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セリフの技法(3/4)                         《ことば系》

3月4日(木)セリフの技法

講座テーマ「一年を省みて、何が見えてきた」

〔1〕年度後半より、「演劇上演」より「演劇とは何ぞや」「台詞とは」「演じるとは」
 「生とは」等にシフトした。そこにひそみ、そこから見えてきたのは何であろ
  うか?
 「なぜ声を出してする」「偽装して行う」意義は何か? その本質は?等々

 〈演劇〉以前はこうある、という姿があった→今は?→答えが多すぎ、答えに
  ならない。
 ・落語3年で高座に上がれてしまう手軽さ→消耗品化してしまった。
 ・オリンパスの時代から「演劇」がある―4千年→音楽・絵画・演劇はなくなら
   ない→「芸術」
 ・引き継いでゆきたい、つながってゆくもの VS 個人消費
   演劇=「つながって行くもの」。今の日本現代劇には繋げていくものがあ
   るのか?
 ◎消耗品ではなく(飽きないもの)、時間を越えて存在できるもの
  フォルスタッフを上演して、商品化するのは大変。
  (誰が引き継いでゆけるものにするか、プロモーターが必要)

〔2〕演劇のプロVSアマチュア と俳優という存在は?
・自分が出来そうなことをやりたい人ばかり増えた→アマチュア化→必要な訓
 練を嫌う。
・自分に投資する訓練をするプロが激減した→消耗品化→良く訓練されてい
 ない。
・手軽で見ばえの良いものを客も俳優も好む→表面的で深くない→見てくれ
 小ギヨウ
・「役者は何をどうするべきか」から発しないで「どうしたらいいか」の処理人と
 なる。
・「演ずる」とは元来根本的なこと→「どうしたら」は演出家の方向
演技の生理「ドキドキ」がないとダメ(2、3月)。不安の無い演技はウソッポイ。
      (「ドキドキ」しつつ、それをドキドキ見ている自分がいる。)

〔3〕「意」と「気」を分けて考え、体験した。(10、11、12月)
(役者:劇場の中に縛られて、生活志向の「ドキドキ」を自ら作るには!)
人工的セリフ(意→文字)の中に、自然的不安(気と身体)をどうしてつくるか
ここをやっていけば、アマチュアの壁を越えられる。それを訓練する。
自分自身の心身チャンネルを増加させないとダメ訓練(要メソッド)
 身体が演技する VS 言語が身体を束縛する 
 身体が音声を発する VS 知が音声を人工化(社会化)する。

〈知・意 VS 体・気〉
・現代は知意優位なので、両者を一度切り離す事が必要→基礎訓練
 演ずる人:一度、今の自分と決別し、本来の生物的自分を取り戻す事。
・俳優は、劇作りのためのあり来たりの材料ではない。俳優の能力によっては、
 書かれた劇の予定調和的結果ではない、表現空間が創出可能となる。
・そのストーリー、その役、その台詞をどこまで別次元に持って行けるか、で
 俳優の優劣が決まる。
・頭で台本を理解するレベル(能力)は低くてはダメ。しかし、それにも増し、気
 の世界を持っていることが必要。
・神秘性の乏しい役者は、劇を豊かにしない。役を喜ばせない。自分自身に
 不思議のない役者は育たない。

〔4〕身体感覚(全身)を起こすエキササイズ
①足裏の感覚、手掌感覚の覚醒
 (良くこする、良くはたく、指間をひらく)
・自分自身の中の散漫になっているエネルギーを集合させる。集中をつくる
・足裏と足首、膝関節の運動と“気”の感知
・スクワット15分間
・足の指を離す。
 アースする、よくこする。時には人にしてもらう、人のをさせてもらう。
 アースして、地磁力→身体をまわっている
・手の使い方を良くとらえる。
 手を使うことで、足を感じるように。足指で字や絵を描く。
・足を使い物事を考える。自己感情を表現しようとする。
・他人と足と足を触り合ってみる。→親密さを感じる。

②皮膚感覚の覚醒
 目を頼りにしない→耳
   →触覚―受ける(肌で受ける感覚)
     さわる、温度感、風、触れられる感覚

・頭で考え、言葉で認識している、出来るものとは、次元が違うこと。
 「私が見えていないものはどれだけあるのか」(本質的好奇心)
  視能力で見えないものが鑑えるということ。
 「ここに気がついていないものはない」という雑な感覚ではだめ。
(見えていないもの、触っていないものがどれほどあるか、どれくらい触られて
いるか)
誰かができれば、必ずできる、誰もできないなら、やってやろう→生命の欲求

③活舌(タンギング) 音声の言葉は全て舌から。
・音を意識しない発語は、客観でとらえにくい。
音には必ず中心核―芯がある(実感がある→伝わる) 自己実感
・音声→ストレート→雑音がない、少ない→分かる
    不鮮明  →雑音があり、集中少ない→わからない。
・「しっかりした声を作る」→自分を表現するためではなく、外とどうつながるか、
 伝達力を上げるため。
 純度の高いものを求めて修業する。 

◆本日の磯貝語録
◎人工の精神では宇宙も分からんし、身近な心もわからんよ。見えないものが
 視えるし、聴こえんものが聴こえる様にになって初めて人は楽になるんよ。そ
 れからが芸術の世界だな。

◆本日の感想
 眼に見えないものをどれだけ感じられるか。足裏、手掌がアンテナで、腕か
 ら全身の“皮膚感覚”をどれだけ生きたものと感じられるか。外の視えないも
 のを皮膚で受けることから始まる、その重要性を知りました。

セリフの技法(2/18)                         《ことば系》

2月18日(木)セリフの技法

講座テーマ「生きた台詞、生きた演技を追う③」

(1) 作られた役、作られたセリフを生き生きしたものにするため、俳優は?
・リアルな生活は常に不安定。そのためいつも安定させたい心のベクトルを
 持っている。
 →生々しさ(生命現象)は常に不安で不安定。未来には全や楽を希求する
 心を持つ。
・台本=過去(以前)に書かれた、これからの出来事。しかもその時その時の
 “こうある”という結論、もしくは結果が示されている。整理され、文字化され
 ている。
・自然な喋り=台本がなく、脈絡がなく、思い付きで、音声はメチャクチャで発
 散型が(生活上の) 多く、口調や言い型が重要→文字化出来ない

・台詞:死んでも、生きてもないもの。これから起こるべき“今”を整理して書か
    れたもの。予定調和  ※予定調和は生き生きしてない

〈台詞のルール〉:文字化され決められた筋や情態や状況の中で、まるで
           ルールのない自然な喋りで生き活としているような“嘘”を
           つく。

〈リアルタイムの生〉:台本がなく、次や先が決まっておらず、常に不安、不安
            定で負の状態である。そこで安心や安定を仮定し、心の
            正へのベクトルを持たせ、負と正の間を往き来している。
            このエネルギーのゆれが正に生である。

◎生き生きとした台詞のヒント / 相手役をどのように解釈して、対応してゆ
 くか。
・今、今の嘘をつけなければいけない(正に向けたウソの希望)
・悪の道は良い。捕まるという不安にいつも“おびえている”“心がゆれている
 悪事と知らずにやる悪事は、心のゆれ(恐れ)がない。知ってやる悪は心が
 ゆれている。
 ドキドキ(負を実感し、正へ向かおうとする心の振動)を全身で感じている。
 生きている。
・バレないようにする:完全犯罪
   ⇔バレないこと
◎リアリティを一番感じる、生き生きとしているのは“悪事を働いている時では
 ?”
 「悪の瀬戸際のドキドキ」これを代理人にバーチャルでやらせているのが
 “ミステリー”。
 実害がないので、バーチャルでドキドキ(生の刺激)をやっている。

(2) 相手役との関係
・相手を思いきり客体化し、突き放し、観察し、相手のことに参加する。
・「嘘」で言うと:自分―役、相手―役の4者が嘘をつきあっている。
         各々が欺き探り合う緊張感は、より一層のドキドキ感を作る。
・少なくとも、ストーリー通りの慣れあいにどれだけ魂の振動を作れるかが重要。
 ◎役者は完全犯罪を狙わなければいけない。

・悪党でなければ、芝居ができないわけではないが、善良な人では芝居にな
 りにくい。人間を良いとこ取りするとイヤラシイ善を基盤もしくは前提に
 人を理解されると、ウソッポイ
 
俳優の人間理解の根底は、“人は善でも悪でもなく、ニュートラル”に置き
 たい。少なくとも様々な人を演じる私は、“ニュートラルな心”の苦しみを
 引き受ける勇気が必要

◎台詞だけではなく、身振りで「完全犯罪(日常的自然)」をする。
・身振りの1つに声がある。声が正であり、負である。
・自分を安定情態においたら、台詞は言えない。ヤバさに燃えるドキドキに身
 をおくのが第一条件ではなかろうか?
・安定は危険の上に乗っている。安心は不安のお陰で存在する。

◆本日の磯貝語録
 ・俳優の人間理解の根底は「人の心は善」「人の心は悪」でもなく、ニュート
  ラルの心に置きたい。初めから色があってはダメだ。
 ・“予定調和”の台本を不予定未調和にするのが、俳優の仕事(面白い芝居
  のために)

セリフの技法(2/4)                         《ことば系》

2月4日(木)セリフの技法

講座テーマ「生きた台詞にする」ということ―②
〔1〕個人ストレッチ
  下顎を開くと、喉が開き、後首に響くようになる。

〔2〕講座「生きた台詞を追う」
 (1)セリフの生々しさについて。
  ◎・書かれたセリフが不自然でないとは、どういうことか。
   ・書かれたセリフを生きたものにするには?
 参考:ロシアのイプセンの演出は、ストーリーを壊そうとする。
    ストーリーではなく、その瞬間を生きたものにして、ストーリーを忘れさ
    せるような演技をしなくてはいけない。

 ・Q-1 あなたの生きていると感じる時は?  
  A:Aさん:ご飯を食べている時。
    Bさん:あまり感じていない。体調が悪い時。
    Cさん:共感した時。
    Dさん:走っている時。ご飯を食べている時。
    Eさん:自転車に乗っている時。
    Fさん:寝ている時。

 ・Q-2 生きていると感じる事象はどんな事?
  A:Aさん:花が咲いている。
    Bさん:猫そのもの
    Cさん:重病人が生きている。
    Dさん:自然・森・木が生きている。
    Eさん:動物、火
    Fさん:寝ている人、動物

 ◎書かれたセリフを生々しくするためには、「生きていると感じること」を再現
  できないとならない。
 ・セリフを覚えて、なぞってみても、「生きている感」は少ない。それは何
  故か?
 ◎文字で書かれた台詞は、すでに文字化され、記録された全て過去
  事象である。
  喋る言葉(台詞の意味、内容)は、全てこれから興る未来の出来事である。
  この二つは矛盾している。この矛盾の間を往き来する事が、台詞を生かす
  ということではないか。生きるとは、不安定の連続ではないか。
 ・書かれている、過去を今の自分が生きたものとして喋るとはどういうことか?
 ・人が未来を感じる時、それは今の延長ではない。
  テキストはその物語の起こるべき未来を既定し、文字化している。未来を
  決定している。
  テキストを追いかけるだけでは、不安やドキドキはリアルにはおこらない。
  予定にないことが起こる時こそ、不安やドキドキがある。(未来)
 ◎アーツの世界では、「危なっかしい」「安定でない」「恐怖」が必要である。
  これらがあるから、「喜び」「嬉しさ」が表現できる。

 ・セリフには、不安定感を持たせる必要がある。
  生々するためには、安定しては、次への期待が自動的に用意されない。
 ◎安定すると、過去の追随になってしまう可能性が大である。とすると、その
  場での不安定感を新たに創出することが必要となる。

 ・過去を使って未来をする。過去を追随する行為と違う。
 ・定められた未来に向い、予定調和を行っても、生き生きはしない。
 ◎では俳優は一体何をする事でそれを獲得するのか?
 ≪感性、思考回路を広くすることが必要≫
  あまり練習をしないのは、ドキドキを作るため。
  予定不調和を作り出していくにはどうすればいいか、考え出すこと。

◆本日の磯貝語録
 アーツの世界では「恐怖」「不安定」「欠落感」「好奇心」等が必要条件であ
 る。

◆本日の感想
 セリフの生々しさと不安定感について、改めて考える機会になりました。
 セリフを不安定にする方法を考え出したいと思います。

セリフの技法(1/21)                         《ことば系》

1月21日(木)セリフの技法

講座テーマ「生きた台詞にするということ」

・「しゃべっている台詞が生きているか。その役の生活ができていますか?」
 が基礎。そこから始まる。
・出していることば:自然に出しているので生きている
   VS 書かれた台詞:死んでしまう
 「生きた台詞 VS 死んだ台詞」とは?
・設定された条件の中で、生きた台詞にするのが俳優。
・自分が変わっても、役は変わらない。― 実年齢と役の年とのギャップ
・最近の傾向:あて書き←俳優が役を作り出すのとは逆方向。
         自分の思考でできるもの。スライディングできるもの。

〔1〕生きた台詞を追求する。

 (1)そもそも演劇とは何かを演じ手側から考えること。

  ※台詞が生きていれば、観客は良かったと思う。
・「生きている」ということを見せる。― 観客はそれを見にくる。
  何が、みんなが楽しむことができるのか?
・「生きた台詞」の経験は? VS 「芝居になっていないよ」
・ 生きた台詞とは? 
 -Aさん:新鮮味のあることば。そこで起こっていることへの反応がある時。
   会話劇-「前に言った人を受けてのことば」
   一人台詞-「自分が言ったことを受けてのことば。」
・生きた台詞の経験、失敗した時は?

 (2)文脈(context)って何? 文脈の実感はあるか?

文脈:1つの芝居の文脈、台詞の文脈、条件となっていること…

 ‐Bさん:文そのものの書かれている字義以外の脈絡、表と裏
 ‐Cさん:文字と文字とのつらなり→関係、時間の流れ
       文脈はどちらかというとストーリー?
   →劇にするには「文脈=あらすじ」だとあまりよくない。
 ‐Dさん:どちらかというと「あらすじ」と捉えていた。

・O氏の発言:本当は何を言いたいのか?裏 VS Hさん:表のみ、コラージュ発言
・ジャンルによって、文脈の捉え方が違う(小説、童話、劇…)→それを研究するのが文学(部)
芝居(台詞)のコンテクストとは― 字義通りのものでない、含まれたもの。
      ↓
台詞からの文脈とり―言っている台詞から伏せられた関係、過去、思惑など
 探り出す。
  志賀直哉や芥川作品は、その場で文脈が生まれ流れ出てくる→天才型
  井上ひさし:先にゴールを決めて、逆算して書く→努力型
  井上 靖:計算しなかった。→辻褄があわなくなると、そこでやめる。

◎芝居:1つの台詞が1シーン。次の台詞は別の人→別のシーン
    しかし、前の台詞に大きく影響を受ける。縛られる。
    芝居の文脈はどう起こしてゆくか?
    
 ‐Eさん:話の流れから、字義以外を想像する。
・文章は話そのものではない。簡略や説明を入れている。
    →口伝から文字化→基本的に「しゃべっている」
 「生きている」:見えている、触れるもの以外の沢山で成り立っている。
    関係しあう→「しくみ」(構造) ⇒ 文脈とは「しくみ」

 ‐Fさん:心の葛藤、下に流れている心の交流。

〔ホワイトボード〕
 生きた台詞
  ・文脈(context)
  ・仕組み
  ・読み取る

Ex-(1)
ページ:Cさん、クイックリー:Dさん、エバンス:Bさん
p.112~116
 ◎シェークスピア劇は、計算して、書き直しを重ねて、書かれた作品が少なく、
  その台詞の中に沢山の事が秘められていた。

〈Ex-(1)の評〉
・言っていることはわかるが、「それを芝居にして欲しい!」。各自に“劇”が興って
 いない。書いてある通りの頭しか動いていない。困ってもないし、葛藤もないし、
 矛盾もない。相手に対し、言っている事以外を感じてない。
 ストーリーを通そうとしすぎていて、ウソが作れないので、良くできたロボット
 ゼリフだ。ちょこちょこっと、陰や裏があって欲しい。

◎芝居・戯曲をよく読んでいる人⇒ストーリーを進行していくような読み方はしない。
 ストーリーの説明をしない。
◎俳優はストーリー主義になってはいけない。ストーリーは結果だ。分かっている
 結果への予定調和に、生きた劇は生まれない。
字義通りの裏が文脈。
 
Ex-(2)
p.112 幕開き ページ夫人の台詞
  ・じゃあ、もうあの男は…

〈評〉全て具体的な文言ではない。しかも他の前ゼリフはなし。
   その事だけ言われても、客は一体何の事やら分からない。
   そのため、ページ夫人は、一語一語を分かってないものとして、
   考えたり、探したり、時間を使ったセリフにすると良い。

◎クイックリー夫人
〈評〉頭で読む(小説読み)のではなく、頭で作りながら喋るとよい。
   (読みながら、躊躇していないといけない)

 実生活:立て板に水ではなく、探り合いながら話している。
     口よどみながら言う。何を相手が言っているか。ほとんど相当無責任。
     思ったより、もたついたり、考えもしないで反射的に早口だったり。
 セリフ:無駄を省いたり、裏を作ったりしているので、実生活の頭脳や感情では
       ない。しっかり作られている。
 
「生き生きしている」喋りとは?
 自分で意識しないで早口になったり、つっぱしったり、躊躇したり、それをどう
 作っていくか? 口調、スピード、タイミング→それをどう作ってゆくか。
 
◎エヴァンズ  相手に向かってしゃべる。
〈評〉我々にとって、一般的キャラクターでなく、言葉も特殊である。
   最初から作ってしまうと、ロボット的、造り物となり、生々しくなくなる。
   セリフことばは、自分の生活言語でないので、変にすると失敗する。
   人間が生きているということに置きかえて作る事が重要。
   セリフの表面にまどわされない、労費させられない方が良い。
   私の人間性が出張して、その役をやらないといけない。

 ◎具体的には、
「今、私がこの言葉を言っているよ」という体と心の実感が全身になくちゃ
ダメだ。そのセリフを通して、今の自分を少しでも多く感じ取ろうとすること
だ。何でもいいから、その言葉は口と喉ではしっかりと言っていること。うまく
行けば、そのセリフが自分の思考や感情を探し出してくれる。


・自分の裏側はあまりはっきりしていない―避けて通ろうとする。

・ロボットにならないためには、人の血をかりないといけない。
 表向きの人間ではなく、自分という人間の理解、察知力。
 ~ing で「自分は嘘つきだな、こんなバカなことやって…」と思う自分
 →それが「自分」
・1つの感情に対して、脳がスイッチングで正否を作り出している。
・自分の裏を知っているか? 考えたことあるか、実感しているか?
 1つのセリフの中に、表と裏が出てくる。
・自分が縛られているものは、裏となっている。

『文脈含みの、しかも生きた台詞にするには』
①自分そのもので読んでみる→自読み。役読みをしない。
②繰り返していると、自分との差を実感し始める。
③“自己感”の部分を全身表現してみる。
④落ちたセリフ部分を、ゆっくりと小さな声で腹に向かい繰り返してみる。
 納得できるものが生まれてくる。

◎世の中で一番生々しいのは、今現在の自分である。それをつかんでいない
 俳優は芝居ができない。

◆本日の磯貝語録
 俳優はストーリー主義作になってはいけない。
 今の瞬間をどれだけ広げるかが仕事だ。

◆本日の感想
 生きた台詞や文脈を考え、つかまえ、更に分からないテキストには自分で
 つかまえようとしなければいけないことを学びました。本格的でなくても、
 そうやって来たようにも思います。

セリフの技法(1/7)                 《ことば系》

1月7日(木)セリフの技法

講座テーマ「これから何をどうして行きたいのか―本人の展望」

〔1〕決意表明
①Aさん:30歳!!富士山に登りたい。
      音楽的な事をやりたい。→楽器
      役者として食えるようになりたい。
磯貝先生:人間の感性が伸びる時がある。自分は本当は何をやってみたい
      のか、自分に聞く。何でもやりたがる事は信用できない。自分で
      見つける。情報に惑わされない。
      もっとましな言葉を話した方が良い。(子どもっぽい))≪逃げない≫
      ‘しゃべる’という事をきちっと捉え、根をつかまえる=ものがしゃべれ
      る人間となる
      猛烈に訓練して、スピードを上げる。頭ではなく、体で言葉を作る。

②Bさん:・人を愛する事を本気で出来る人間になる。
       VASCの為にビジネスを作る。
磯貝先生:「やり上げる」必ず答えを出す。
       「しっかりとした字を書く」手本から学ぶこと
          →(話す事と同じくらい、書く事は重要)

③Cさん:「筋力を向上させる。」「芸で役に立つ人間になる」
磯貝先生:気力でなくやっていける事。ひらめきを大切に。どこへ行っても表
      現活動ができる人になって。

④Dさん:「体をしっかりつくる」「しっかりと考える」「自立する」
磯貝先生:今考えている事よりも二桁から三桁高いレンジの考えや感性をつ
      かまえること。現在や現実と合わせてもなにも興らない。もっとひらく。
      思いっきり広く。
 
⑤Eさん:①「自分で人に教える仕事をする。責任を持つ。受講生10名」
      ②「人に教えるために、体現出来るようになる。」
      ③「芸をする。」
磯貝先生:繊細で大胆な相反するものを持つこと。小さくまとめない。
      時間感覚を変えたい。もっと動物的に。

⑥Fさん:経済的安定
     音を楽しむために、音楽をやりたい。理論。コード進行等。
磯貝先生:1月に1話、「落語」を覚えて蓄積してゆくこと。必ず掘り出して反復
      する。言葉(感性と情)を身に付ける。

⑦Gさん:30歳・生活に律を作る。良い社会人が目標ではない。自律を持持ち
     たい
     5年間で深い階層の思考をつくる。20年くらい使えるものをつかむ。
磯貝先生:同じ環境に長くいすぎた。地方で暮らす。止まると安心し安定を
       好み、それが目的となってしまう。もっと有機的に様々を求め反応
       し、その結果が安定であることの方がカッコ良い。

⑧Hさん:客観的に物事を見る、表現する。自己的から脱却したい。
      仕事をきちんと稼ぐ。芸事をしっかりする。
      広く声を聞く。
磯貝先生:生ではこんなに違うという創造力を持つ。実際に体験する。見方
       が1つだとつらい。視点が変わったら、物事は変わる。芯をきめたら、
       どんどん変える→勇気が必要

〔2〕「ウインザーの陽気な女房たち」セリフ読み演習
 ◎自分が出しているセリフで「面白い」という実感を持とうとすること。
  そういう役者がコミュニケートするのは良い。
  ・口でしゃべるな。口から吐くな。感情が増してくれば、下に降りるセリフ術
   をつかめ。
  ・喉と胸に置いてセリフを言う。(横隔膜を縮めない、上にあげない)
  ・声や言葉や感情の居所を稽古場で見つける。日常の延長では芸にはな
  らない。

(1)読み合わせ 実践
 ◎二人の対話ゼリフ(1)p.107 フォード(Aさん)フォルスタッフ(Bさん)
  息を前に、絶対、自分に向かって言わない。

(2)p.89~ フォード夫人(Dさん)、ページ夫人(Hさん)
 ・相手の喉仏に向かって、自分の喉仏をぶつけるように話す。
 ・芝居の中で嘘をつけるのが、芝居の面白さ。日常実感のままではダメ。
 ・目を開けたまま、息を吐くこと。セリフを相手にぶつける。
 ・正眼(まっすぐ見る)で見る。斜視はセリフがひずむ。
 ・頭で理解して終わらない。その事を口から相手に吐き出すこと。
 ・外へ出せ、下へおろす。
  
◆本日の磯貝語録
 人は朝昼晩で変わる。そして毎日変わる。自分はこうだと決めても、実際とは
 違うことの思い込み。決めないと始まらないのに、決めるとちがってしまう。
 人間は難しいもの。

◆本日の感想
 息を前に吐きながら喋る。口の中に溜めない。引かずに外へ出す。こうすれば
 “芝居になる”という実感が出来ました。

セリフの技法(12/3)                 《ことば系》

12月3日(木)セリフの技法

講座テーマ「声の品度を上げる必然と目標」
〔1〕ストレッチ(出先さん)・トレーニング
(1)上肢柔軟(首、肩、腕、背)
(2)下肢柔軟(アキレス腱伸展、左右膝関節、足関節)
(3)座位、股関節周辺伸展、開脚
(4)うつぶせで動きまわる。匍匐前進、後退・左右 全身運動

〔2〕声出し演習
(1)胸部共鳴〈鎖骨(浅い)、真ん中・鳩尾(深い)を移動する)
  声を出す部位で感じ、響かせ、息は前に出す。
 Exp-1:口は深い「O」。なるべく喉までストレートに空け出す。
  ・円になって同じ鳴りをつなげる「喉あわせ」
   ひとつの世界につくりあげるための共通項をつくる。
 Exp-2:下顎を狭めた「ア」(少し長めに息を出す「アー」)
  下顎の「ア」一生懸命やればやるほど悪くなる。嗄れやすい。声帯に近い。
  難しい。
 ◎喉が似てくる。(高度なセンス、口、喉、息)
  声を出す状態で待つ。テンポをかえて。調整しあう:整音
  品度の高い芝居になる。カンパニーになる。合わないこともある。

〔3〕声の品度を上げる必然と目標を議論する。
 ・役の持ち味に役者があわせる。その役、役の深さ巾を広げてゆく。
 ・文化の粋までいく。極端までいかないとつまらない、観えてこない。
 ・かえがきかないものをつくる、そこでしかできないこと、そこでしかできない
  人。
 ・世界にひとつしかない最高のものをつくりあげる、まねができる本物となる。
  まねができると孤立しない。最高だから集める、伝わる、新たに力がわく。
 ・人間の声も環境によっては「神の声」になりうる。天から降ってくる。
 ・声がもっているエネルギーをいかす、もっとすてきな世界、夢をつくる。
感情、感覚、意志は共有、共振できる、発明する、革命する。
人間の音の世界を発明する、声の芸術の新しいもの。
 ・消耗品にならずに、50年後、100年後に残るものをつくり出してゆく。
 ・自分ができなくても、誰かがしてくれることを切に願う。
◎前にいた人が残してくれたことの上にのっかってやっていることを忘れない。
次の人が希望をもてるような何かをつくる
 ・言葉の道具でない、声の音の世界に大化けできる可能性がある。
 ・視覚がなくても「みえる」、聴覚がなくても「きこえる」ものがある。
◎欲望ではない。何かを求め続けると、きっと見つかる。それに賭ける。
 ・ドームホール。空気振動でない宇宙の音(残響室、無響室)
  今のことだけをやっていても希望がない、気違いに見えるかもしれないが。
◎(生殖本能)=絶えてなくなれない本能を他人から奪わない
   →「希望」に信頼をもって、それに託す
 ・隣の人の、またその子の、またその子の、希望を奪わない、作ってゆく人々
→◎「人間の声は希望の源である」と信じてはじめる。
 ・共有、共振して、変わって、新しいものが生まれる、のくりかえし。
 ・自分の身体で実験してみるのもいい、響きをつくりだしてゆく。
 ・声そのものをどういうふうに理解していくか、声を出して世界が変わる。
  「それ」をすごいことだと思えるかどうか。
 ・生活感性以外のもの、こと、音に転化するのがおもしろい。

◆本日の磯貝語録
 希望をつくる―人間の出す音「声」で…!

◆本日の感想
 声そのものを元点までもどして考え、それから更に、今やっている事を通過
 し、未来にまで眼をむけ、そのもっと先の宇宙という、どでかく広い事。でも
 直近の自分までをやって来たのが感じられた。興味深い1日でした。

セリフの技法(11/19)                 《ことば系》

11月19日(木)セリフの技法

講座テーマ「セリフと心④「ウインザーの陽気な女房たち」声と心」
〔1〕鼻腔共鳴による発声練習(ピアノによる音階共鳴)
  ・鼻翼と心中に息(声)をあつめて、鼻腔を鳴らす
  ・鼻から吸気し、鼻の先端まで響かせる(吐く)
(Ex-1)(1)中低音域。必ず響きをとらえ前に。
     -響きをつくって、長く出す。
     -鼻で出すことを憶えると、耳で自分の音を聴くことができる。
(Ex-2)(2)ファルセット発声
     ・首を前に折り、後首、後頭を響かせる。
     ・喉は楽に。(閉まった、結った感覚をさける)
     ・ハミング重要!! これができないと音が出にくくなって、音域も狭くなる。
     ・聴く位置を憶える(振動している位置を耳でとらえる)
     ・「Na―」で音取り練習 音階が変わる時、連音では長音でつなげる。

〔2〕セリフ実践「ウインザーの陽気な女房たち」
(Ex-3) 何度か読み合わせ
 ・字を読まない。必ず台詞にする。喋る。前に出す。
 ・追い込まれると、人間、基本はハイになる(そのリミットを越えるとローになる)
 ・芝居は複層構造、平面ゼリフは立体芝居にならない。
 ・書いてある文字をそのまま表わすだけでなく、その本当の意図を表す。
 ・虚と実、表・裏のつくり方、捉え方が軟弱
 ・台詞の文字の色が変われば、声も変わる。そういう感覚
 ・言っていることを信じるかどうか。その台詞が本当かどうか。
 ・そのセリフを通し、最低2つの事が、頭や心の中で動いていないと、芝居は
  面白くない。
 ・フォールスタッフの受け芝居のつくり方→ただ聴いていては芝居ではない。

(Ex-4) 二人一組になって、フォールスタッフ、クイックリーのやり取りを読み合
 わせ(立ち読み)
 ・互いの魂胆のぶつかり合いをどう出すか。
 ・魂胆というのは、頭の問題だけではない。(口調、特に声、間に出る)
  
 ◎1つのセリフの中でどれだけ芝居を沢山つくるか。
  (まずは字を読む段階でつくる⇒次に現場で起こっている事に反応してつく
  る)

◆本日の磯貝語録
 ・芝居は複層構造。どれだけ多くの芝居をつくれるか。
 ・セリフは話す頭で読み、喋り実感で前に。

◆本日の感想
どんな役を割り振られても、台詞からその人の特徴をつかまえ、そこから日常を
 考え出し、早く声に出来るようになりたいものだ!! 拡げたり、深めたり出来ない
 のがくやしい!!

セリフの技法(11/5)                 《ことば系》

11月5日(木)セリフの技法

講座テーマ「セリフと心③多層化する心とことば「ウインザーの陽気な女房たち」」

〔Ⅰ〕各自ストレッチ
〔Ⅱ〕呼吸、発声、発語の指導法
・呼吸にしても発声にしても、思い込みでやっている事が多い。そのため、基本
 型を今のその人の実感と近づけるように指導する必要性がある。
①呼吸は具体的に手の指を使い、丹田を押すことで、丹田意識をつける。
 次はハンド≪手仕ぐさ≫の方法
②手掌の0から5までを1つ1つ意識する。1~5は指先が良い。
1)0を中心に1~5を動かしてみる。(気を揉む) 2)指から0から動かす(気を掴
 む)
③0と丹田を身体感で繋ぐ。0を丹田に当て、深い呼吸運動をする。
④片手を②-1)気揉みの手にし、外気を抄うように鼻に向かい、その気を吹い込
 む。
 手は鼻から額まで持ち上げ、外気も頭に向けて吹い上げる。
⑤呼気。空いた片方の手をひろげ、口の前にセットし、口から手で来た気を、手
 の平で口の前に送り出してやる。水平になるべく腕一杯伸ばして流す。
⑥吸気・呼気と丹田を同調して、呼吸法を覚えてもらう(声とことばの呼吸法)
・発声は、空気の流れと響き点を意識し、なるべく前へ前へと出す。
 自分がよく響いているなと思うところで出してみる。口腔の奥のひびきをつかま
 え、(気を奥に通しひびかせる)そのひびきを息で前に送り出す。
・発声・呼吸にしても自分が上手くつながり響くような手仕ぐさを見つけさせる。
 同様に言葉もよく響く手仕ぐさを見つけてゆく。
・上手い手仕ぐさの型を、見つけられたら、実際にその手仕ぐさ通りに空気が流
 れ、体がつながり、響きが出来るようになる。

〔Ⅲ〕ピアノを使って音を受けて、その音を出す練習(音感練習)
   口からにならずによく真っ直ぐ響く音を出せる手仕ぐさを作る。

〔Ⅳ〕心の多重性と言葉と声 (全員でディスカス)
・心の実、心の虚とは何か?
・まず、体は実であるか? 虚であるか?
◎感覚的な実虚、意識的な実虚というものがあろう。
・その役の実・虚を創らなければならない俳優なのだから、まず自分自身の心の
 実と虚をつかまえてみよう。
  ◎心の実…①身体 ②経験、体験 ③欲すること ④本音 ⑤心臓実感の
  有無  ⑥言葉にできるかどうか ⑦声
・俳優にとってテキストは実ではないのではないか? そもそもが虚か?
 俳優が実にするもので、その結果観客の実に向かえるのではないか?
・テキストに書かれたものを、俳優が実際に身体や音声を使って現出する。
 この作業は虚→実態化を基軸としていないか!
・戯曲とは、人間の表面に表れないものを堀り出そうとしている作業のテキスト
 化、こう思えるかどうか? とすると、書かれた文字はキッカケにすぎないと言
 える。
戯曲とは、私たちが理解できていないものを理解する糸口たらんとする
役者はテキストを字義通りに理解した事をそのまま表現する事ではない
◎心のことは結局どこまでいっても結論はでない。
 だが、その心を何かにしたいと思う人が芝居の出来る人になる。
「言葉は概念であり、仮定法である」
・心が身体とくっついているか、そしてその心が人物とは違う別の心になるかど
 うか、それが俳優の仕事だ。 

◆本日の磯貝語録
 ◎戯曲とは虚か実か? 俳優が演ずることは虚か実か?
 ◎心を何かにしたい! と思う人が芝居をやっているんだ。

◆本日の感想
 “心の虚と実”を漠然と思うのでなく、仮定法ではっきりと決め、セリフの音で表
 現する仕方を知ったのは大きかったです。

セリフの技法(10/22)                 《ことば系》

10月22日(木)セリフの技法

講座テーマ「セリフと心②「ウィンザーの陽気な女房達」言葉・心・頭」

 ①各自ストレッチ
 ②磯貝塾長の講義
〔1〕裏声を出す。低→高 高→低を出してみる。
 ◎換声点(Chang Voice)…声が変るところをつかむ。
              (つまったような、出しにくいところ。)
  ・日常では換声点を超えることは少ない。(これを超えると違う感覚を持つ)

 ◎音声によって思考が変わる。感情が変わる(出す側も受ける側も)
  (考え方、感じ方を変える=声を変える=息を変える=身体が変わる)
 ○裏声と地声で、どちらでセリフを読むかで感じ方が変わる。
 ○換声点より上・下を知っていると、虚がつくりやすい。
 ・役を作る →テキストから分かったことをどう声にするか。
        ことばを自分にとっての虚にするくらいでやる。
 ・裏声の思考 地声・実⇄裏声・虚
 ・自分の感覚意外のものがあると信じられるか。
  思考・感情の奥行きが役者にはほしい。だから声もいろいろ欲しい。
 ・下の換声点をつかまえる。各自やってみる。→地声
 ・地声なら相手の地をつかまえられる。裏声もまた然り。
 ・両方ある。どちらかをやっている時に、どちらかを感じられる。
  実と虚をあわせもつ = それが役者
                   ∥
  それがどういうことなのか、身体で実感するには、声を変えてみる。

〔2〕テキスト演習「ウィンザーの陽気な女房達」
  2幕1場  p.42 フォード夫人・ページ夫人の掛け合い(女子)
        地声と裏声で両方やってみる。
        p.45 フォード・ピストルの掛け合い(男子)

  磯貝先生・Aさん―地・裏どっちでもやりやすい。
       地・裏のコンビでやってみると…全く違う人種でやってるみたい。
        (実)(虚)                のりやすい、やりやすかった。
        虚同士…慣れないので疲れた。(磯貝先生)
        実同士…どこぞの芝居のようだ。(磯貝先生)
  Bさん・Cさん―虚同士…実感がない。
        虚実…やりやすい。伸びしろがある。
             Cさんは虚の方が広がった。
  Dさん・Eさん―声の感情に入ってしまった(Eさん)
        実だと、オールドミスのやりとりという型に入ってしまう。
        虚だと自由だがテキストにあってない気が…
       ◎最初はテキストにあっているかは気にしない。
        いい台本だから何をやってもいいんだという気で。
       ◎うまくなると虚・実が行ったり来たりする。        
       ◎虚実を聞き分ける耳を持つ。
  Fさん・Gさん―(Fさん)裏でやるのが日常使っていないので、つらい。
       (Gさん)地だけでやるのもつらかった。
  Hさん・Iさん―(Hさん)地だけだとつらい、裏だけだとただ楽しい。
       コンビネーションでやるのが楽しかった。
       (Iさん)Hさんの声がフラフラするのに興味深く聞いていた。
       地だと出すほうばっかりになってしまうが、裏だと相手を聞けた。
 ・裏でやってる時に間違えたか?…少なかった。⇒テキストと接しやすい?
 ◎地の方が誤読が多い(地は自になりやすく、役になりにくく間違えるのでは
  ないか?)
 ・地・裏の声は空間の広がりが違う。
 ・虚・実、両方あるから、考えられるし、わかる。
 ・虚があるほうが、セリフに変化球が投げられる。
 ・虚のキャラクターは、実にした方がおもしろい?
 ・実ばかりの芝居はつまらない。そのまんま。
 ・出している時のトーンで聞いていた。聞いている時は違っても、おもしろいの
  では ないか。実で出していても、聞く時は虚とか。  
 ・実=地声で理解する。虚というものが生活の中で少ない。
  虚がみんなの納得があれば(社会生活にでも)虚がわかるが、虚がよくわから
  ないので虚を一生懸命やる。
 ・解釈が違っても、実だと大して変わらない。
 ・虚をやったあとの実は変わった。(Aさん) 
 ⇒これをどう芝居にするか。

◎〈実と虚〉〈地声と裏声〉〈社会・生活実感と芝居実感〉をこれから深め実用化
 してゆくこと。

◆本日の磯貝語録
 虚、実の行き来をその役、そのシーンに担してあらわすのが役者!

◆本日の感想
 自分は役作りのために、声を決め固めようとしてきたことに気付きました。
 同じ役の中で虚実織りまぜた出し方があって当然だと感じました。

セリフの技法(10/8)                 《ことば系》

10月8日(木)セリフの技法

講座テーマ「セリフと心① 関係とスタイル」
◎言語脳の生得性 …DNAにある。
 台本に書かれたセリフを演じても、どうしても自分になる。自分が残る。自分が出る。
 (ローレンス・オリビエのような名優でも)

〔1〕作品を解釈するということ:役者が演者となる条件
  自分の読みは演出にくつがえされるかも知れない。
   →その時、適応できるか。
  文脈で読む⇒考える→解釈によっては違う結果になる。
  演出家は結果から逆算する…日本の芸は結果が決まっているから早く作
  れる。

 俳優―文脈解釈が何通りもできなければ
     エンディングに対して、それがどういうことなのかを考える。

 俳優は「この解釈は私には分からない、できない」という姿勢ではいけない。

 絶対論で芝居を作れるか、相対論で作るか。
   相対論では芸は滅ぶ。
 生(性)善説 / 性悪説(全ての作品(役)をどちらか分析する)
  ☆各自の思う定義を述べる → 当然、相違があった。
                   ⇒コンセンサスが必要

 ◎この作品は生善説か性悪説か、決めて演じなければならない。  
 〔キリスト教的な読み―救済の有無〕

〔2〕演習
 二幕一場 「ページ夫人が手紙+フォード夫人」の分析と読み
  ◎何かを起こしながら読む ← 考えて読む(その事以外の事を興す)
   (たくさん読むと新鮮味がなくなる。読みが足りないと浅さが露見する。)

 ~考えて読む~
  Q・フォールスタッフは本当に助平なのか、否定すべき男なのか?
    悪党ではある(当時の騎士としては普通)
      ↑
    原罪か/社会的な罪か
   ・ページ夫人はエロチックか
   ・ページ夫人とフォード夫人の違いは(演劇では違いをつくり出すこと)

 ◎字義からはずして解釈:概念を拡大することで、本質をみつけること。
   (全部はずしたくなるのが俳優。本意はつかめないが!) 

  自分のセリフを喋りながら、いかに別の事を考えられるか。

 ◎次回以降は二幕

◆本日の磯貝語録
 相対論では芸は広がるが、集中力が失せ、やがて消滅する。

◆本日の感想
 性善説、性悪説を議論した。6年くらい前に「セチュアンの善人」をやった時と
 重なった。世の中の大半はグレーだが、芝居(演劇)では、必ず白黒をつける決断が
 必要である。