声の表現講座(1/12)
[1]各自ストレッチ
[2]講座開始
・新学期に当たって簡単な自己紹介。
・9月~12月の科白読み、4月~7月の「星の王子さま」の流れから、今回は文を扱う。川端康成著「掌の小説」
・駄文をどのように読んでいくか。 ⇒上手い人が読めば、やっぱり上手く読む。
・散文をどのように扱うか。
☆3月8日の最終回は試演会
☆朗読とは何か?
・“作品”と“メッセージ(ニュース原稿等)”では違う。「掌の小説」は作品として読む。
・つまらない文章でも、最低これくらいの声は出さないといけないというレベル。
・文字と自分の体との戦争。
☆自分の名前は出しても、自分自身では読まない。(自分を他人化する)
特に地の部分を自分で読む事が多い。(自分化)
芸の域では、自分をキャラクターにしてしまって読む。
・芝居は袖に入ると素に戻る人が多いが、中にはずーっとそのままの役者もいる。
・“語り”これにはやり方(型)がある。語りは芸である。
☆ともかく上に粉飾する時代・風潮があったが、「元」は何だったのか?
芸の「元」は何か?本来の朗読とは何であったのか。
・知らない人達が「今初めてだ」と言っているだけで、以前からそういったものの元はある。
☆芸には全部「元」がある。だから潰しが利く。
・「本質的野心」 今ウケをする事では無さそうだ。(世間的野心)
・“語り”というのは、云わばバックする事だ。
・文章で書かれている時の助詞の扱いが、時代によって違うぞ。
・学校文法。現代語の文法をちゃんと学んだか。研究者によって解釈が違うから、音が違う。
・NHKと日本放送の基準アクセントが違う。
・出たものが分かる人はいるが、出す人がいない。
☆掌の小説より、「海」「落日」
・大した事ないものを、大したように伝えるのは読み手の芸。
・書いてあることをただ読めば、「作品」として成立する訳ではない。人によって解釈は違う。
・芸において、真似るは重要。
[3]声を出す為にストレッチング
・やりながら、ほぐす。
▽首の付け根を動かす。
▽肩のトップを使って脇の下から肩口を伸ばす。
「地声」とは~ 胸骨が響く、その喉の位置と鳴らし方
▽胸骨をポクポク叩く。叩きながら、顎や首の付け根を緩めていく。
胸骨に手を当て、響かせる様に「ア」発声。
・喉頭共鳴が無い音をつくっても「それは違う」と言われてしまう。
※管楽器が「ボー」と鳴る感じではなく、打楽器で「コン」と鳴らす様に。
低く下ろしても残響が少なくなる様に。
(Aさん)暗い。外に音を出す。
(Bさん)口の中をもう少し開ける。口の奥が響くと良い。胸骨に意識を置きながら、相手を聞く。
(Cさん)もっと胸を前に出す。サッカーのトラップと同じ。下半身がすぐ硬くなる。
(Dさん)喉の声を口に向かって言わなくていい。今出しているエネルギーの1/3くらいでいい。
呼吸がまだできていない。下腹が動いていない。こよった手拭いを立てて歩く状態。
☆「8/100」の緊張はいつも残しておく。それを捨てると自失する。
・一本足
▽ほぐして整理運動。
▽片肘を上に押し上げた状態で、鼻から大きく吸い、口から吐く。
☆肘を曲げて、手を動かす範囲(開いて、閉じて)で朗読をする。
☆手の平、手首は非常に重要。(手の活性化)
▽ロールダウン ⇒グラウンドでのストレッチ数種
・声を出すのに重要なのが鼠蹊部。
(1)喋っている語の意味(訓読み・音読み)を捉える。
(2)最初から外に話すように読んでみる。
(3)半行くらい先を読む。憶えてしまう。
☆掌の小説より「縛られた夫」
・その事をそこでやっている時ってのは間違えるもの。
・「ファーストインスピレーション」は大事。稽古はし過ぎてはいけない。
稽古を大量にやらなくて済む為の稽古を積み重ねる。
・話す場合でも、行くべき所が引っ張ってくれる。
・言葉を伝えるのが好きだという文化。
・話芸もテキストから離れないと、信用されない。
・分かりすぎたら、下手。
アウトラインが分かればよい。自分が作るものであっても細部を作り過ぎてはいけない。
・生きている実体を表す時に、ビッチリつくったら死んでしまう。
☆失敗してはダメだけど、完成してはいけない。
・自分の思うように歌いたい、ではない。歌の様に思える練習。
・原則、話は他人の為にするもの。
・そこでやり上げない。いつでも隙間を残していく。(本質)
・いつ、本当にできる人が来るかもしれない。
次回は文章のことについて取り上げる。
◆本日の磯貝語録
・芸には必ず「元」がある。
・分かり過ぎたら、下手。
◆本日の感想
・芸の事と私業(ナレーション)の事は別の事と思っていましたが、本質的には、
又レベルが上がると同じ事だと分かって来ました。自分の選択がまちがっていなかったと勇気が出て来ました。
セリフの発声レッスン(6/28)
講座テーマ「体が思う -声と体の関係-」
[1]各自ストレッチ
・俳優は“養成”ではなく“製作”しなくてはつくれない。
・仙骨を清々しく意識できれば、美人でいられるぞ。
・君の感じている自由は勝手なだけで、自由じゃない。
-不自由を持たない故に。
・ムーブメントのことに対して、何か照準を定めて動くこと。惰性にならぬために。
・自分の中に“柔軟性があるな”とか“敏捷性があるな”と感じるセンサーが
育つと表現の欲求も育つ。どう、何を動くかの本能に行き着くと良い。
・神経路を全身に感じる。とても速いこと。知覚脳ではなく、運動脳!!
・鳩尾の裏(背中の)に“はい”という声を当てる。当てた位置を覚えて
意識したまま、ストレッチをしてみる。 →身体に言葉を持つ原型。
[2]「星の王子さま」輪読(#11~)
・読み始めた時には、すぐそれになれると良い。 →息と声の力
・疑問形の言葉が疑問に聞こえない。 →本人の中で疑問にはなっているか?
→はい →相手に問いかけることが必要。自問ではない。
・疑問という情動を持ってる人間と持ってない人間では、天地ほど違うぞ。
・「“他”を意識する」ということが不自然をつくり出す原点。
◎自分に読むのではなく、相手に対して話す。「話す」は「離す」こと。
・うぬぼれ男のセリフみたいに読めますか?読者と聴者の間に膜があるように
感じる。 →自分と役との間に溝がある。
◎自分で自分をどの程度意識しているか。自分で他人をどの程度意識して
いるか。自分で自分をケアする読みと、自分が何かをケアする読みの違い
をつくれる様に。
・セリフの所で無理してないか?いつでも少しずつ「意識という無理」をしてしまう。
セリフでも地読みでも自分を殺そうとしてる気がする。
・意識だけの表現に聴こえる。無意識も含めての納得で、それを持って
読んで欲しい。
・その人の意識でやるのと、その人そのものでやるのとは違う。
・親しみを出してない。良い答えばかり追うと必ずミスをする。そのミスが見えない。
・いま、一番芸で必要とされるのは“不安定な安定”だが、
いまはただのくちゃくちゃか、ウソくさい安定しかない。
・境界をゆらゆら揺れ続けるには自分以外の力が入用だ。
☆本能的に揺れる(元々が揺れている)
・できるならば様々な事象は決まってない、変化の中に浮いていると考えれば
アーツの入る要素がある。意識が先行していてはアーツになれない。
・自分で選べるんじゃない。アーツに選ばれること。
・作品を出すというのは、その場に参加できなかった人達に批判するきっかけを
与える、チャンスメーカーである。
・つくるからは壊す。壊れないように働く力。
◆本日の磯貝語録
・意識が心や身体を縛ってはいけない。常に命題から心と身体を
解きほぐそうとするのが本来の意識だ。
◆本日の感想
・アーツという捉えどころのないモノを磯貝先生が自らを通しチラリと
のぞかせてくれるので、生きている事や、声のことをやっていられる。
日常や現実の先がある事を感じられるなあ…と思いました。
セリフの発声レッスン(6/14)
[1]各自ストレッチ
・スクエアダンス(時には指も使った全身表現)
・精神の「実と虚」、体の「実と虚」の差を実感すること。
・フリーで動いていても、「カッコいい」という感覚を強く持つこと。
人前で自由になってもいいけど、自由になっていけないことがある。 →何か?
◎生命と美は自由にできん。ありがたく従うまでだ。
・努力して美しくなろうとしてる限りはダメ。美しさに同化して隷属する。
・見え方の問題。例えば床を見てそれを美しいと思えるか?
実際の清汚のことではない。
・腰を立てての座位練習。前の胸から背中を閉め、首も胸も上げる。
→状態の姿勢を保持したまま歩行練習。顔を太陽に向ける。
・美しい条件(美しいって何?)
→受講者の意見:丸(新円)、自然、音
・考えるのなら単純化しろ。そして単純なものは自分の中にはない。外にある。
・“美しい”を考えない。外のことを見つける。
◎“明るい”は美しさのひとつ →明るさ、明るいを動いてみる。
☆明るく動くことを気分の問題にしない。感覚のエネルギーを見せること。
外が変わるから気分が明るくなるんだ。明るいのは外側の現象だ。
◎内に引き込まない。内で考えない。内に向かってはうごけない。
・薄くて軽い気分は何の役にも立たない。
・“暗い”を表現してもいいが、自分に戻ってしまうと結局美を侵食してしまう。
・すぐ休むな。すぐ止めるな。瞬間の反射をやり上げること。外に置け。
・動きをやっていて、自分が気に入らなきゃダメ。
[2]「星の王子さま」朗読
Q. ボディーワークをしてどうだった?
A. 清々しくなりました。(Aさん)
→Aさんは閉じない。上を開ける。そのままで感情を下に下ろす。
引っ込めて中側でやるから反応が遅いんじゃないか。
A. “明るい”をやってる時は楽しかったです。(Bさん)
→Bさんは考え込むことを止める。来たものを反射する。
では反射する為にはどうすれば良いか。光が反射するには速いし軽い。
・盲の人でも“明るい”が分かることがある。目がある人は
目でしかものが見えない。耳がある人は耳でしかものを聞けない。
・開いていれば、みんな入ってくる。それを閉ざし自己判断すると、
そのものは分からなくなる。
◎細目はダメ。おデコの筋肉を使って、上まぶたを上げ眼を開ける。
・開いていれば感覚のことは反射できる。(情緒の領域に落とさない)
・人間には「透視力」が備わっているものだ。それがないと想像はできん。
・納得よりも、同調しろ。
Q. いいものを見た時、人に教えたり提供したくなるか?
→役者なら人にものを与えることができないと。
◎3T(止めない、溜めない、閉じない)は身体だけではない。
感覚も、心も、3Tになれると良い。
Ex-1 8~10章朗読
・ダ、デ、ドの練習。引っ込めない。前に響かせる。
・外で音をつくる。全部歯の外側で響きを完結させる。
・自分の中に入れると、つっかえるものの処理の仕方がある。
・つっかえる箇所があれば、その部分だけ取り出して書く。(漢字でも平仮名でも)
何回も書いたら、何回も読んで頭にインプットする。
☆自分の中側に入れたら、言葉は死ぬんだと思え。
・下アゴに落とさない。オウムや猛禽みたいな上アゴが音を前に出してくれる。
・王子さまが花に言っている科白を自分の感情で言ってないか。(内感情)
それはもう通用しない。
・語りそのものは軽快なものなんだが、自分に入れると重くなる。
・絶対に眉毛より上で感情をつくる。下ろさない。
・文末の「お幸せにね」の「ね」の出し方。相手に息も響きも向かうこと。
・やり始めて5秒くらいで嬉しくなる人。それは芸に向いてるよ。
・外側の面白さにスッと入る。
・自分が分かったり、反応できるものであれば動く。その人は少し感性が鈍い。
◎自分の心は全部外。inside routine を止める。outside に出す。
◎私達多くの人は子供の頃沢山の物事を学び、与えられ、教えられた。
様々の事を自分の中に溜め込んだ。覚えた。
数多く覚えた者を“良”としてはげまされた。
確かに楽しかったり便利な時もあった。なにしろ大人がそれを良しとし、
社会はそうつくられていたのだから子供は従うしかない。
「良く考えろ」と言われ知らず知らずに自分の頭の中で“考える”という作業を
覚えてやり始める。頭の中ワールドで実態のない虚をありがたく発達させて来た。
頭の内で考える、頭の中で思うという事を中心に生きてきた。
そのやり方が何となく便利だった。星の王子さまは“そうじゃなくてネー!!」と
ちがう事を言い出した。今となってはどうもこの頭で考え思ってみても、
彼の言う事がうまく分からない。いや自分なりには分かるのだが、
多分違うのだろう。そこまでしか分からない。
この星の人間は全ての事を自分が分かるようにしか
解からなくなってしまったようだ。
◆本日の磯貝語録
・生命と美を人は自由に出来ない。有難く従うまでだ。
・内に引き込まない。内で考えない。内を頭にまかせない。つもりになるだけ。
◆本日の感想
・美しい-光-明るい。反射は開いていないと出来ない。
出来るとスッキリと気分がいい。
セリフの発声レッスン(5/31)
講座テーマ「対話と身体」
[1]各自ストレッチ
・他力義務
[2]講座開始
●朗読 |
●語り | ●科白
●読み聞かせ |
●お話し |
――――――――――――――
●読む
●話す
・“話す”ことが下手
・話すのは好きだけど、下手。お喋りのレベル。
・頭の中で話すことを選んだり理解することがない。
◎“話す”と“喋る”は違う
・自分が喋り易い文体で書かれたものは音読し易いが、
それ以外の文体のものはうまく読めない →演じる事も
・“語り”はそれ専用のテキストがあり、方法、スタイルが完成されている。
・ドイツのナレーティングドラマ(今のリーディング)は完成度の高いパフォーマンス。
・まずテキストを憶える。憶える能力の先に表現がある。
・書かれているものを読んだ時、「ことばの頭脳表現」をする。
・“憶える”という事が何かチェックをクリアーするだけの作業と思われてる。
☆ストーリーの内に入り読む(自分の中に入れる)事と、外から読む行為は違う。
・ひとつの科白にひとつの心に響く言葉が発見できれば良い。
・読みながら、自分がふっと動く言葉を見付け大切にする。
☆“この文章が面白い”となるのは物語を読んではいるけど声に出して表現は
できない。“この言葉が面白い”と、言葉で見つけ出す。
・語が中心であって、文に惹かれるのではない。
◎語の読み方が良いと、考えるまでもなく、自分の中に興る。
・語りは一語一語の認識率が高い。
・語というものが連なって文になる。だから語をつぶせないと
文(科白)を読むことはできない道理。
演習「星の王子さま」
Ex-1 3章から回し読み
・“こうしたいな”と“こうするべきである”は違うもの。
・表現者を作るということは、自然なロボットをつくるみたいなもので、
土台無理な事だと思う。が、難しい分うごくものがある。
Ex-2 4,5,6,7章
・夜寝る時、夢を見るか?見た夢を憶えているか? →全員披露
・表現者としては「見た夢は絶対憶えておく」を習慣づけてゆきたい。
夢は自分の財産。リアルなだけの人間は表現には不向き。
◎目前の現実と非現実、心の中の現実と非現実、超現実が欲しい。
・夢に色が無いというのは不自然。
・各人の見た夢の話を分析。
・ヨーロッパで“思う”は=悩むと同義で、日本人の願望的プラス思考には
別の語、例えば希望する(hope)や考えるを使う。
心を細分化し言語化している。
・読んでる内容を自分に引きつけていくのが“思う”のエッセンスではないか。
・自分の納得で憶えようとしているから、覚えが悪いのではないか。
☆心のインタースティング(intersting)
・物質的なものと、情緒的なものの見方・とらえ方。
・夢が足りない。言葉が言葉の間尺を出ていない。
・8の字みたいな読み方がいいな。しかも立体(球)。
→Q.それはテクニックの問題ですか?
A.思考回路の問題じゃないかな。
・書いてあることを忠実にやろうとしているけど、忠実=教訓ではないよ。
・「えいえい、たーっ!」ってやつ。
・不安定だといいのに、安定してきちゃった。
・自分が今わかってる“これだな”で読んでる限り、何も起きない。
・ピカソの話とダリの話。
☆芸術的インスピレーションは日常にある非日常インスピレーションしかない。
芸術的なものを見て得られるインスピレーションはオリジナルを超えない。
・何だか知らないけど、うまく言えない(発語できない)言葉。
☆なるべく希望をもたないように生きてかないと。
欲しがるものは手に入らないのが真理だぞ。
・王子さまと飛行士とどっちが好き?
・もっとコレ(本)に近づくといいのにな。
・聞いてる方の立場で言えば“同時感”が欲しいんだ。
・皆、立派に話したい。けど、立派に話すというのはその人と同じ立場に
なって話すということだ。
・作品を理解し表現するためには、自分の考え、感情等のフィルターをとり、
人間に対して、こっちも無防備にならないといけない。
・“言葉は心”と思えるかどうか。そのことが納得できる考えが可能かどうか?
・“自分の心を裸にできるかどうか”が重要のようだ。
・芸はものすごくスピリチュアルなこと。五感とその頭脳(脳)を超えたもの。
・技術的なことに関してはちょっと置いとこう。技術から入るとこの作品は
絶対普通の表現になってしまう。
◎この作品を通して何を学ぶのか、何を考えるのか、何を行動するのかが
少し見えて来た。今の現実の実感からしか物事を理解し思考出来ないと
したら、人間は実につまらない存在でしかない。当然、芸術も演劇も必要ない。
主人公が「王子さま」で「王様」でない所がキーだ。出来るならこんな王様なら
もっと有難いが、そんな王様では汚れた我々には理解不能だろう。
せいぜい 王子様に我々の狭い心の宇宙を広げてもらうしかない。
◎夢の事を少し話した。希望と夢とは違う。昔、空を飛ぶのは人の夢だった。
今は空を飛ぶのは希望で、その上それほど大きな希望でもなくなった。
夢は人間の理解できるものではない。ただチャンスによっては、ほんのわずかな
ひとしずくに接する事がある。そのためにはいつも夢に向けてドアを開いて
おかないとならない。夜寝る時、誰にでもそのチャンスはやって来る。
もし見たとしてもよく憶えていない。多分現実の種々、色々、様々に能力、
例えば思いや気持ちや悩みや不安、不満等に心を使いすぎ、夢のドアを
開けておく能力が無くなってしまうからだろう。
言葉も心も現実次元しか持てなかったら人は窒息してたえてしまうだろう。
◆本日の磯貝語録
・そろそろこの作品を通して、何を考え、どう行動して、何を考えるのかが
皆少し分かって来たようだ。考えた先に心が用意されているのは幸せのことだ。
◆本日の感想
・ストーリーの世界にスーッと入り込むこと。人の心に伝わる読みをすること。
高いハードルですが、目指す意義は大きいと痛感しました。
セリフの発声レッスン(5/17)
[1]各自ストレッチ
・アゴの運動(広げたり、開けたり)
・スクエアダンス
・ハミング(薄く、紙のように)→できたら1mmでも高い音を出そうとしてみる。
・“あの音を出したい”という感覚はあるか?
・自分を騙す。いつでも実声しか出せない人は、自分を騙すという事ができない。
・うまい動き方=合理的な動き方 筋肉の事を学んでみる。
[2]講座開始「他人の中のことは、自分のことば~自と他の間」
・“踊り”というものを持っていない民族はいない。舞うことで心が躍動
するからだ。躍動すると声を出したくなるが、バレエはそれを禁欲する。
(江口先生の著書より)
・やりたい様にやる(発散)では表現にならないし、伝える力も生まれてこない。
・喋りたいことを喋らない時、圧力が生まれる。
ここに挿入するのが科白なのではないか。
・演ずる人間とやる役の間の“実”に質量共に差がある。役の実の想像設定規準
を自分に置きがちであるが極力自分から切り離す思考回路が必要である。
・納得したり、認識すること
→実は抽象的なことが多く、身体性の高い納得が表現の実である。
・今の自分が正に今。時の認識も個体差が大である。
・分からないのは分かる可能性がある。分かったフリをする方が怪しい。
・納得のエネルギーが低いと他人が見落としちゃう。
・私自身がやらなきゃいけない。でも、私以外のものをやらなくちゃいけない。
でも、客が見てるのは私。 →役になりきった経験はある?
◎自分と役の差を感じるか?
感じたとして、その差を埋めるのか、どう対処するのか。
・生々しい台詞。生々しさについて。
・万引きドキドキの“実”
・想像だけでは身体性が薄くて、やはり嘘に見えてしまう。
Ex 目をつぶってみる
→何にも指示を受けずに目をつぶった時何が見えたか?
何も見えなかったか?
(胞子状のもの、色、飛蚊症みたいな、線が一本など)
・意識はひとつのネットワーク
・実が分からないから虚ばっかりで変な理想を追う。
・適応は遺伝子がしているので、脳ではない。
・目でものを見ることはできるが、目自体は実感できるか。
◎自分で実感し易いものだけを実だととらえがちだが、
そうでないものも沢山あるのではないか
→見えて触れるところの想像力では「星の王子さま」は読めない。
・ヴィジョンの世界(=意識の前の世界)
Ex 読後感はどうだったか?
・大人になってから分かる本こそ、子供が読むといいんじゃないかな。
子供だから分かる世界というのは、本当は無いんだと思う。
・役を決めない、役振りの読み合わせ。
・色々分かりやすくて、ストーリーができていて、起承転結がハッキリしている
ものは、もう飽きてるんじゃないだろうか。
◎一人一人が王子さまで、社会という宇宙飛行士と話をしている。
・自分を探そうとした時は、自分の中側でしか探せない。
(=それが王子さまではないか)
・芸能とアーツの違い
・アーツは自分の人間探し
・社会的不安定より、自分の中の不安定の方が良くない。
・科学者もアーティストも、社会的制約からは逃れたいと思ってる。
・自分の自己をどこまで把握して、どこまで使うか。
そこに居ながら次元を変換できるか。ワープできるか。
◎自分に近づけて自分の感性で読むのではなく、自分の立ち位置を
見定めてそちら側に次元を変えて読むことができればこの本は読めるだろう。
・3人で「星の王子さま」を読む方法を考え出す。
・クリエイティブ
◆本日の磯貝語録
・自分に実感し易いものだけを実だととらえがちだが、
外の実の方が沢山あることをいつも実感してる必要あり。
◆本日の感想
・今までとちがった楽しい講座になるな!と感じました。
新しい感覚で(自分に今までになかった)読めたら
とても嬉しいし、楽しいですね。
セリフの発声レッスン(4/26)
[1]各自ストレッチ
・“これがいい”というのが分かってやるといい。
“これじゃない”よりも“これがいい”で動くこと。
・自分の中の音を聞くこと。自分は音が聞けない、と思わないように。
☆スクエアダンス
☆3T体操→四つ足歩行
・音を聞くというのは、もっと身体的なもの(ヒフ感覚と聴覚の同時現象)
・まず、人間の声は柔らかいこと(楽器で言えば弦楽器)
・コンニャクで彫刻を作る。コンニャクを立てる。自分の手で実際やってみる。
・自分の面白い事は自分で見つける。
[2]「星の王子さま」朗読 ~セリフへの道②
(1) 回し読み(3~)
(2) 3章を外を意識しないでいいから、自分で読んでみる。
・自分が読んでいて、毎回“なるほど”と思える読み方。
深読み、深掘りすると台詞は面白くなくなる。
ことば(文章)の皮ふ感で自分が納得するように勝手に読んでみる。
ただし、文はなるべく字のものを使う。
・これが楽しいということを見つける為には、自分が楽しいということを
見つけられないと読めない。本の何が面白いかを探すこととは違う。
“わざわざ読んだら”アウト
◎「自分が言ってるな」という実感が文章や台詞を動かす最初のヒント。
・自分以外の者で読むなら、絶対に自分だとバレないようにする。
(悪いことだってバレなきゃ悪いことだとは分からない)
(3) “魔女”というキャラクターで朗読してみる ⇒キャラクター化
⇒地を“八兵衛”でやってみる。
◎他人のキャラクターをつくるには想像を具体化→身体化しなくてはならない
・キャラクターをつくる時には必ず嘘が出る。
嘘をつき通すには条件付けがあった方がやり易い。
その条件はさっさと決めてしまうこと。
・どんな本でも、まず自分が読みながら感じられる様に読んでみる。
自分の言った台詞がそのまま本に書かれている様な。
・“素”をつくる癖がつくとちょっと厄介。
作った素ではなく、本来の自分で読める様に。
自分でも、役のキャラクターでもない素は極力さける。
・考えないで、すぐやる。気取ってると思われるぞ。まよってもダメ。
◎自分の地になった時に読み間違いや吃音が出るのは、
自分で捉えている地が違うんじゃないか。
もっと自分本来をつかまえ認めること。
・自分の地をよーく伸ばしてやって、それがそこにあるというのが安心のひとつ。
それが曲がったり、くしゃくしゃになってはイカん。
・普段が緊張状態の人もいる。そういう人は極度の緊張を超えると
自由になったりするが、その為に本来のニュートラルな地が作れないことが多い。
・自分を出していいんだぞ。その為に、自分本来の地(元)をつかんでいること。
・自分を隠すための道具に芝居がいい事を知ってる。これは正論ではない。
・天才は地でやれば芝居になる。
それ以外は地をひたすら肥やしてそこに役に下りてきてもらうしかない。
・地を隠したい。
でもその地もよく分かっていないから頭で考えてどっちつかずになる。
◎自分の地が分かるのは、独り静かにやるか、
大勢の前で平気で恥をかけるか、のどちらか。
・何にも考えないためにやる「3T」は自分の全てをクリーンにしてくれる。
◆本日の磯貝語録
・自分の“地”をつかむには、独り静かに黙々と“見付ける”か、
多勢の前で平気で恥をかき“つかむ”しかないだろう。
自分に行き着くとはどうも楽な事ではなさそうだ。
役者とはそういう仕事のようだ。
◆本日の感想
・自分の地でテキストを読む。ウーム思ったより難儀だ。
自分を実感できていれば自分に嘘をつかなくなる。
セリフが言えるようになるかも知れない。
セリフの発声レッスン(4/12)
[1]各自ストレッチ
・丸井の芸能部の話
・悪役になる話(ジャン・ギャバン、善ばかりだといつか悪に裏返る)
悪を知らなければ、善を塗り替える事ができないだろう。
・自分の事をいじめても何も良くならんぞ。
コンプレックスがあるお陰で生きてるが、そのせいでいじいじしてる。
資質は悪くないが、セコい⇒自分で自分を褒める事をする。
・歩行訓練⇒決して下を見ない
直(ちょく=真っ直ぐ)をつくる感覚。
・3T体操⇒決して目は閉じない。頭蓋骨を緩める。
・伸身⇒グラウンドで右手と左足、左手と右足を交互に伸ばす。
手と足で伸びる。手は手の平を上に向け手首を。
足はフレックスにしてかかとを伸ばす。
・2点(3点)間往復運動。
2点の場合は往復。3点の場合は三角の形で往復。
・“骨は伸びるし、骨は縮むし”
・膝小僧で体を解放する。
[2]テキスト「星の王子さま」倉橋由美子訳
・この講座の“セリフ”は舞台台詞にこだわらない。
☆回し読み
・読んでて楽しいかどうか?⇒何でもかんでもやる事を楽しめる人間になる事。
・原本を買って読んでみる(音読で)
◆本日の磯貝語録
・何でもないことに自ら意味を見出せるようになったなら、何でもできるようになる。
◆本日の感想
・毎回毎回新鮮です。自分は狭いといつも感じさせられる。
おもしろい、自分にとって贅沢な環境です。だから伸びます。