げないように(自然だが自分になってしまう)。
 ・笛の下側(under code)声帯から下の共鳴を主体的に発話する。
  語尾は注意する(upperとunderは顎の位置が違う)。

  「やれやれ列車が着いたな。何時だ?」
  自分の外に神様を置いて、underで読む。
 ◎自分の中で言うな。引き込むな。

 ・意志や感情は笛にある。
  無信心は神様と話ができない=ニートになる。

  Aさん:喉が強くなった。
  Bさん:斜め前方の神様に語りかけた。
  Cさん:すべて手引き込んだ事が分かった。
      uncer codeは胸声-丹田呼吸にする(自分の感情が下りた)。
      緊張を緩和するときに表現になる。      
  Dさん:顎を意識するとよかった。
  Eさん:克服しつつあるもの、好みのものはOK。
      歌舞伎は絶対捨て息が必要(必ず息を出してからセリフを言う)。

  息を流す=喉を開ける。息の支えどころ。

  セリフを吐きながら、自分の空気の通りをよくする。

  多くのグループであること:顎の下になっている。
  これをunder codeにしなければならない。

  感情の置き所、喉を開けておいて息が変化する。感情が変わる。

  いい息をもってきたら、声を息で変化させるか?
  場合によっては、いい声をかくすことができるか?

  息を変えて、音を変化させる。

  自分のいい声を使いながら、消しておきながら、表現する。  

◆本日の磯貝語録
 俳優は祈る力と生理がないと傲慢な芝居を遣る。

俳優発声上級(6/10)                           《ことば系》

6月10日(日)俳優発声上級

[Ⅰ]全員ストレッチ(磯貝塾長)
 ①座ってかかとを踏む(上下運動)
 ②首の後ろを伸ばす
 ③背骨と肩胛骨を引き離す
 ④左右に肋骨を動かす

[Ⅱ]「歩く」
 肩の軸をつくり、腕は後ろに引く。その反動で前に腕を伸ばす。
 薬指を意識する。
 ・身体の中心軸を歩くときに崩さない
 ・かかとに重心を降ろす(踵骨をうかして歩かない)
 ・恥骨を前に引かれるように前進性をつける
 ・魅せようとする意識
 
 ◎歩くことを格好良くする=「俳優」であること

 ・下唇から息を水平に吐く。そのまま直線に歩き続ける。
 ・背中を意識する。その上で前面を前進させる。
 ・歩くときは、かかとで歩く(必ず踵で着地する)
  ゆっくり歩く、早く歩く
  「ho」→深い場所に息を当てながら歩く
  「o」→懸壅垂~軟口蓋
 ・下顎の前歯2本を使って顎を動かす→下顎に力が入ると頬に緊張がはしる
 ・「ホォー」という音を懸壅垂の奥に当てる。音程を変えながら歩く。

 ・人間は、眼に見えた「赤い花」を見て、思考をして、「赤い花」という音や文字を
  結果をつくる。

 「表現と認識のプロセス」
 ☆表現者は、「赤い花」という結果を基に原因を思考して、「赤い花」という
  音をつくる。「赤い花」という結果からすぐに「赤い花」という音をつくる
  のではない。

[Ⅲ]「桜の園」によるセリフ学③
 (チェーホフは自然主義リアリズム作家)

 ◎思うと考えるの違いの体感
  1+2= を思ってください。
  2+4= を考えてください。

  思う(概念) → 頭の中で感じる
  考える → 答えがあったり、発展させる言葉があったりするのは
           前頭葉の作業である

  主観を他人を理解してもらうためにそっくりそのまま出しても通じません。
  伝えるためには別の思考が必要。
  主観 - 思う 
  客観 - 考える  ←自己の客観性を持つのが俳優術

  生理的にも  考える  と    思う  事は違う 
            ↓         ↓
          自己の客体化   主観

 考える 「雷が落ちました」  どこに?
 思う 「火柱が立ちました」 火柱→熱いと思った

  ・結果の答えは「思う」のではなく「考える」

 ◎セリフの中で「考える」と「思う」を分ける

  ・完璧で人工的なものは、芝居にする必要はない。
  '生'である事、主観化 ⇆ 客観化
  ・前回の読みの時に、頭の中にあることを外につくる(客体化)。

 <テキストを読む>全て考え、セリフで読む
 p72~ その他
 p110~ 

  ①Letter  「赤い花」
  ②原因  「赤い花」
  ③思考  
  ④言葉  language
   ①~④へ行くのは俳優ではない
 考えて再構築する俳優→生々しさが出る

 考える→命題の前後も考える
     命題そのものは当然考えるが、他の物が明確に派生する
     etc. 先と前には何かあったのか。
    (考えるとは、進化すること。退化することではない)

 ◎口ゼリフではなく、のどセリフで読む(舌小帯/胸に音を下ろす)
  
  ・実感を持つ
  ・自己客観化する 鼻があいている 鼻呼吸
  ・芸人とは、外の判断に通じるように芸を磨く
  ・芸とは、出口(観客)をつくること
  
◆本日の磯貝語録
 俳優にとって、書かれたセリフはその役の思考の結果(出口)である。
 演じ手は思考の元である原因を探し出し、それを含めた出口(セリフ)
 読みをすること。

俳優発声上級(5/13)                           《ことば系》

5月13日(日)俳優発声上級

[Ⅰ]「身体基礎表現」
  「歩く」
  ・舞台俳優は空間的感覚を体を動かすことで見つける。
  ・中心ライン(人中、喉、みぞおち、丹田など)は、中に入れずに外へ出そうとすること。
  ・重心を降ろす。
 
 1)両手直立歩行
 2)両手水平前出し歩行
 3)両手垂直下方歩行

  ※座っていても身体的な感覚をつくる

[Ⅱ]セリフ学("桜の園" チェーホフ作)②p17~p24
  ・2回目以降の合わせ稽古は、現在の本息でやること。
  ・聴き側は、欠点、弱点、あら探しに走らず、演者の息を探す。

  ◎朗読→自分づくりと実感づくり→「対話へ」→相手ゼリフの聴き方、受け方→
   「日常会話へ」→意のある喋り

  ・俳優さんはその場で変えていく
  ・読み方を決めてしまわない。受け答えをつくっていく。
  ・セリフを常に同じ状態では読まない。決めてこない。言葉の型にはまらず
   自由であるべきである。

 (1)p17~p24、アーニャ、ワーリャ
   Aさん:相手役のセリフを受けるとき、必ず息を下げる、息を止めない。
      (原則として、喉を開けるべき)
   「疲れたわ」「そうでしょうとも」→息が流れていない。

  ・相手役セリフは、特に横隔膜をゆるめて受ける。
  ・怒ったセリフは、日常の怒りに入り込まない→別感情
  ・"考える"芝居は適当にしない。漠然と考えないで、一点に集中し、
   他は緊張せず速く考える。

 (2)女性3人組、男性2人組で読み稽古(グループ)
  ・同じ役はひとつもない。必ず違った人間をつくる。
   芝居は役を深くして→知性、職業、価値観が異なる。
  ・役をユニークにする。
   (この人と違う役をつくれる。一語一語をそれぞれの役としてつくれるか)

 次回、男性は今日練習した場所 p110~p115
    女性はトロフィーモフとの掛け合い p87~p92
       ペーチャとの長い話 p72~二幕の最後まで

 呼吸の問題が全員にある。すぐに本息の領域に入る。

◆本日の磯貝語録
 リアリズム演劇は、全てのセリフの意味を理解し、意識化する。
 次に、そこからなるべく早く解放され自由となること。

俳優発声上級(4/8)                           《ことば系》

4月8日(日)俳優発声上級

 ストレッチ10分間 [磯貝塾長]

[Ⅰ]セリフ術とセリフ学「桜の園」(チェーホフ)による
  書いてあることより、どれだけの実感を作ることが出来るか。
   Aさん:ロパーヒン
   Bさん:ドゥニャーシャ
       ふたりとも、読みながら実感を持てていない。

 ・セリフは俳優の道具
 ・劇団とは、共通の言語、思想、コンセプトを持ち、表現を創るグループ
 ・受ける人(観客)に渡すための根拠は、全て台本の中にある

[Ⅱ]観客が高い金を払ってもよいと思われる演劇って何だろう
 ・見ている人が、常に発見する演劇
 ・観客と俳優が、両方楽しめて、場を共有できる演劇

 ・伝承できないものはアーツではない。
 ・登場してくる人物の状態を正確に表現する。

 ・俳優とは、自分以外のものの考え方を自分自身の中に作っておかなければ
  演じることは出来ない。原因作りが必要である。
 ・今までの役作り
  何歳、職業、人種、生活等の言葉の要素を決めてキャラクター作りをする。

[Ⅲ]磯貝メソッドの役作り法
 ・俳優がセリフを言いながら、リアルタイムに実感を持ち、他者と実感を交流し、
  実感を修正して、その役をデザインしていく。
 ・書いてある文字全てを裏付けしておく。分かったふりでセリフは言わない。
 ・俳優は、相手のセリフを受けなければならない(特に対語劇の場合)。
 ・聞いている時に、実感をためていられるか?
 ・相手の言っていること、自分の言っていることが複層しているのが俳優である。
  話しながら、同時に考え、他の事も感じる。

[Ⅳ]セリフの実感を持つエクササイズ/ことばと実感
 ・「おかえりなさいまし」と言いながら実感を持つ
   書いてあるセリフ以外の実感がある
   実感を研ぎ澄まして、自分の中ではっきりさせること。

 ・俳優は、どんな役でも「素晴らしい人間」である部分をつくり出すこと。
 ・俳優は、1人で出来ることを創る。
  (相手に左右されず、1人で出来ることを埋め尽くす)
 ・セリフを言いながらも感情がわき起こってくるのを待つ
       ⇒それを間という
 ・言っていることの根本原因の実感をもてるか?

 ・2人組みで発表
  Cさん、Dさん組み
   Cさん:列車が到着したのはいつなのか決められない
    →書いてないことは決めればよい。
  Eさん、Fさん組み
   その場における自分自身の実感を持つ。息は鼻から吐く。

 ・相手の話を聞きながら、感情が起こるのを待つ。
  (腹と呼吸を使い受けること)
 ・人間と人間の実感の交流を行う。
  自分の中にいる自分に話して実感を持つ。

 ◎喉の中(アンダーコード)に感情をつくる
  現代劇の芝居の練習は、情報のやりとりが早い。
  そうではなく、書いてあるセリフの原因を実感としてつくる。
  自然にやる 読みながら、様々な変化を受け入れること。

  自分のセリフを言い、実感しながら相手の反応より実感を修正する。
  自分のやり方ではない!

◆本日の磯貝語録
 ◎実感のあることば、実感のない言葉
 ◎俳優はヴァーチャルな想像は不用。実感出来る想像をつくり出すこと。

俳優発声上級(3/16)                           《ことば系》

3月16日(金)俳優発声上級

 テキストを読んでみる(二人組になって)

 ユーモアについて考えてみる

◎なぜこのテキストを選んだのか?
 日本のものはユーモアがストーリー上のものが多い。多分、日本人の日常の
 局面にユーモアが少なすぎるので、筋立てで無理に面白くしているものが
 多いので。

 ・台本をすべて使って表現しようとする事。
 ・練習は、相手の反応を聞きながら、自分の反応を最後につくること。
 ・喜劇役者は、書かれたセリフから違うことを出していく。
 ・俳優が台本からエネルギーを増幅させてユーモアにつなげていく。
 ・笑いは感覚で決まる。
 ・心の感性を磨きながら作っていく。
  喜劇を喜劇として読んだらつまらない。喜劇の感性を作っていかなくては
  いけない。

 芸能として筋書き通りの事をするのはおもしろくない。
 俳優は、他人の人生に入ってひっかきまわすもの。

◆本日の磯貝語録
 ◎多彩な声にユーモアが宿る。
 ◎ユーモアは心のプリズム
 ◎扁平、偏狭な心にユーモアは宿らない