表現の声とことば講座(2/13)

◆ 講座テーマ「語りと朗読の間②」

1. 身体を使う
①スクエアダンス 2人で動く、5分ごとに相手を変える。
・どちらが変える、それにあわせて変えていく、気をあわせて一緒にやるとつまらない。
・スローでもやってみる。目で相手を追いかけない。気で。息は鼻で。
・スローから通常へ戻す。
<感想>
・相手がどう動くか感じるのが大事だと思った。スローのほうができないと…と思ったが通常のほうが楽しかった。
・3人やるうち、感覚が変わっていった。相手をうけること。
スローのほうがおもしろい。(Aさん)
・相手を見すぎるのもよくないと思った。瞬発的に変われなかった。(Bさん)
・あわせるか、あわせないかの中間くらいがうまくいった。
次のことを考えることができるのがスローはよかった。(Cさん)
・世界を大きくできるのがスローなのに、自分のなかに入っていった。
時間を超えることも。(磯貝)
・スローは自分の範囲が広がったようで楽しかった。(Dさん)
・同質同士でどうしかけていくか、というのがおもしろい。(磯貝)
相手のスローのエネルギーを感じたか?自分に精一杯だった。
・後ろ側の感覚が足りない。「動き」というのは、自分が思っているのとは違う印象を与える。また、思っていなくても「動き」がある印象を与える。(Eさん)
・ムーブメントのスローという思考、感覚をつかむことが大事、ただスローにするだけではない。思いでやるのとも違うこと。
・相手によって人格が変わっていく。そこが面白かった。
・相手に対して自分の動きを察知させる、見せる、それが観客にもつながっていくのでは?
・足である、足が重要。

2.ゲーテを読む。
①「裁きの庭で」「愛すればこそ近く思う」をまず読んでみる。
・ドイツの現地で…自分なりのゲーテを読む。ゲーテはこう読むという読み方をしていない。
日本人は…谷川さんの詩でも人格を分からず読んでしまう。空々しい。
・ゲーテのこの詩を自分のこと、自分の内側を暴露しているものとして読んでみる。
・「話す」と「喋る」行為で、こう2つを綱渡りする。
「話す」…うまく読んでいるということになりかねない(多少客観的)
「喋る」…日常性が高い。(ほとんど主観的)
・セリフは、大抵は喋り。
◎その役の喋りをつくるのは難しい。
◎喋っていない=生きていない。
・「話す」という脳で「喋る」(先生の講座中の状態)
・この詩を喋れるか?(詩の言葉は喋り言葉ではない。)
「裁き~」は、喋り言葉だが、内容だけに喋りにくい。普通ではないから詩にした。
②「喋って」みる。「愛すればこそ近く思う」
頭が止まっていて、声に出している時、話でも喋りでも、何でもなくなる。
・まずは、いつもの日常の声(喋り)でやってみる。
◎自分以外の日常をつくる。(生活の中の喋り)
(その作品の日常性をつくることができる。それが名優。)
・喋りことばでないものを、どう喋りにするか、そこは難しい。
・携帯電話をしているつもりで!(相手をつくる。)
・生活言語に近く、物事を語れるか。→客観を喋る。

3.「五重塔」を読む その五
①セリフを拾う。
②役づくり…具体的に、一人ずつ出す。
十兵衛…みすぼらしい、半纏、髪ボソボソ、日焼けした(顔・足)
のっそりとは…動きがノロノロ、なぜか?
手がゴツゴツ、骨太、身長は?180cm、姿勢が悪い、見た目は160cmくらい。
ヒゲがかなりある、顔の形はごつい、エラが張っている。
唇が厚い。指が短い、太い。爪の幅は広い、短い、固い(指先も)。
年は25~30才あたり。
歯は白い、丈夫、(すき間、虫歯)。
まゆ 濃く太い、だんごまゆ。耳はでかい、福耳?
汗臭い、筋力、脚力がある。ガニ股、首短い。
目は小さい、細い、視力2.5くらい。聴力は?

◎外見をつくって、内面をつくる。
体型、歯のこと、口のこと、顔の形などが決まると自然に声のことも決まってくる。
声は?低い、しわがれ。
口調は?癖は?(舌もでかい)ボソボソ、しっかりしてる?

③実際に十兵衛をつくって、セリフを言ってみる。
④「自分で」十兵衛のセリフを言ってみる。(自分の日常で。)

◎つくった十兵衛のなかに自分のふつうはどこまで残っているか。
全部殺すと、不自然。
◎自分でやった感じを十兵衛をやったときにどこに残しておかなければならないか。
それをみつける。

⑤セリフ3箇所で、それを探して読む。
⑥それをふまえて、もう一度「自分で」読む。
⑦十兵衛になってやる。
⑧発表。

(Cさん)その声ではとばない。もう一息、役に近づける。
(Fさん)お侍さんみたいな、生き物として想像する、人間としての十兵衛を聞かせてほしい。格好が良すぎる、もっと変幻自在に。
(Aさん)十兵衛だったか?老けが得意なら、二枚目でやってみる。
のっそりではなくなった。いろいろなキャラクターを読み替えてみる。
(Bさん)日常でもおとしておくこと。芝居で高いところでやろうとして失敗する。
(Eさん)声のエネルギーは良いのだが、十兵衛になっていない。
(Dさん)もう少し下(意識を)、顔全部で「私は」と言う。頭で言わない。
顔の続きが身体。


◆本日の磯貝語録
客体は話し易いし、話は客観化する。しかし客体(客観)を喋れる様になる。
それは名人である。

◆本日の感想
思う/考える/感じる/受けるという事が、人によりあんなに解釈が異なるとは
おどろきました。
それでも生きていけるのは、言葉がすごいのか、人間がいいかげんなのか
考えてしまった。

表現の声とことば(12/12)

講座テーマ「叙唱とラップ リズムと言葉の関係をさぐる②」

1. リズムと言葉
先週のお題「あなたにあげるクリスマスプレゼント」
今週のお題「とろとろ眠くなってきた」「私の心がいいました」
「カラスをたくさん捕ってきて、焼き鳥屋を開こうぜ」

・ 詩だけで完結させない。
・ 「あなたにあげるクリスマスプレゼント」試演
Aさん:リズムを内容によって途中で変えると違ったものが始まる。
そのリズムを書いて、再現して、手直しする。
つくる楽しさへ向かう。
Bさん:太鼓大・小、シンバルに合わせて、Bさんが読んでみる。
Cさん:1)楽器を入れて、Cさんが読んでみる。
2)楽器をトン、トトンで分けて打つ。
3)リズムを変えてみる。ズンチャンズンチャンズンチャンチャン、楽器で分けて、
詩をふくらませると良い。詩が弱い。
Dさん:詩をみて、リズム側がリズムを作って、やってみる。
ズンタタズンタで、楽器で、リズムを分ける。
後半、言葉とリズムがあわない・・・言葉をリズムにあわせる。
福村:まずは、チャーンチャチャンでやってみる。オノマトペがあるのでリズムが
とりやすい。

2.「新しい文化としての声文化を考える」(全員ディスカッション)
・ 言葉の意味、関係をしっかりしようという。
・ 言葉の意味だけでやるのはあきた。意味が相対的固有化してきた。
・ 次元、色彩を変えることが声の芸には求められてきているのでは?
・ 自分が思って(想い)いること伝えるにはどうしたらいいか。
・ 昔は七五で伝えて、伝わりやすかった。なくなって自由になって自分の思いを
自由につくれるようになった分、伝わらなくなった。
・ 芸は自分の思いをやられては困る、のではないか。
・ 好き勝手をやってきたが、新しいルールが欲しいのでは?
・ 自分の思いを伝えるには、そのままではダメなのでは?
◎ 自分の思いは、共有できないところまで来てしまった。

Q.自分の思いを切々と訴える。そうすれば伝わるというのは、無理があるのでは?
・ 声は文字の意味だけを伝えるのではない。付け加えるものがある。(Aさん)
・ 詩を作ったときにメロディーが出てきた。制限をつけたら出てきた。
文字をおしこめたら自由がでてきた。(Eさん)
・ 思いを伝える文章、声、では伝わらないのでは?(磯貝)
→伝わる人には伝わるが、伝わらない人には伝わらない。
・ 上手い人はそれでも伝わる、でも、もういいやという時期にきているのでは?
(磯貝)
→思いを見せられても、聞きたくもないし、見たくもない、自分が疲れる。
受け入れたくない。(Bさん)
・ 言葉で人は共有する。だから、多くの人がそのような態度をとると
社会は崩壊する。受ける力が弱い。受けるほうが受けるものを選んでいる。
◎ 新しい共有をつくり出さないと・・・。今の状態では人としてまずい。
出すのも独りよがり、受けるほうも狭い。(Fさん)
→当たりえの言葉では刺激が足りないのでは?行きづまると思うのだが・・・。
(Cさん)
強い刺激ばかりの社会状況である。
◎ 自由でないおかげで自由になる。
無条件に打ちかつには、最高の才能が必要?
条件なくして、自分のことをやったら誰もみない。
◎ 共通の思いをつくりにくい。汎用性のない言葉を展開しても伝わらない。
今の状況では、新しいものはつくり出せない。
概念、手法を変えなければならない。そういう時期がきている。(磯貝)

→テレビのインタビューなどで顔をうつせない。
すでに個人情報としてうつさないようにしていたりもする。
それなのにブログでは、日常を垂れ流していたりもする。(Dさん)
・ 個人もテレビ側も責任を取りたくないという傾向か?
・ 社会の最前線のひずみ、普遍的ではない。
・ 社会がどうであろうと、人はこうである、それが脆弱なので社会がこうだというと、
流される。
◎ 声、ことばが何に立脚して、何に向かっていくのか、それを掴まえる。
・ 広島の詩・・・当時のその時の言葉で言われても伝わるか、今の人がそれらしく読んで伝わるか。
・ 生の声ですることが、大変なことだと思われてなかった。
・ 一番大切なのは生というのが、薄くなってきている。
文字言語でなく、声言語。
→余白みたいなのがないと引きあわない。(Fさん)
思いきって違うところのテクノロジーを考え出していかないと。
話し言葉を分かりやすく→思いを一生懸命→でも伝わらない。
・ 同じ素材をリフォーム(どうやって)していくのは、どうしたら・・・。
◎ 新しい共通項をみつける。
・ やる人間、一人一人が発見、発明者になる。
・ 磯貝流をつくってしまう。それを継承するというのはあるが、
このクラスは新しいものをつくっていく・・・。

・ 「とろとろ眠くなってきた」 詩を読んでみる。
・ 4行、2コーラス、くらいがいいかも。
・ ものはつくろうとするとつくれない・・・。
◎ やってないからやれる、やりにくい条件をつくっていく。
やりやすいように、やっていくのは絶対によくならない。やりにくいことを選ぶ。


◆ 本日の磯貝語録
新しい共通項、共有性をつくり出す。

◆ 本日の感想
「言葉を意味だけで伝える時代ではない。もっと復次元にしないといけない」
相変わらず、ショウゲキ的なことを聞いた。字では現せない伝えられない
言語の部分を拡げないと、パソコンがあれば事たりる・・・ウンそうだけど、
何をすれば良い?

表現の声とことば(11/14)

講座テーマ「叙唱とラップ。リズムと言葉の関係をさぐる」

[1] リズム
◎ リズム⇔節付け 
・ ずっと続いていくのがリズム。繰り返し作業。
・ リズムはトランスができる原因でもある。
・ 拍があって、ずっと続いていくところを探す。
EX:足踏みをして皆で合わせてみる→「行くぞ」から「来てくれ」となってくるとリズム。
・ 裏拍で行為を参加させる。(声でも、手を打っても何でも良い。)
(しかけないで、裏を知っている人からもらおうとすると良い。)
(しかけている人に、つられていってしまう×。吸われる、くずれる。)
・ 行為を言葉に変えて、足でリズムをとり続ける(同機する)。
(カンパニーだけで合うというのは未来的ではない。)
◎ 思わず同機する。ノル。引き出される。発散→他者に伝わる。同調する。
→すると更にエネルギーがきてやっているほうが気持ちよい→
更にエネルギーのおかげでみている方も楽しくなってくる。<交換する>
・ それができあがると、リズムが生きる。ないのは機械的。
・ 共通項がない。(生命感)
・ 教えこまれたもの(枠)にはまりこんでやるのはおもしろくない。
三拍子を守っていては生きていけない。外れてしまうと三拍子ではない。ギリギリを探す。自然。

EX:拍手と言葉(素拍子と奥拍子)
・ ルール:足踏みをして裏で言葉を発する。4回言葉を発したらとなりはマネル。
・ 出すほうは渡す。
・ まねをするほうは、もらう・受ける。
・ 耳だけでマネしようとするのはダメ。全身で発し、全身で受ける。
・ 発し手は、受け手が受け易いように発する。
・ 一周して、今度は反対周り。スタートはAさん。
説明しなくとも、しばらくやっていると皆あってくる。それをぱっとやる。
・ スタートを原さんから(反対回り)
・ 足のふみ方、言葉「よ」の捉え方、サンプルをしてもらってマネる。
・ 違う方へ行ってしまう人がいたら、次の人が調整する。
・ 今は、調整しないので失敗。
・ 「よ」というより「ぃよ」。そこを捉える。
[2]楽器+楽譜(テキスト)によるリズムとことばの演習。
<a>「村祭」
① 表と裏を打つ人を分ける(楽器により)
フレーズの最後は(例:神様はトントントンと3ツ打ち)
② 表・裏を交代して演奏する(感じが変わる)。
③ リズム歌唱:表リズムは強く、歌は弱く歌唱。表弱拍裏強拍で歌ってみる。
◎ リズム取りを変えると、詩(言葉)の意味:ニュアンスが明らかに異なる。
聴く人はちがった歌の様に感じられた。
④ メロディーでは、常識的な事は伝わるが面白くない。
⑤ 詩読みで表情を強調して読む(全員)。わざとらしく不自然。
◎ 拍なし、漠然としている。表情が単純。
・ 音楽でやると恥ずかしくない、豊かになる、表情が変わる。
・ リズムが変われば、表情が変わって、身体感覚が変わる。
⑥ 裏歌い・表打ち、楽器付き→表歌い・裏打ち
早い楽器ではなく遅い楽器に合わせる(遅いのは早くできない)。
<b>「十人のインディアン」
① 表・裏を打つ人を分ける。
フレーズ:インディアンボーイズ トトトト・・・・・トン!
② 立ってやってみる。表・裏を打つ人を変える。
◎ リズムのお陰で言葉が立つ。つられてステップが入ってきた。
<c>「虫の声」 休符は打たない。
① 表・裏を分けて打ってみる。休符が入ると表情が変わる。
◎ 詩・セリフの読み方のリズムを変えて読むと、文の意味が変わる。
日本では、そういうものを許さない。おかしい、変だとなる。
・ リズムをひっくり返せば裏が出てくるのに、日本人はそれを知らない。
◎ おもいを変えるのではなく“言い方”を変えると表・裏が逆転する。
身体も同じ。
◎ リズムはキカイ的。でも人間リズムは身体的。身体は不安定。そのため同調する。
・ 躍動的を持ってくれば面白い。それが表が裏かで表現が変わる。
おもいでやる必要はない。表現は幅があって、自由。
◎「間」とは、決まっている前をどういうふうに取るか、つくるかである。
・ 自家製にすると共有できない。内容から共有していこうとすると、共有より強要になる。

[3]身体リズムの基礎練習
EX:リズムをとって足踏み。
・ あわせる、正確に打つ(踏む)。
◎ 裏を感じないと早くなる。
・・・・リズムにあわせて語る・・・語りにあわせてリズムを変える・・・。
◎ ノリ方、感じ方が変わる。実体が変化できる。
(あることしかないのは想像力がない。ないものをなんとかしてやるというのが想像力。無いものを感じる力。)
EX:「十人のインディアン」足踏み+楽器+歌 連続してやる。
◎ お芝居のなかで、これらを縦横無尽にやりたい!
◎ リズム・・・規則的、くり返し的、連続
・ 不規則な世界にいるので、リズムに慣れるのに時間がかかる。
・ 和歌、短歌・・・リズムにのると簡単に分かりやすくできる。
・ 「あきのたの」 音曲をつけるとリズムを変えてもおかしくない。よく聞こえる。
・ 情感でやってしまうと、情感の説明になる。そのリズムに引きずられる。
・ リズムでやれば、違和感なくやれてしまう(共有できる)。
・ 文字の世界では、観念は押し付けであって、裏をすると
裏読みしすぎて嫌なやつということになる。
・ しかし、表だけやられても困る。裏だけでは分からない。
・ リズム、音楽では、違ったものが共有できる。

[4]まだ時間があるので試しに一作つくってみる。
◎お題「私の生まれを申しましょう」(フィクション、ノンフィクション可)
・ コツは四行詩にする。これが一ブロック。
≪複合知≫ 頭脳+身体 →身体の知
① リズム、楽器、その楽器を打つ人を決める(自分で打っても可)
② 楽器と打ってもらう人を発表。
③ 作ったものを素で読み、リズムを発表し、あわせる。
◎ 試演 勇気を持ってやってみよう!
・ 楽器で準備をつくってはじめる。

・やって面白い、たくさんやっていくと、もっと面白くなって上手になる。
・楽器を増やしてもOK。リズムを途中で変えてもOK。 

◆ 本日の磯貝語録
日本語で生きたリズムを作るのはむずかしい。多分思考がリズム的でないからだ。しかも日本人の共通リズムは重くておそい。
今の若者は、スッと立てない。表と裏をはっきりしたくないのかも知れない。

◆ 本日の感想
リズムがあると、無いのでは、こんなに人生が違うことが分かった。
やく動感は面白いし、生きている感じがする。どうも日常が機械的で平面すぎ、
それに慣れすぎた。何とかしないとつまらない人生となる。イヤダ・・・・・!!

表現の声とことば(10/10)

[1] ことばとリズム
9月はことばのリズムづけをした。ことばの解体を行う。
・ 音:強さ、高さ、リズム(構造)、ことば:意味づけ、思い
一字一拍のリズム 意味で考えると一語一拍
音は知覚で印象づけないと消えてしまう。
・ 感情のとらえ方で音声が変わる。(発し手の感情の押し付けになりがち。)
◎ 聞き手と話し手の中央ステージをつくり、
そこに言葉を供出し、同条件にする:コミュニケーション
音の記憶からことばは出やすいが、反対は出にくい。
・ ことばの音声化の明確な区切りづけがリズム化。
リズム化がつくとことばが渦状にすすみ、情報量が増える→伝わりやすい。
連続性があるので戻れる。デジタルに区切るのではなく、スクリュー化する。

[2] 歌リズムとことば
EX‐1:「十人のインディアンボーイズ」
四拍子、四拍子の循環 循環をつくるためのリズムエネルギー。
四拍子でも1つの循環をつくれる→歌唱
EX‐2:「虫の声」 はなしことばにすると意味を説明することになる。
リアルな描写や、リアルな内容以外を想起させる言葉表現方法(言い方)もある。
そのことばを音からつくってみる。
・ 意味をともなわなければ、リズムも音も自由に並べられる(変える)。
抑揚、イントネーションを大きくしたのが音楽・歌(リズムで循環する)。
それぞれの意味だけだすと、十人十色で統一性が難しい。
◎ 音楽は共有性がある→音には共有性がある。
・ 意味を出そうとすると、その人の個人独特の意味性になりやすい。
意味性が強いと個的すぎて共有性が低い。
音楽は共有性が高い、共有性を楽しむ。

・どうして個を主張するか?
(Aさん)自分のやった実感がほしい。やりたい人がやっているとそうなる。
やりたい人がやるから。どぎつくて、狂気まがい、きちがい、客がいても自分ばっかり。
気持ちばっかりで洗練しない。
[3] 音楽的特徴とことば
◎ ポピュラーになるには、どれだけ共有できるか。共有できる力があるか。
・ 心性でなく音性でことばを考えると、違ったものになる。
・ 音楽をやると言葉の意味の意味性が抑えられる。リズムや音階がそのルールになる。
・ 意味性の低い歌詞でも音楽にすることでおもしろくなり、共有できる。
・ 意味合いとはちがう別次元のものがでてくる。
・ ことばには、多面性、多元性がある。一つに収斂したり、解体したりもできる。
・ 定型詞、短歌+俳句などの制限におしこめることで、新しい何かが出る可能性がある。
<ニュートラルな思考、柔軟な思考、単純でない思考、思いでない思考>

[4] ことばのリズム
(あれ) (まつ むし が) (ないて) (いる)
メロディ、歌と関係なくリズム読みをしてみる。大きくとったり、小さくとったり。
一拍は同じ長さで連続性を保つのが基本。変えると変化が生まれる。
音のエネルギーにより新しい気分が生まれる。
◎ リズムにのること 歌舞伎七五調 
・ 朗読にはリズムをつけて、意味説明や自分の感情でないリズムづけをするとよい。
音を客観的に、録った音を聞き返せる耳をもつこと。
・ 人がつくったリズムをみなでやって楽しめるか。「十人のインディアン」
・ リズムは確信がないと、不安になる。
◎ 再現性のあるものをやる、再現する気になる、その気になってきくようになる、
再現性のあるのが音楽。
(11月SL「三文オペラ」セリフと歌が入る。即席でリズムを入れて歌にする。
歌舞伎はやっていた。歌があると劇が華やかになる。日本の現代劇俳優はリズム感がない。)
◎ ことばには、文学性、心理性、音楽性があって、はじめて表現が完成する。)

[5] 地声と裏声 ◆オクターブちがう 使う弦は半分 エネルギーも半分
地声 鼻をとじたままで出せる声 音域
鼻をあけるとオクターブ上がでる。人は訓練すれば2~3.5oct 出る。
対象を遠くにして外から音をもらう(鼻からもらう)
細くてやわらかいまっすぐな息を出す。
鼻からもらって声帯にあたって口からもれるくらいの音。口を閉じればハミング。
・ のどをやわらかく浮かしておく。上あご下あごもやわらかく。
ことばの「あ」ではなく、「あ」という音のひびきを出す。
連続音「あ」のポジションに息をあてる。
ことばの「あ」は断続音。

◎ 日本語の発話実感は下あごにある。そのままでは裏声は出ない。
・ 日常生活では音域を圧縮しているのではないか。声帯のまわりの筋肉が圧縮。
高い音、低い音がきけて、次に出せるように音感をつける。
・ 個の感情が入るといつもの音になる。無知に変えるとわざとらしくなる。
・ 高い音も、低い音も同じひびきで出す。鳴ったあとの共鳴を活かす。
オクターブちがうと出した感覚が全くちがう。もちろん聞くほうも。
音をかえることで、受ける側の感性が広がる。
◎ リズム音調で違った世界をつくり出すことができる。

今日
(午前のポイント)
透明感と透過性のある声を出す。
とおくから声をもらう。中心感覚と意識から感覚へ。上から下につくる。
(午後のポイント)
ことばに音楽性をつける。リズム 自分の思いでない。裏声のポジションで地声も出す。
思いだとなりが強くなる。音楽で感性をひろげる。音楽は共有できる。

日本語の「あ」は、4つの発声を実際には使っている。
リズムの感覚、音調の感覚。

◆ 本日の磯貝語録
お休み

◆ 本日の感想
同じセリフでもいろいろなリズムづけをすることで、いろいろなバリエーションが
うまれることが面白かったです。
言葉のリズムづけ、音調かえをしてセリフを発していきたいです。

表現の声とことば講座(7/11)

講座テーマ「キャラクターの声とことば“説得力の生理”」

[1]ストレッチング

[2]言葉の音楽性を考える
  (1)ピッチ、リズム、長さ、フレーズ、強弱、ダイナミックス、音色、他。
  (2)意味性が高い言語と音楽性が高い言語は相反する所がある。
  (3)音楽性を加味した言語はメリハリが増し明確になる。
  (4)現代日常語に斬新な音楽性が加わると新しい文化となるであろう。

[3]キャラクターの声
  (1)「ハイホー」(7人の小人)を歌唱。普通版とキャラクター版。
  ・キャラクター歌は崩れ歌や未表現歌ではダメ。やはり音楽的であること。
  (2)言葉のリズム付け。各セリフにリズム付けをしてみる。
  ・リズム台詞とハイホーを歌い踊りあるきをする。


◆芸人の声

四ヶ月「白雪姫」(グリム昔話集から。大塚勇三訳)をテキストに様々なキャラクターの声、ことば、表現を追ってみた。
シリアスドラマのキャラクターを演じることには馴染があったが、アニメ(特にディズニー) のキャラクターを表現するのは久し振りであった。
グリムの原作とディズニーの絵本を重ね、イメージを拡げ、時には
アフレコもどきをやってみた。

現代演劇を手掛ける者の多くは、自分とあまりにもキョリのある
キャラクターは避ける。
自身と関係づけるのがむずかしいからだ。

そのままで7人の小人の台詞を演じると様にならないが、
キャラクターの真似事はもっと陳腐になってしまう。
ある程度口調を作っても、シーンが少し長くなると声が続かない。

我々はいかに固定化しているか、つくづくと思い知らされた。
芸人は自由度が高いとか言われているが
実際は言われるほどにないと痛感した。

表現の声とことば(06/20)

講座テーマ「キャラクターの声とことば 3」

1. キャラクターの虚と実
テキストは、ヴォーチャル(仮想空間、仮想人物、仮想事である)。

◎ どこまでが自分で、どこまでが仮想か、<キーポイント>
どこまでが本当で、どこまでがウソか。
本当→安心、でも面白くない。 ウソ→安心しない、でも面白い。
・ 七人の小人(ヴァーチャル)
演ずる・・・ヴァーチャルを現実化→虚の実態化
◎ キャラクター → 現実でないところから入るほうがつくりやすい。
◎ 仮想として作り演じ上げようとするより、
なるべくリアルに演じようとした方が、やり易い。
⇒このような頭の使い方をしてきたのではないか。
・ 虚を実とするために、それに走りすぎると面白くなくなり、虚に行き過ぎると、
自分が置いていかれ不安定になる。
⇒仮想を仮想にしておく。そのように、頭を変えると楽になるのでは?
徹底的に仮想化して行くこと。仮想しつくすこと。

(1) 物を(テキストの役)演じる時の虚と実は?
(Sさん)
・ 実をもちつつ、虚に見せる。コアは、実。
・ 実を丸出しでは面白くない。だからデフォルメする。
・ 虚から実でもいいが、実をとらえていないと表現はできない。
(磯貝塾長)
・ 何が実で、何が虚か? 
(Sさん答え)
・ キャラクターとして、虚となる前に実がある。その実をとらえる。

(Iさん)
・ 実感としては、ほとんどヴァーチャル(表現も、日常も)ではないか?
・ そこからヴァーチャルをやるからウソくさい。
・ 身体化=リアル、思覚(知覚)化=ヴァーチャル
(図解あり)
・ 私、役、どちらも身体はあり、その次元は実。
・ 私の身体のない部分は虚だろうか?=ヴァーチャル
・ キャラクター(世の中での役・役)どこで、線を引くか。
(磯貝塾長)
・ 私と役とをいったりきたりするのが一番いけない。
徹底しないと演じ上げることはできない。

(Fさん)
・ 虚を実にするのに記号を使う。形をつくる。型にたよる。記号=共通項、型
・ 見えない部分までフォルム化してみせる必要がある。

(Hさん)
・ 客観化、自分から遠いとつくりやすい。遠い役をやればいい←本当!?
(磯貝塾長)
・ 役者は確信犯。俺がやるんだから“それ”なんだというところまで持っていくから
演じられる。
途中でゆれてはダメ。役にいくにはどうしたらいいか。覚悟?方法?

(Mさん)
・ 外、中身をつくるができない。どうしたら良いか分からない。
(磯貝塾長)
・ そこをつきつめていく。そうしないと演じられない。

(Sさん)
・ 歌うと自分が出すぎる。捨てろといわれる。歌は音楽、音符があるからいい。
←しかし、だからまだ自分。
(磯貝塾長)
・ オペラのアリアでは、その役が出している声でないと困る。
その役の声でないと認められない。
声がでていればいいというものではない。

(Tさん)
・ 身体の実感、知っている、知らない(既知)による。ウソくさいのがやっかい。
ウソくさいということは?

(Aさん)
・ 表現のゼロ。近づく、近づかない、やりにくさがあると見えてくる。

◎ 磯貝塾長
・ テキスト、文字、それを実際に言うこと(読むのではない)。
→自分だけでつくりあげていても、うまくいかない。相手による。
・ 役に入って、役の充実感をつくっていく。
・ 役が肥大化すると、私が持たなくなってくる。自分の外が多くなりすぎる。
・ 私が許容できないと、できない。
・ 相手との関係で、自分をつくっていく。(当然相手も虚)
① 自分を小さく。でも残す。役を大きくしていく。
② 私を大きくしておいて、頭の中でできることをやっていく。
・ 面白い芝居=役が大きい
◎ 自分を提供しつつ、役にどっかりといく。→キャラクターをやる醍醐味。

(2) 白雪姫をテーマに台本作りとセリフ演習
・ DVD視聴。「七人の小人」登場シーンから手洗いシーンまで。
・ 吹き替え役をしてくださいといわれたら、ちゃんとやれるか?
(台本P25~P28L7まで)
・ 七人の小人のうち何をやりたいか&白雪姫。自己選定。
◎ 型(記号)を決めていく(各自、各役)
・ 地はなし、セリフのみ、芝居を膨らませていく。相談後、実演。
・ 七つの型は、どういうものか。どういう傾向があるか。
思いついたものをどんどん出す。
・ 面白くすること!
・ 勝手につくってみる。即具体的にする。
・ リアルでいいが、面白くすること。
・ まぬけとは、ディズニーではおし。セリフをどのように言うか。
・ おどけた、ひょうきん、バカではない、愛嬌がある。
・ へそまがり。動きをコミカル。
・ Tさんの白雪姫は、おかしいと感じさせてはダメ。素で聞かない。
役(型)に入っていれば、おかしく聴こえない。
・ 小人がのらないと、白雪姫ものれない。
・ セリフに書いてないところもやる。
・ 一つずつ、丁寧に反応する。
・ 白雪姫・・・臨場感があるように喋る。(真に迫ると実声に近くなる。
脚から、白雪姫。口先、手先だけではダメ。)
・ 小人、白雪姫にこうしておいたらおいてもよいという立場ではない。
・ 機知・・・小人ならどうするか・
・ キャラクターを音声化して、コミュニケイトして、なおかつ面白くするには?

・ 出発時のセリフ
① さぁ、みんな仕事だぞ。
② 白雪姫にルビーをとってきてあげるよ。(うれしいわ。)
③ 今夜は、美味しい料理にありつけるかなぁ。(まかせておいて。)
(スープがいいなぁ。)
忘れ物はないかな。
ぼくのピッケルがない。
ここにあるよ。
⑦あ~、めんどくせぇ。あとは、頼んだぜ。
みんな持ったよね。
① 継母には、気をつけて。
いってきま~す。いってらっしゃ~い。♪ハイホー

・ つもりだとウソくさい。私のつもりではダメ。
・ セリフの多い先生は地がでやすい。


◆ 本日の磯貝語録
仮空の物を表現する場合は、漠然とイメージせず、
再現性のある形や記号化をするとよい。

◆ 本日の感想
“演じるとはどういうことか?”“私を役にするには何をどうするべきなのか?”
今ここにない虚を実にするには、実に入る「記号」や「型」がつくれなくちゃはじまらない。
白雪姫を通し、その形から休まず作っていかないと、すぐ止まって死ぬなと思った。

表現の声とことば(5/9)

講座テーマ「キャラクターの声とことば 2」

1. ストレッチ 各自
(1) 踏み足

2. 白雪姫
(1) ビデオ鑑賞(ディズニー・白雪姫)

・どこまでキャラクターに対応できるか。
・あなたをやらない。どこまでがキャラクターか。
・極端な例・・・七人の小人、擬人化されたもの、ピノキオ、ダンボなど。
・大人もの・・・「ウィンザーの陽気な女房たち」で、フォールスタッフが
おばあさんに化けたときの声は、どうするか?

⇒現在は、下手なものが多い。変につくっている。
キャラクターの生々しさが出てこない。

(2) キャラクターをどう理解して、処理するか。

・日本の演劇学校では教えない。歌舞伎は型がある、だからできる。
型のないものをつくるというのは苦労する。

◎まず、考えること・・・自分と役との間
① 女王様
② 鏡
③ 家来
④ 姫
⑤ 王子
⑥ 小鳥たち・・・動物たち
⑦ 七人の小人
・ やってみたいか?やれそうか?

◎ 女王様をやりたくない理由。
資質があわない、どうしていいかわからない、やりすぎてしまう、
役回りが大きくなりすぎるのが好みでないetc
◎ やれる理由
やってみたい人・・・自分とかけ離れているのでやってみたい
(悪い奴をやってみたい、悪にひかれた)、
おもしろいキャラクター、あの美の追求の強さ、まっすぐさ、工夫のしがいがある、
キャラクターがはっきりしている。
やる(できる)人・・・自分が演っている時のイメージが湧いた。

・ 役と近い人を配役するというのは、無難だが、つまらない。
◎ 女王と自分が近いからやりたいという人・・・1人
女王とかけ離れているからやりたい人・・・5人

◎ 私とキャラクターと何が近くて、何が遠いか(親近感)をとっていないとダメ。

◎ やりたくない役は?
小人2人、女王1人、姫3人、家来2人、王子2人など。

・ なぜやりたくないのか。
ピンとこなかった。
興味がない。
キャラクターが強烈でつくりあがってしまっているので、やりすぎてしまう
(女王、でもやれそう)。
特徴をつかみにくい。
キャラが近いから引っ張りこんでしまい、つまらなくなりそう。
他と比べると魅力がない(でも、やれそう)。
好きなキャラクターではない。
今まで姫の役が多かったのでやりたくない。
自分のキャラクターにない。
パターン化されたイメージを乗り越えられない。など。

・ 自分のやりたい役をさせてもらえない。
自分の感じる(自分・役)と、外から見たものの誤差。
・ まず、その役は、好きか?無条件で、演ずるときに。
・ どこが好き、どこが嫌いを本来的に選別する。
最初は好き嫌い。その上に条件を乗せる。
・ 何だか分からなくてやるは、ダメ。
・ 条件を考えてやるも、ダメ→理屈っぽい芝居になる。

(3) 自分を知る(自己分析を行う)
a.自分らしいって何?
・思考
・行動(仕草)  → それぞれ、3~4つを書き出し、発表。
・癖

・ 外に出して生きているということが分からないと認められない。
そこにつくり出すことができるか。あるかどうか。
やってしまわないといけない。役に飛び込んで、それになる。

(4) セリフをつかったキャラクターづくり

テキスト「私の養子になるのは、誰だい。」を指定キャラクターで言い分けてみる。
・ キャラクターをやる場合、何でやるのか→それで出す→それの変化でできる。

≪キャラクター設定≫
① 大きな大きな象
② スタイルの良い馬
③ くさい、太った豚

→声は身体。そのままではやりにくい。身体性から入るほうがやりやすい。
「つもり」が一番ダメ。
架空のイメージはダメ→具体的にならないとダメ。そこまで追い込む。

④ こちょこちょごきぶり
⑤ ピカピカ ゴロゴロ雷
⑥ 人を滅ぼす悪魔

・ この中から、やったという実感のあるものを2つ選ぶ→「試演」
・ やりにくかったものは?各自感想
雷(イメージと、ギャップの差が大きかった。)
象・ゴキブリ(キャラクターが掴みにくい。)(嫌い)
悪魔(キャラクターにあう声がつくれなかった。)
馬(かっこいいだけになってしまった。)
・ 違和感、ぴったり感はあったか?
・ 照れくさかったものは?(悪魔、全部)
・ やりながらこどもっぽいと思ったか。
・ どうしたらいいか分からない。(ゴキブリの動き、また声など。
見たことがあまりないのでイメージがつくれない。雷は、身体が分からない。)
・ 雷→バカらしいと感じた。形をつくってやったのでおもしろくなかった。

・ うまくいかなかった。何が?
ゴキブリ・・・頭でやってしまった。
豚・・・声が違うと思って、動けなかった。
・ 練習と違うことをして、本番やってみたら違ってしまった。
<練習のときにやったものはできる!そういう練習をしないとダメ。>
・ ヘッドワークはいらない。
・ 役に飛び込むために邪魔しているものをみつける。
・ できるもの、できないものがある。
→これは逃げ口上。枠を超えたらなんでもできる。
・ 試演で感じたこと。→客に見せるという意識がない。
・ 「これ」という作品を見せている。それが金になる。そう思ってやっていないときは、
自分に固執している。
・ デザインがあればわかる。そのためには「ネタ」が必要。
◎ 自分を金がとれる作品にする。


◆ 本日の磯貝語録
社会に流通している“キャラ”は、各々使う人によって、少しずつ違う。
何となく全てに、通じるものもある。キャラという概念を社会が変えようとしている。
でも、演じ手は、もっとシャープに分かっていないと、振り回されて終わってしまう。

◆ 本日の感想
久し振りに踏み足をした。下半身のバネ、左右差の問題を改めて実感しました。
キャラクターでは悪魔役をしたいけど、悪魔の身体化が難しい。
しかし自分は出来ると思いました。

表現の声とことば講座(4/11)

講座テーマ「キャラクターの声とことば」

[1] 各自ストレッチ
 
「3T“とじない・とめない・ためない”」
・ 足の裏は止まっていないとダメ。
・ 皮膚が呼吸している。原則、唇はとじない。自分の動きの法則ができる。

[2]キャラクターについて考える:キャラクターって何??
・  本人の声ではない実態(本人の声で読むのはナレーター)
・ 性格、個性、役柄。
(磯貝メソッドは、根源主義のため本来のところを考えると?)

(1) キャラクターといって、何を考え、想起しますか?(全員討論)
・ 誇張して、作りあげられたもの。(例:アニメのキャラ)
・ モードを伴った典型的な特徴。(例:ポルターガイースト)
・ 特徴のある役柄。→ドン・キホーテのサンチョなど。(滑稽も一つの要素)
・ ディズニーなど、視覚にうったえる仮想の役どころ。
   ↓
(磯貝講師)現実的にどうか?知的分析でなく、リアル表現の実際として考えると?つまりは、この場、この身での、自分の問題として考えていく。

・ 現実ではないけれど、実際のものをキャラクターといっている。cf.ラネスカヤなど。
・ 言葉で考えていないで、実際にやってみると分かる。空間性、身体性のあるものにする。
・ アトム・・・このキャラクターをここにおくにはどうしたらよいか、考える。

◎ つくられた空想をここに実在化させるための色々の要因と、その全体。
・ ウルトラマンで声を変える。仕事でウルトラマン兄弟を読み分けた。(実演あり)

◎ 着ぐるみ思考が有効。
・ 個性の強い生きものの着ぐるみに入る。(動きだけで、かわいいキティを表現。)
着ぐるみのお陰でそのものに変化した。(キティーちゃん)。
少なくとも自分ではなかった。
・ 容姿、格好なども、キャラクターとして重要なのではないか?
・ ウルトラマン・・・セリフがない。仮装するとうごきだけで実態の気になる。

◎ 外形から動き、声、性格など想像出来、決まってくる。
・ 入る着ぐるみによって、本人の内面が変わる。(受講生)
・ キャラクターとは、役作り、その人の格とは何かを考える。(受講生)
例:桃太郎 強い、桃、人間ではない、親孝行・・・。

◎ やってみる・・・やったら勝ち。表現者である限りやる。

(2)キャラクターを表現するための声とことば
・ なるべく人が興味を持つ、多くの人が反応するものをつくる。
・ 何ならウケるのか考え出すのが必要。
・ 人に伝えることが原則。

◎受けるほうが分かるというのは、どういうものかということを考える。

① テキストのマネ ②まったくないものをつくりだす。
・ 音声だけで勝負するのは難しい。
・ 芸能におけるキャラクターを掴めば、自分のことも、相手のことも分かる。
・ 外側は自分、内面だけを変えても信じてもらえない。
(内面でつくったものを伝えたとしても、伝わらないところからスタート。)
・ こちら側で考えたものを高めていって、普遍性をつかまえて伝えても伝わらない。

◎ その役のところの普遍性とは何かを考える。(人間は、とことん変わってしまう。相手に近づこうとすると平行移動してしまう。実態は、捉えられない。)
・ 類型化してやっていく。(歌舞伎など。)それがキャラクター。

◎ キャラクターとは。
① 類型化、ステレオタイプの仮想現実
内面に入ると解釈によって変わってしまう。
そのほうが生きやすい?分岐していくと大変なのではないか?
(→現在社会は分岐して分からなくして喜んでいる?自信がない。)
キャラクターのなかに自分はない。

◎ キャラクターは仮説、だから深まるし、広がる。想像の世界。

[3]「白雪姫」によるキャラクター演習
(1)外形をつくるということ
・ 類型化したキャラクターをおいて読まないと、楽しくない。
・ 自分で映像化してゆく。どんどん変化させる。
・ 仮説を信じて、これをどうおもしろくするか考える。
・ 文字で書いてあることで、登場人物の類型化はされている。
それを声でどう表現するか。
・ 分かるものとしてどうするか。
・ 文字で書かれたものを、どう変えていくか。自分のなかで起こして、変えていく。
しかし、声だけでやるのではない。
・ キャラクターをやるというのは、自分ではない。

◎ “お妃のキャラクター”のうぬぼれ心を自己化して内部想像するのではなく、
妃を外に出しすべてを外部想像化する。
・ 客観的観察者としての創造をする。
・ 入り込むだけではなく、入り込んだこれはこうだというものを出す。
自分の納得で止まってはいけない。外に出す。

◎ 無いものの「それがそうなっている」と事実を先ず作り出す。→キャラクター化
・ 文字がある。それを入魂して生きたものにするには、どうしたらいいか。
→それがキャラクターをするということ。

◎ 導入して、少し大げさにやるとよい。自分から切り離すためには、自分でないものを大げさにやる。その場合、自分の中に力が溜まって行くと、自己化して失敗する。(身体が硬くなる)
・ 地を使いながら、お妃を生で分からせる。客観メッセージとは違う。
・ 着ぐるみになろうとした?着ぐるみがあるとそれらしくやりやすい。
自分で白雪姫をやろうとすると大変。(p22 白雪姫のセリフ)
自ら白雪姫をやろうとして無理が出た。(受講生)

◎ 外側があることで、内がなくてもふっと外側の手だすけで内が動く
→キャラクターの極意。
・ 全部自分でやろうとすると、頑張りすぎる、力が入ってしまう。

(2)抽象的な事をキャラクター表現するには
・ 中間思考(たとえ文章がそうであっても)をさける。
・ 表裏・・・いいこと悪いこと、正しいこと誤ったことを明確にする。
(だれでもわかる文章でこそ、それが分かる。)
・ 心のねじけた女は・・・ここをふまえて「鏡よ、鏡・・・」と言わなければいけない。
心のねじけたお化けをどうだすか。
・ 重大なキャラクターポイントが書かれている。それを外さない。

◎ ストーリー読みをしない。
・ p24 とがった石の上をかけ・・・いばらの中を・・・グリムらしいところ。
リアルにそういうことだけを読んでいったほうがキャラクターになる。
(現実でないというところを知っているから楽しめる?)

(3)小人という未知のキャラクターについて
・七人の小人・・・七人が集団生活をして、なぜ森の中にいるのか?
→身体的特徴がある人たちが集まって生活していた。(歴史的事実)
(小人は頭が身体に比べて大きい。私たちより身体的に扱いやすい。)
(人間の身体は大きくなりすぎた。130センチくらいが争いがなくてよい。)
・ キリスト教の重要な数、7
・ 小人がかわいく描かれたのはディズニー。キャラクター付けをした。
・ 童話・・・子どもに話して聞かすとき、親しみ易く子どもっぽくやる方法があるが、良くない。

◎ 子どもだけのための物語というのは少ない。子どもに準じることでその物語の質を落とすことはない。
・ 子どもに別の何かを起こさせる。『みんないっぱいいるね。』が分かるから仲良くできる。
「みんないっしょだね。」では仲良くならない。
・ 小人は大人・・・かわいいだけではない。かわいいためにつくられていない。

◎ 自分の前方にステージがある。必要条件
・ 書かれているものから、読み取っていく。それを声で表現するときにどうするか?
・ 地読み・・・説明、あるいは登場人物のセリフ、内面の表現などが書かれているが、それをできるだけセリフにしてみる・・・キャラクターをつくるためにやる。
・ 日常生活の考え・ことばの羅列の中から、自分がなにかを感じとっていくのは難しいだろう。
・ 不自由さのバイアスがかからなければ、そこから抜けだそうとしない。慣れは、無人格化現象である。
・ 伝わった、帰ってきたというコミュニケーションをやるのが基本。それをこの書かれたものでやる。

(4)テキスト演習
・ むかし、むかし・・・すべての部分を絵におこす。
・ まず読んで理解する。自分化する→外に出す。キャラクターの城をつくる。
・ キャラクターの着ぐるみをつくり、それに入ってやる。
・ 聞いている人、読んでいる人は違うものだが、喉で聞いていれば、すぐ変わる。
そこにつくるように読む。
・ 黒檀の窓わくは、富の象徴、ひけらかし。
・ 縫いもの・・・なんでしているか意味をつける。
・ 何回もやっているとこういうことなのかと分かってくる。
→それがキャラクター、読み手の味、キャラクターは何回もやらないと出てこない。

◎ 地からセリフを作る。音声化する。
・ 雪の降るオノマトペ。しんしんと、など。
・ 降っている、積もっている→状態によってちがう。音が、色が、違う。
・ 雪というステレオタイプの音をつくってみる。
・ サクラが散るさま 音に出せたら音楽家、言葉にしたら文学家、見て綺麗だねは鑑賞者。
・ 針で指を刺したとき、お妃は何ていうか?
・ 「いたっ」「いて」「あっ」「はっ(息のみ)」「いっ」「つっ」「あら」
その音を前へ出す。(キャラクターを表現する。)そのセリフを入れて地の文を読んでみる。
p19 雪をながめたとき「・・・(セリフ)」お妃は・・・。
・ 刺したお妃と、おちた赤い血、この2つを表現したい。

◎ 表現のウマさの秘訣とは、繊細さ。 繊細・微細
→ 生々しい
それが、本物に近いこと。
・ アテレコ・・・文字から発見したものを映像にぶつけていかないと負ける。
・ 書いてあることは変えないが、新しいセリフはキャラクターにあわせて
面白くつくる。

◆ 本日の磯貝語録
今、現実にないものを内面から作り出すのを心理主義、外形から作り出すのを
キャラクター主義という。思いの好きな日本人は心理主義傾向が強い。

◆ 本日の感想
キャラクターを立ち上げるために、全て文字から立体化し、オノマノペ化(音声化)してつくる過程がとても新鮮で刺激的でした。