歌発声木曜講座(5/27)


歌発声木曜講座

「試唱会」

各自が講座以外に個人的に練習している1曲を歌い、講師から批評を受ける会だ。
今回のテーマはフリー。歌曲もあればアリアもある。
2回の伴奏合わせ(前回講座日と本番前)の後の試演である。
レパートリーを増やすこと、人前に出してみることを目的に年2回行っている。


【耳を澄ます】

自分が演奏している音楽を常に聴いていたい。
自分が楽器である声楽家は、自分の出している音や音楽をなかなか聴けないものだ。
むしろその声を出している状態を聴いて(感知して)いる。
もちろん楽曲性の高い曲を歌う時は、集中力のある身体と高度な知覚が目覚めていなくては歌えない。この“耳を澄ます”とは、これらの状態にあっても更に耳を澄ますべきである、ということだ。
当然伴奏者の音にも音楽にも耳を澄ますべきである。
と同時に、自分の声にもこれからやってくる音楽にも“耳を澄ます”ことが望まれ、当然あるべき姿なのである。

ことば発声レベルアップ講座(5/27)

 ことば発声レベルアップ講座

「日本語アクセントと発音」①

(1)音声的特徴としての高低変化(アクセント核による)
(2)地域差
(3)拍語等による形態
(4)サンプル語による演習

「日本語アクセントの高低変化こそ原初的身体知」
アクセントが変わると同字語の意味が逆転することは周知である。
自動発語している我々にとってアクセントは無意識範疇の出来事と言える。
但し、逆転されると「えっ、何?分からない」となる。
もちろんアクセントを自由に変えたり、増やしたりしては当然「ことば」は壊れる。
考えてみるに、日本語は音の高低、その置き所によるリズムで成り立っている。

日本語は「意味主体語」と思うフシが多いが、それどころか実に“音楽"だ。
音楽は音をルール化し、再現表現を試みた身体知だ。
ことばを文字化し、静止物とする嫌いのある現代社会では、固定化した概念(意味)を重要視する。そこにはアクセントは必要ないし、出現しない。ところが、ひとたび話し始めると、日本語はしっかり音楽なのだ。
それは意味性より、もっと根源の音楽としての身体知の世界が母のごとく横たわっている。日本語アクセントは母音でつけるしかないのだ。
高いも低いも流れるも、全て母音が歌うことで起こるのだ。

(次回は語句のアクセント表現から、文章の流れ(抑揚)へと進む。後半は日本の歌「和歌」へと進み、なぜ和歌が未だに多くの人に親しまれるのか、その必然を日本語の音、その音楽性から声を出し、身体実感してみたい。)

調音・活舌法講座(5/20)

2010年5月20日(木) 調音・活舌法講座

 「母音と舌使い -かまえ法」

[1]ストレッチングと体づくり(磯貝講師、以下全)
 (1)四足歩行
 (2)腕振りスクワット
 (3)下肢・腹背筋強化

[2]母音調音と舌運動
 (1)全ての母音は歯の内側にある。

 (2)5母音のちがい
  ①顎関節の開閉度
  ②口唇、表情筋の差位変化とうごき
  ③舌の形、位置の差とうごき
  ④息の高さの比

 (3)各人の口のサイズの各形態による計測と解説

 (4)伝える道具としての言葉
   母位の形態分類 イ)前、中、奥 ロ)上、下 ハ)巾広、狭

 (5)日本語母音を調音する
  )舌の運動性と機能(解剖学的に)
  )舌の形と舌のかまえ
  )オトガイということ


 「なぜ口のサイズを計るか」

①口唇を左右にひらき口角と口角の巾を○cmと計る。
②後頸をしっかり固定し思いきり下顎尖端(オトガイ)を下にさげ、人中とのキョリを計る。
③顔を横から見、下顎前歯茎部から下顎角(下あごの角)までのキョリを計測する。
④開口し、下顎最奥歯(左右8番目)の左右巾を計る。


◆私達は時折口の中を鏡で視ることはある。しかし成人したいま、それがどのくらいのサイズかを知らない。それでも生きて行けるし、喋る事は勿論出来る。しかしひとたび自分の言葉や声のひびきを少しでも変更しようとするなら、その寸法(サイズ)を知り、どのくらいの大きさかを理解することは重要な事である。人の声は声帯の作音能力と息の強さや持続力(呼吸のささえ力)に影響されるが、声帯で作られた声が、言葉になる工場、それは今計測した口腔の形や大きさにより、出来てくる製品は異なってくる。考えてみれば当たり前のことである。もう一度確認するが言葉は口腔と鼻腔で、口唇と舌により生成される。こう考えると、自分の口腔の大きさを知ることは言葉改善のスタートであると云える。この後にはじめて「舌」をどのように機能させるか「活舌」の具体的方法に入って行く。

ことば発声レベルアップ講座(5/13)

2010年5月13日(木) ことば発声レベルアップ講座

「日本語の形と特徴-語、句、節、文」

[1]ストレッチと体づくり(磯貝講師、以下全)

[2]言葉(Voice)を考える
・書き言葉(文学言語/letter):形式、サイン、残る、平面、知覚的、他
・話し言葉(音声言語/voice):身体的、感覚情動的、消える、音響、他

[3]「話し言葉と書き言葉」の実際(演習と討論)-別紙プリントによる
 (1)あいさつ(三種)
 (2)ほめ言葉(三種)
 (3)さいそく詞(二種)
 (4)お願い(二種)
 (5)説明(一種)
 話し言葉として各人、各題について発表。それについて批評。

〈批評〉例
・話しことばそのものがのっかっている大きなエネルギー態がある。
・Voiceからくる心のゆらぎが話者、聴者共にある。
・話しことばは文字化出来ない多くのものでささえられている。
・多くの語や文を知っているかどうかで話が豊かになる。


  「声は心を表わす道具」

話し言葉は否応なしに話者の心が表われる。
その言葉の意味にまで話す人の心(意味合い)が現われる。

例えば“イヤダ”という一言も、その強さ、個さ、高さ、スピード、
アクセント等 ごくわずかな要因のちがいで聴く人は話す人の
心のちがい(意識や感情と言う場合がある)を聴き取り、
自身の心も変化をおこしている。

同じ事を文字で表わすと、その文字の前後関係から、
これこれこういう意味合いであろうと想像理解している。
それを通し読者の精神的想像力で心を想起している。

一方声ことばは、そのものでダイレクトでウソはない。
声というものの能力で、その言葉の意味と共に心が付与されている。
当然聞く人に意味と心を同時に聴きとっている。
声無し言葉(文学言語)は人の生の心は表わさず、
概念や観念を細分表現していると言えよう。

声は心を現わす道具である。

それどころか、声は心である。

声の呼吸法講座(5/11)

講座テーマ「呼吸の生理学:仕組みとその働き」

[1]ウォーミングアップ(磯貝塾長)
息をとめない、首の後ろに力をためない
(1)座位で前屈、仙骨を伸ばす、反って背骨を伸ばす、手を床伝いに
 移動してひねる。
 片膝を折って、伸ばした膝をしめて足首をたてる、膝を折って身体をひねる。
(2)正座して前に手をつき、肘・手首を伸ばす、背筋を伸ばし、丸め、さらに
 のばす、手首を返して回復運動。
 呼吸は全身の筋肉を使う。しゃべっているときの呼吸に意識を多く向ける。
(3)立位で手を組んで上でのばす。耳より腕がうしろに、そのままひねる。
 そ径部をうごかす。坐骨を使って、ひざ、もも、足首、そ径部の意識をつける
 →丹田
(4)開脚は呼吸法のためには90度ひらけばよい。
 手をつかって上半身をあげ腰をたてる。
 もも、足首をゆらし、まわす。足の裏をあわせてひざをゆらす(座位)
(5)四つ足で歩く、膝をひらく、ガニ股、肘を曲げる→全身呼吸ができる。
 全身で動いて、全身で呼吸する。散らずに満ちた身体を実感する。

[2]講座「呼吸の生理学-仕組み、働き」
(磯貝メソッドテキストP.7⑦呼吸システム[2]生理学的解説 呼吸器官)
・無意識の呼吸を意識的に行い、呼吸機能を高める。
・自分と他者とのちがいを知って、改善につなげること。
・相手に伝わるように投げる時、無駄な動きが少ないほうがいい(興奮など)

◎自分でないものをつくりだすための表現。
 自分を出すのは表出(違いを理解する)

・ナレーター、レポーターも歌を歌えないといけない。
 音楽表現力を求められる+ダンス
・声をどのように磨くかがプロとして生き残れるかにかかっている。

◎声の力、ことばの力を高め、道具として使って表現する(体力、精神力、能力)
 裸一貫で生きていく。ことばの体力をつける。どういうことか?(←考える力)

◎「ことばの体力」しっかりした声、はっきりした言葉、明確な内容、
 生き生きしている力。

◎「声の体力」呼吸力、肺活量、溜める力、吐く力、声帯の強さ、ひびく力
(力のあるやつしか生き残れない、今できている人はその前の準備がある)

・お金を稼ぎたかったら、経済を知ること、融資を受ける、お金をまわす他

 声のための呼気、呼気のための吸気、健康法は吸気重視

◎入れ方があって、出し方がある。出し方が表現になる。

◎理屈でなく、身体でおぼえる

「舞台俳優になるための条件」①②(テキスト)
・300人に伝えるためのエネルギー、精神状態を作り出す呼吸、体力
・呼吸量をふやす、体力をつける、肺活量、呼吸を止める訓練
・その場で、必要な状態を作り出せる訓練

◎吸気:短く必要量を、呼気:長く、吐かないように

次回「声のための呼吸法」について理解していることを箇条書きにして
提出すること

◆本日の磯貝語録
・生きるためにも、声仕事のためにも、呼吸機能を高めよう。
・全身で呼吸して、全身で動いて、全身で表現する。
・「声の体力」「ことばの体力」をつけ心身共に健全になる。

◆本日の感想
 身の回りで起きている事(たとえば、養成所内で日頃接する光景)が、
 先の無いその場用のものとして紹介され、納得できるので恥ずかしいし、
 何だか腹が立って来ました。ここでは基礎をしっかり学びます。

表現の声とことば(5/9)

講座テーマ「キャラクターの声とことば 2」

1. ストレッチ 各自
(1) 踏み足

2. 白雪姫
(1) ビデオ鑑賞(ディズニー・白雪姫)

・どこまでキャラクターに対応できるか。
・あなたをやらない。どこまでがキャラクターか。
・極端な例・・・七人の小人、擬人化されたもの、ピノキオ、ダンボなど。
・大人もの・・・「ウィンザーの陽気な女房たち」で、フォールスタッフが
おばあさんに化けたときの声は、どうするか?

⇒現在は、下手なものが多い。変につくっている。
キャラクターの生々しさが出てこない。

(2) キャラクターをどう理解して、処理するか。

・日本の演劇学校では教えない。歌舞伎は型がある、だからできる。
型のないものをつくるというのは苦労する。

◎まず、考えること・・・自分と役との間
① 女王様
② 鏡
③ 家来
④ 姫
⑤ 王子
⑥ 小鳥たち・・・動物たち
⑦ 七人の小人
・ やってみたいか?やれそうか?

◎ 女王様をやりたくない理由。
資質があわない、どうしていいかわからない、やりすぎてしまう、
役回りが大きくなりすぎるのが好みでないetc
◎ やれる理由
やってみたい人・・・自分とかけ離れているのでやってみたい
(悪い奴をやってみたい、悪にひかれた)、
おもしろいキャラクター、あの美の追求の強さ、まっすぐさ、工夫のしがいがある、
キャラクターがはっきりしている。
やる(できる)人・・・自分が演っている時のイメージが湧いた。

・ 役と近い人を配役するというのは、無難だが、つまらない。
◎ 女王と自分が近いからやりたいという人・・・1人
女王とかけ離れているからやりたい人・・・5人

◎ 私とキャラクターと何が近くて、何が遠いか(親近感)をとっていないとダメ。

◎ やりたくない役は?
小人2人、女王1人、姫3人、家来2人、王子2人など。

・ なぜやりたくないのか。
ピンとこなかった。
興味がない。
キャラクターが強烈でつくりあがってしまっているので、やりすぎてしまう
(女王、でもやれそう)。
特徴をつかみにくい。
キャラが近いから引っ張りこんでしまい、つまらなくなりそう。
他と比べると魅力がない(でも、やれそう)。
好きなキャラクターではない。
今まで姫の役が多かったのでやりたくない。
自分のキャラクターにない。
パターン化されたイメージを乗り越えられない。など。

・ 自分のやりたい役をさせてもらえない。
自分の感じる(自分・役)と、外から見たものの誤差。
・ まず、その役は、好きか?無条件で、演ずるときに。
・ どこが好き、どこが嫌いを本来的に選別する。
最初は好き嫌い。その上に条件を乗せる。
・ 何だか分からなくてやるは、ダメ。
・ 条件を考えてやるも、ダメ→理屈っぽい芝居になる。

(3) 自分を知る(自己分析を行う)
a.自分らしいって何?
・思考
・行動(仕草)  → それぞれ、3~4つを書き出し、発表。
・癖

・ 外に出して生きているということが分からないと認められない。
そこにつくり出すことができるか。あるかどうか。
やってしまわないといけない。役に飛び込んで、それになる。

(4) セリフをつかったキャラクターづくり

テキスト「私の養子になるのは、誰だい。」を指定キャラクターで言い分けてみる。
・ キャラクターをやる場合、何でやるのか→それで出す→それの変化でできる。

≪キャラクター設定≫
① 大きな大きな象
② スタイルの良い馬
③ くさい、太った豚

→声は身体。そのままではやりにくい。身体性から入るほうがやりやすい。
「つもり」が一番ダメ。
架空のイメージはダメ→具体的にならないとダメ。そこまで追い込む。

④ こちょこちょごきぶり
⑤ ピカピカ ゴロゴロ雷
⑥ 人を滅ぼす悪魔

・ この中から、やったという実感のあるものを2つ選ぶ→「試演」
・ やりにくかったものは?各自感想
雷(イメージと、ギャップの差が大きかった。)
象・ゴキブリ(キャラクターが掴みにくい。)(嫌い)
悪魔(キャラクターにあう声がつくれなかった。)
馬(かっこいいだけになってしまった。)
・ 違和感、ぴったり感はあったか?
・ 照れくさかったものは?(悪魔、全部)
・ やりながらこどもっぽいと思ったか。
・ どうしたらいいか分からない。(ゴキブリの動き、また声など。
見たことがあまりないのでイメージがつくれない。雷は、身体が分からない。)
・ 雷→バカらしいと感じた。形をつくってやったのでおもしろくなかった。

・ うまくいかなかった。何が?
ゴキブリ・・・頭でやってしまった。
豚・・・声が違うと思って、動けなかった。
・ 練習と違うことをして、本番やってみたら違ってしまった。
<練習のときにやったものはできる!そういう練習をしないとダメ。>
・ ヘッドワークはいらない。
・ 役に飛び込むために邪魔しているものをみつける。
・ できるもの、できないものがある。
→これは逃げ口上。枠を超えたらなんでもできる。
・ 試演で感じたこと。→客に見せるという意識がない。
・ 「これ」という作品を見せている。それが金になる。そう思ってやっていないときは、
自分に固執している。
・ デザインがあればわかる。そのためには「ネタ」が必要。
◎ 自分を金がとれる作品にする。


◆ 本日の磯貝語録
社会に流通している“キャラ”は、各々使う人によって、少しずつ違う。
何となく全てに、通じるものもある。キャラという概念を社会が変えようとしている。
でも、演じ手は、もっとシャープに分かっていないと、振り回されて終わってしまう。

◆ 本日の感想
久し振りに踏み足をした。下半身のバネ、左右差の問題を改めて実感しました。
キャラクターでは悪魔役をしたいけど、悪魔の身体化が難しい。
しかし自分は出来ると思いました。