FC2ブログ

朗読発声(3/14)                         《ことば系》

3月14日(金)朗読発声

講座テーマ「試演会(作曲した作品の発表)」

(1)ストレッチ(各自)

(2)自主練習(各自)

(3)発表
 ・ひとり4首ずつ順番に発表
 ・各歌2回ずつ歌う。素読みのあと、2回歌唱

 Aさん
 Bさん「恋しかるべき」のところのリズムが今までと違うものでおもしろい
 Cさん
 Dさん
 Eさん

(4)総評
 感想(ひとりずつ)
 Aさん:基本旋律が与えられたことで楽になった。和歌を見たりそらんじたり
    していると曲が沸いてきた。以前より楽しくなった。
 磯貝塾長のコメント
  和歌に縁遠くなってきたいる人が多い中で楽しくなれるのはいいこと。

 Bさん:物語としての起伏が多い歌のほうが作りやすかった。
 磯貝塾長のコメント
  字を読んでいるときと歌を作ったときでは、起こるものが違うはず。

 Cさん:基本旋律があってそこは楽になった分、できあがるものが同じ
    ようになってしまい、つまらないものになってしまった。
 磯貝塾長のコメント
  外れちゃいけない、使っちゃいけない音というものに囚われると
  確かに大変になる部分がある。そこを超えると次の楽しさがでてくる。

 Dさん:今まで何度か勉強していたが旋律が与えられて楽になった気がする。
    でも、自分が作曲すると今までの慣れている曲になってしまう。
    ほかの人が自由に作っていたのは面白い。
 磯貝塾長のコメント
  王が変わると国が変わる。後鳥羽院の頃、歌が盛んになった。
  後鳥羽院のおかげで文芸が育った。表文芸裏文芸ができた。
  今日、みんながやったものは文芸である。

 Zさん
  使えない音があることで、面白いものが出てきているように見えた。
  普段歌い手は与えられたものを歌うので、たまに作るのも面白いと
  感じた。

 学びすぎるとつまらない。
 日本の和歌が五・七という枠にはまっているから面白い。
 日本語はひとつの言葉が短いから、2文字+3文字=5文字で組み合わせられ
 る。

 Eさん:前回音をつけるときにメロディから作るクセを発見したので、
    今回は和歌を見て浮かんだメロディで作った。
 磯貝塾長のコメント
  日本語のことばには詞という字もあるのに、今は言葉という字だけになってき
  た。ことばは、そのものには節がつくが、最近はそれを無視している。ただし、
  あくまでもことばに節がつくのであってメロディー先行ではない。

 ・歌舞伎の謡は、五・七から成り立っている。
 ・現代は意味を必要とする時代。意味がわからないものこそが面白い。
 ・頭が良くなるかどうかは、活性化するかどうか、不都合なことをやるほうが
  活性化する。
 ・生物的ストレスがなくなると後退する。

 ・現代文の自由な読み聞かせから古典作品を旋律を決めて詠むところまで
  ある意味遡って作品を楽しんだ一年だった。

◆本日の磯貝語録
 ・物事学び過ぎると、ぐっとつまらなくなる。
 ・好き勝手に言葉を使ったら言葉は死ぬ。

◆本日の感想
 和歌を詠む節が自分の中に固定され、自由でないことがよくわかった。
 基本施法でも皆が各々の節を作り、詞のイメージが大きく変わるのが
 面白かった。同じ詩が人によってこんなに違うことに大変驚いた。

朗読発声(2/29)                         《ことば系》

2月29日(金)朗読発声

講座テーマ「詩読み 百人一首朗詠④」

今日のテーマ 感興(観興)
(1)ストレッチ(各自)

(2)和歌の施律発声練習
 ピアノに合わせて①、②2を各5母音で歌う。
  ①基本施律
  ②練習施律

(3)和歌を詠むということ
 ・古いことを知ることで、新しいことをつながりとして捕らえることができる。
 ・日本の古文を勉強しようとする動きの中で百人一首を詠むという動きが出て
  きている。
 ・五・七・五・七・七という形式のおかげで趣の実感を持つことができる。
 ・五・七・五・七・七という枠の中で自由にする→芸の基本

(4)感想
 ・何かをすることで何かが起こる。何かを知る。何かが満ちる。
 ・不自由なものの中(様々な条件)の圧迫がはねつけようという力を発揮する。

(5)作曲してみよう
 ・適当に数首選び自由に作曲する。
 ・作曲するときには、とにかく口ずさんだりピアノを弾いたりしてみる。
  そして音に出しながら微調整していく。

(6)発表
 ・Aさん 72番 始まりの音が面白い。言葉の重さとメロディーのバランス大切
 ・Bさん 61番 晴れ晴れとしてよい。
      66番
 ・Cさん 1番 内容と曲がマッチしていてよい
      8番 
 ・Dさん 15番 歌いすぎず喋りすぎずがちょうどよい。
      43番 言葉の意味のまとまりを大切にする
 ・Eさん 38番 
      61番 最後の「か~な」の音の変化が面白い
 ・Fさん 31番 
      40番 きれいな歌になっている

 ・女性が男性に成り代わって歌をたくさん作っている。
 ・歌の中には詠み人の気持ちが入っていないことがよくある。
 ・文芸作品の中では男は男、女は女だけだと面白みが減るので
  男性が女性を、女性が男性をという逆転の思想と感性が必要。
 ◎風俗や社会のことより、昔の人がどういう心で生きていたのかを知り
  表すのがよい。
 ・今回は、古典の文法や修飾など関係なく作曲してみたが、係り結びなどが
  わかってくると、それに関連した曲になり、深み趣が増す。
 ・決められた方法の中から自分のものを見つけていくことが本当の独特である。
  
◆本日の磯貝語録
  ・古典をすることは、昔の人の心を知ること、あらわすこと。
  ・詩を書く時に声に出すことを意識すると作品が変わる。

◆本日の感想
 日本語の言葉を充実させること。施律をつくり、それ(メロディー)が立ちすぎ、
 歌ってしまうと、日本語の言葉が聞こえないと言われた。どうも、ころ合いが難
 しい。

朗読発声(2/15)                         《ことば系》

2月15日(金)朗読発声

講座テーマ「詩読み 百人一首朗詠③」

(1)前回の復習(磯貝塾長)
 ・練習施律 ドミファラファミドミ(全音符)
 ・基本施律 ラシドミファラシドミファ(全音符)
 ・日本の基本は詩。詩に重きを置いていた。
 ・優れた詩が書けないと認められなかった。
 ・日本という国の国体は皇室を基に形成されていた。
 ・日本の国体では和歌をずっと残してきた。
 ・皇室は和歌を作って国を治めてきた。三十一文字の中で述べた。
 ・昔は冠婚葬祭のときに和歌を作って読み上げた
   ↳朗詠→作曲(自由に作る)

(2)作曲してみよう(一人最低一首ずつ)
 ・練習施律、基本施律を使って自由に作曲してみる

(3)一人ずつ発表
 Aさん  15番
 Bさん   7番
 Cさん  23番
 Dさん  36番
 Eさん   9番
 Fさん   2番
 感想:施律にのせて歌うだけで、勝手に歌っているより和歌らしくなる。

 ◎声に出す詩と黙読する詩では次元が異なる。元来、口伝されてきた詩
  (声で伝えてきた)が、文字化され保存されるようになった。それに
  伴って音声化表現は減衰していった。どちらかといえば、異なった
  平面的なものとなり、かつ身体性がなくなり、精神的なものとなっていった。
  その中で百人一首和歌は、カルタの効用も相まって音声和歌が一般化
  したものとしては大変貴重なものである。

◆本日の磯貝語録
  和歌朗詠は熟語であり、日本のしきたりであった。詩(うた)も詞(ことば)も
 声をだすものであったのを黙読になり、生き生きとした発散がなくなった。 

◆本日の感想
  詩(うた)を歌うというのは、思いを勝手に歌うのでなく、きめられた施法の
 なかで施律をつくり歌うことを教わった。この方が歌いやすいし、和歌らしくなる。
 朗読教室で作曲するとは思わなかった。

朗読発声(2/1)                         《ことば系》

2月1日(金)朗読発声

講座テーマ「詩読み 百人一首朗詠②」

(1)ストレッチ(各自)

(2)百人一首について前回のおさらい(谷田講師)
 ・文字がない頃に声にして詩っていた
 ・和歌には表の意味と裏の意味がある

(3)百人一首朗詠(ひとりずつ回し詠み)
 ・16番から自由に朗詠(意味も)

(4)百人一首の施律(磯貝塾長)
  変遷:唱名→俗謡→民謡
  基本旋律 ラシドミファラシドミファ(全音符)
  練習旋律 ドミファラファミドミ(全音符)

 ・五七練習旋律
 例)ドミ ミ ミ ミ ファラ ラ ラファファミ ミミ ミミミ
   あきのたのー か りほの いお の とまを あらみー

   ド ド ド ミ ミ ミ ミ ミ ミ ミ ミ ミ ミ ミ
   わがころもではーつゆにぬれつつー

   (上がったら下げる、下げたら上げる)

 ◎昔は譜面がなかったため伝承だった 
 ・それらの残ったものの代表は雅楽。現在は皇室以外演奏不可。
 ・雅楽の舞歌などは葵祭りなどで庶民も見られた(る)
 ◎和歌はそもそも自分で作って詠むものだったが、今は作る人と詠む人が
  分かれた(作って詠うのは、今ではシンガーソングライター)

(5)旋律を使っての朗詠(各自)
 ・五七練習旋律でとにかく詠んでみよう。
 ・五七練習旋律を基本にして、ことばの意味にあわせて音の高低を変える。

 例)ド ミ ミ ミ ミ ミ ミ ファ ラ ラ ファファ ラ ラララファファドミ ミ ミ ミ ミ
   はーなのいろは う ーつー   りーにけりー  な いーたずらにー

   ドド シシシシレ レファファラ シシラファ  シレファラファレシ
   わがーみよにー ふー る - ながーめ  せしま あー  にー

 ・昔は文字ではなく口伝えで伝えなければいけなかったために、覚えやすく
  するための旋律があった。
 ・国を支える仕事として詩を詠まなければならなかった。(行幸)

◆本日の磯貝語録
 表現は各々の考え、各々の方法で誰でもできるが、芸は考えも方法も技として
 訓練し、その先にあるもの。

◆本日の感想
 和歌の朗詠施律を5線譜を使い、ピアノを使い教えていただいた。文字だけの
 和歌が3次元、4次元へと広がった感じ。自分で創作する面白い世界へ第1歩
 を踏み出した。

朗読発声(1/18)                         《ことば系》

1月18日(金)朗読発声

講座テーマ「詩詠み 百人一首朗詠①」

[1]ストレッチ(各自)

[2]百人一首について
1)百人一首での遊び
 ・かるた、貝合わせ
 ・歌と舞い
2)今期の教材の選定理由について
  テキスト「小倉百人一首を学ぶ人のために」糸井通浩編 世界思想社
  百人一首の係り結びの説明がある
 ・成り立ちが説明されている
3)定型詩ブーム(三十一文字 みそひともじ)
 ・5・7・5・7・7の決められた中に言葉をのせることがはやっている

[3]和歌について
 ・歌にのせて情報を伝える役目があった(平安時代)
 ・天皇への上奏に和歌が使われていた
 ・伊勢や出雲に皇室の人が行くと自分の家へ帰った扱いで和歌を詠んだ
 ・折々和歌を詠み残すのが皇室の仕事である
 ・日本の古い書物はほとんど和歌
  各地の風土記でも要の箇所は和歌
 ・大和歌として和歌が国事だった
 ・民事でも恋や葬式も歌だった(歌垣、連歌 他)
 ・皇室の公話にはスタイルがありそれに則った和歌を作る
 ・400年ごろ中国から文字が伝わったが一般に文字は広まりきっていなかった
  ため、昔の人は聞いて覚えて口頭で返歌した。
 ・昔は簡単に女性に会えなかったため人(通信司)を介していた。だから他の
  人にわかるような表現はせず、裏の意味を持つ重層文学が発達した。
 ・和歌は表に解釈、裏の解釈、もうひとつ裏の解釈(卑猥さ)がある。これらを
  含ませられる人が文才があった。→言語の多重構造性
 ・そもそも「かたり」ということばにも二重性があった。
 ・日本の文学の原点は和歌である。

[4]百人一首を"よむ"ということ
  ×読む  朗読する
  ○詠む  朗詠する
 ・自由に音、節を付けて詠む

[5]百人一首の構造
 例:第1句(二重構造)
  「秋の田のかりほのいほのとまをあらみわが衣手は露にぬれつつ」
   かりほのいほ=農事用の仮舎。愛情の仮説宿舎
 例:第3句(枕詞)※日本語には前置詞がない
  「あし曳きの山どりのをのしだりをの ながながしよをひとりかもねん」
   「あし曳きの」が枕詞。この語の後には「山」がくる。
 ・上の句、下の句、それぞれで1つの内容になっている
  →二句詠み、流れるように詠む
 
[6]百人一首の朗詠について(一人一首ずつ詠みながら)
 ・節詠みの譜面があったが現在は使われていない。
 ・カルタ、歌会の際には、下の句は二回読むのが通例。
 ・詠む人が即興で作曲する場合がある(朗詠の面白さ)。
 ・和歌を数える単位は"曲"または"首"。
 ・詠み人(作者)の名前を朗詠の前後に読み上げる。
 ・上の句、下の句それぞれの句の中では読みを句止めて詠まない。
 ・ぶつ切れで"読む"と意味がわからない(聴く側が)
 ・男性が女性のことを詠むものが多い。柔らかさが必要。
 ・百人一首は次元が輻層しているからこそおもしろい。
    →日本語の二重構造の面白さ
 
◆本日の磯貝語録
  ・日本語は多重性を好む。平面的だとつまらない。
  ・女性のことは男性の方がよく知っている。 

◆本日の感想
 今、自分たちの生活から遠く離れてしまっている和歌の世界。子供のころやっ
 た百人一首とはいえ、声を出して歌うように、といわれても、素直にはできにく
 かった。

朗読発声(12/7)                         《ことば系》

12月7日(金)朗読発声

講座テーマ「試演会」

[1]ストレッチ(各自)

[2]試演順序決定および事前練習(各自)

[3]試演会 向田邦子作「男どき女どき」より
  1.Aさん「鮒」p25-p28 5"
2.Bさん「ビリケン」p32-p38 2"
  3.Cさん「独りを慎しむ」p117-p123
  4.Dさん「花束」p128 11" -p133
  5.Eさん「ビリケン」p38 4" - p40
  6.Fさん「ビリケン」p41-p46 1"

[4]講評(磯貝塾長)
 (全体)
  ・現代文を読むのは難しいと思いながら聞いていた。
  ・何が難しいか-サラサラした文章で毒でも何でもないから暇つぶし。
  ・こういう暇つぶしの文章を音読(朗読)するときに必要なもの
    →味があって上手いということ
  ・こういう文章は、皆同じような読み方をしてしまうが、それはなかった。

[5]朗読者の感想(第Ⅱ期全体または今日の試演会を通して)
 Cさん:練習しようとしてもなかなか読み進められなかった(面白くなかった)
 Fさん:普段エッセイの類が好きだが、これを朗読しても無味無臭になるのか
    なと考えていた。だから、どのように色を付けていくかを考えながら取り
    組んだ。読むのに体力が必要と感じた。
   (塾長コメント)
    随筆でも声に出して読んでも面白いものもあるが、向田作品は声に
    出しても面白くない。それを音読するのは良い経験だと思う。
 Eさん:毎回サラッとした文章の中にテーマを持って読んでみるという期だった
    と思うが、読んでみて切り貼りしているようだった。
   (塾長コメント)
     この作品自体がコラージュのよう。
 Bさん:地の文になれる"なる"というのが課題だった。
 Aさん:音に出してみるとつまらなかった。本番は練習と全く違うものが出てき
     た。
   (塾長コメント)
     練習でやったものは本番でやらない。
 Dさん:どうしても読んでしまう。練習してもうまくいかなかった。
   (塾長コメント)
     ひとりで練習する時は、"物"や"生き物"をおいてやる。

 磯貝塾長の全体コメント
  ・皆に共通して言えたことは、楽しそうじゃなかったということ。
  ・自分に対して嘘がつけるかが大事。
  ・一生の中で、今後この作品を読むことがもう二度とないかもしれないという
   覚悟を決めて全霊で読めるか。
  ・自ら楽しむ、どうってことないことを楽しむ、自分から楽しみを作る。
  ・なんとか自分で自分を"キャッ"と言わせること。
  ・聴き手を特定して話すこと(実際の聴き手の中から特定する)。
  ・人の前に出るとき、華やかさ、明るさ、嘘でもいいから華やかに。
  ・人が見てる目線と自分が見てる目線は違う。だから、自分がひとつの物の
   見方を見つけたら、その逆を探すこと。
  ・作者の書いていることだけじゃなくて、作者の生活や裏の部分を考えてみ
   ると読みも広がる。
  ・人間の心は正しい方だけ向いているときのほうが嘘っぽい。
  ★華やかさには芯がある。人間の芯は、悪意が同居している。
  ・悪が芯だから良いことを求めなさいと言われる。
  ★コメントした華やかさ、楽しさ、面白がる、ということが朗読での
   説得につながる。※誠実さは、朗読にはあまり役にたたない。

◆本日の磯貝語録
 様々な眼線(見方)があると、物事を面白く読める。
 自分に暗示をかけられる人が幸せな人。

◆本日の感想
 説得力の鍵が、おもしろさ、明るさ、華やかさだという。一生懸命やるのとは
 かなり違うところに鍵があるらしい。このシリーズ、随分違う自分に出会うことが
 出来ました(M.K)

朗読発声(11/16)                         《ことば系》

11月16日(金)朗読発声

講座テーマ「物語の読み方 語りと息③」

(1)ストレッチ(各自)

(2)試演会について(磯貝塾長)
 ・5~10分の間で、今回読んだ中から読む作品、読む箇所を決める。
 ・今日中に決めること(普通読み1ページ、1分)
 ・今回の向田作品の様な軽いサラサラした作品
   ⇒随想、随筆の類(音読用に書かれていない)
   これらは音に出して読むのが難しい。読み手が作者の意図を超えて演出
   するくらいのことが必要(特に向田さんくらいさらりとした文章の場合)
 ・朗読の時、味付けをするくらいにする。
  読み手のキャラクターを問われる→読み手の味
 ・肩のこらない随筆は「これいい!」と思ったものは読まない。
  つまらないと思ったものも読まない。手強そうなものを読む。

(3)テキストを読む(各自)
 ・各自試演会の箇所を探す(黙読&音読)

(4)朗読 試演会用で決めた箇所を1人5分読む(講評:磯貝塾長)
 Aさん「花束」
  語尾が落ちすぎ。向田さんはもっと明るい人。明るい声で。
 Bさん「鮒」
  頭の出がいつも同じ。強すぎる。男性から聞くと、男性を知らない女性が
  読んでいる。この男性はもっとあくどい。読み込むこと。
 Cさん「独りを慎む」
  読み込むこと。人の文章だと思わせない読みを。自分の日記を読むように
  読むこと。→自分化する。
 Dさん「ビリケン」
  前半より後半がのっていた。石黒という男が主人公というのをもっと
  はっきりする。→書いていない石黒が描き出されていない。
   例)石黒はメガネをかけているのか否か?クセは?服装は、etc.
 Eさん「ビリケン」
  途中で地の文のキャラクターを変えない。聞く側が混乱する恐れがある。
  地のキャラクターをひとつにする。そして明確に。
  地が老人ならセリフで声の張りや早さを代える。
  そうでないなら地の文をビリケンでやってみては?
 Fさん「ビリケン」
  だんだん地の声が落ちてくる→暗くなる
  石黒はもっと軽い男、そうしないとビリケンが浮かび上がってこない。
  うっかりすると周りを読んでしまう。コントラストをつくる。光と暗を
  思い切って作る。

 試演会に向けてとにかく読み込んでみること。

◆本日の磯貝語録
 眼で読んで良い作品でも、声読みをして良い作品とは限らない。
 読み時にコントラストを作る。それが読み手の力量。

◆本日の感想
 自分の気に入りでないもの、惹かれないもの、反対のもの・・・。自分にとっての
 ギャップを選ぶ。何種ものギャップをわざわざつくる。何回も何回も読む。見え
 ないものを創って読む・・・!まさに私の課題!(K.I)

朗読発声(11/2)                         《ことば系》

11月2日(金)朗読発声

講座テーマ「物語の読み方 語りの息②」

(1)ストレッチ(各自)

(2)講座(磯貝塾長)
 「聞き人を楽しませる読み方」を学ぶ
 ・読み手側に何かがあること。(ただ、まんべんとらしく読んではダメ)
  
 ◎何か:はっきりした目的、明確なキャラクター、魂胆、悪音または善音、
     アクノリ、etc. これらが基盤もしくは原動力となって生きたもの
     とする。
 ・日常会話は身体を使っていないため、飽きてくる。もしくは薄くなる。
 ・身体を伴った会話は動きが遅く、納得度が違う。腑に落ちる。
 ・腹を硬くしたり尻を閉めると表現力が落ち、伝わりにくい。会陰を使う。
 ・下に降ろす声は、口の前でしゃべらない。全身で喋る。
 ・料理を習うときは、塩み、苦み、辛み、甘みの順に習う。
  甘みは一番最後。これは芸と同じ。
 ◎芸の中での執拗さは必要→粘り、厚み、深み

(3)テキストを読む「男どき、女どき(向田邦子/ビリケン」(磯貝塾長)
 冒頭
 「いつ頃からそんな習慣がついたのか、石黒は自分でも思い出せない。」
           
 ・人物や情に関する描写を捉えて身体におとし表現する。
 ・人物描写は魂胆で身体化する。ものの感じ方の重さ、長さを表現。
 ・魂胆の身体化の時に悪意で捉えて表現すると聴き手を引きつける。
  ⇒これを表現するには全身を使う(腹でやる)
 ・「思った通りのことをやったら伝わるだろう」はない。
 ・文の意味や言葉の意味は、身体の反応で出てくる方がおもしろい。
 ・全ての文章を同じように読むのではなく、ただ読めばいいところは、
  あまり執拗にならなくてよい。メリハリを強く。
 ・悪意を表現する時には口ではなく腹と口でやる。
 ・男性は本来女性を挟むと格好をつけるが男同士だとケンカをしたくなる。
  →敵対的
 ・語尾を抜かない。ぼかさない。ごまかさない。逃げない。
 ・敵意(戦友)の相手が弱りゆく姿を音で表現するのは難しい。
 ・エネルギーが終末する物語の読みは難しい。
 ◎何もしないというのと何もしないというキャラクターは違う。
  何もしないと言うことが生々しいなら面白い。
 ◎面白いというのは、行動であり。観念ではない。
  観念、理念、概念は殺せ。

◆本日の磯貝語録
 感情と情動は違う。情動には生死が付いてくる。漠然と頭の中で作るのでは
 なく具体的に身体化する。

◆本日の感想
 私の音声の実態をドラム缶と名付けられ、それはイヤだと強く思いました。
 どら猫とも・・・くそっ!! しかし先生のサンプルを聞いて「あっ、それは
 楽しそうだ」と思う。でも自分の読みはちっとも楽しくない。技術だな・・・明らか
 に 先は長い。(Y.Y)

朗読発声(10/19)                         《ことば系》

10月19日(金)朗読発声

講座テーマ「物語の読み方 語りと息①」

[1]ストレッチ(各自)

[2]テキスト朗読「ビリケン」
☆今日の課題:10cm前に声のエネルギーを集める
         10cm前に話をする。
 エクササイズ  各自で課題に挑戦

 ・口の中だけで発語するだけではダメ
 ・かといって外に吐き出すだけでもだめ。
 ・相手が聞き取れるための発語
   ↓
 ・自分の目の前の10~15cmのところに結合点がある。
 ・そこに声のひびきを作って相手に聞こえる音を作る。
 ・自分の前に結合点を作る。この点を無視してはダメ
 ・結合点から音をもらい返す。
 ・結合点から発する。
 ・他人のための芸、点を無視して発しても伝わり難い。
 ・これらを知っているかいないかで、芸の質が変わる。
 ・結合点の実感がとれるようになるまでには5年くらいかかる。
 ・結合点を意識して話せるようになるとセンスのある芝居になる。
 ・感情を激するときは結合点からもらう。
 ・感情をおさえる時は結合点から出す。
 ・遠くに点を作ろうとすると鼻を開けてノドを下ろす必要があるが、遠くにする
  と鼻が閉まり、ノドも閉まり易く、かれ易くなる。

 ポイント
  ・口の中が響く
  ・鼻を適度に使う
  ・口の中が袋になる(茄子の形)
  ・ノドが適度に降りる

◆本日の磯貝語録
 やみくもに喋っても良い響きで聴き易い言葉にはならない。充分に口腔内の
 響き率を高め口外の音声結合点で(口前およそ12cm)の混成を壊さない様、
 発語発声する。

◆本日の感想
 最近、能楽と朗読の声の違いを考えていたので、今日の共鳴結合点というの
 がつまらない表現になるかどうかの分岐点になることが納得でき、大変有意
 義な一夜でした(Y・Y)

朗読発声(10/5)                         《ことば系》

10月5日(金)朗読発声

講座テーマ「物語の読み方 現代文の語読み③」

[1]ストレッチ(各自)

[2]地読みの練習(磯貝講師)
・文字を眼で読むべく書かれたものを、声読みをしてかつ聴く人に供する
   ⇒朗読
・作家によって文体やクセがあり、特徴をつかむ必要がある。
・日本人は物語好き(古来より)。文学のセンスは高い。
・明治期になって外国文学が入り、日本人の思考も感覚も変わった。
・明治大正期は近世文芸に、西欧文芸移入で新境地が広かれ、作家達は
 大いに創造意欲をかき立て、作品をつくった。いまだ近代作家業は確立さ
 れていない。
・その後売れる文芸(消費文芸)へと変化→大衆化→消費化
・作品を読むときには、どの時代のどういう作家のものを読むか、聞き手が
 どこにマッチするかを考えて、作品を選択すること。
・朗読や歌などは、一人で隠れて練習していても意味がない。人前に出し
 て反応をもらって初めて意味をなす。

[3]テキスト朗読
「草津の犬」「花束」「わたしと職業」「若々しい女について」
「独りを慎しむ」「ゆでたまご」
・書いている内容から人としてを拾っていく。
・読む側で作者の頭の中を読み取り、音声化する。
・向田作品にはなくなりかけている日本語がある。
 “用を足す”“居汚なく”“直箸”“行儀”etc。
・“心性”-思い。かつて日本では精神の練達は親が子に行っていた。
 現代は日本人の心性に客観性がなくなってきた。
・物事を客観的に見ないでなんでも主観化してしまう。
・地を客体読みせず、自己読みで納得してしまうと聞き手が分かりづらくなっ
 てしまう
・作家によって読み側の態度を決める必要がある。
・自分がどの立場に立って供していく必要があるかを決定すること。
 (聞かせる人がいるということが大前提)
・発話者の態度は声と語り口に集約される。

次回「ビリケン」

◆本日の磯貝語録
 ・声のストックや広いセンスを持っていないと、良質な読みは出来ない。
 ・読み手は作家や作品により、読みの態度を決めないといけない。

◆本日の感想
 「ことばは音である」テキスト文中の森繁さんの言葉を実感させられた講座
 でした。「声のセンスを持ってないと読めない」読みの道は長しである。
 (M・K)