声の呼吸法講座(3/8)

講座テーマ「まとめ」

[1]ウォーミングアップ

(1) 四股。股割り。骨盤と股関節とそのまわりの筋肉を調える。
 芸事と普段の生活を折り合いをつけてやる。壊さない。
◎自分の身体を知る。自分の機能を知る。はたらきを知る。
 身体は柔軟でなくてもよい、が硬いと損。
・声と身体を使う(外側よりも中身が大事。芯をきたえる。皮膚感覚)。
◎いろいろなものに適合できるような芯をつくる。芯を知る。
 だんだん居所、すわりのいい姿勢がわかってくる。

(2) 使ったら、元に戻す。反対に動かす(回復運動)
・仰向けでひねる。伸びている足首をのばしたり、まげたり。
・両足をのばして股関節をゆする左右に、上下に。
・両足をかかえる。膝をひらく。背中、首の力を抜く。
・両足をのばして背中がべったりつくように身体をつかう。首はしめない。
・腹筋だけを使わないで腹筋運動を行う。
・腕をバンザイして体側、脇の下をのばす。
・脚を半伸ばしにして股関節をゆるめる。
 頭に血が上るようにではなく、落ち着くようなウォーミングアップをする。
・座骨を意識する。
◎しゃべり方が悪いのは発声が、発声が悪いのは呼吸が原因のことが多い。
 いい声が出る状態になる方法をみつける。
◎自分が納得し、他人にも通じることを考える。

<個人テーマ練習>
Aさん 歩く
Bさん ハミング。ピアノで出している音をみつける。弾いた音と同じ強さで出す。
    鳴りよりもひびきをきく。強すぎず弱すぎずをみつける。音かえる。
Cさん 5年目。一回きらいになって最近本気で好きになった。
Dさん 自分に合った声をみつけたい。あご、歯列、舌・鼻、のどはいい。
Cさん 首・肩・手のしびれ。じっとしていられない。ロングトーンをするとよい。

[2]講義と演習「身体・気・心・語気テキスト」腹と思いと考えと感情
(1) まず、そのまま読む。今の自分で読む。次に各々の気で言い分ける。
(2) 気の状態を自分の身体でつくる。
(3) 腹で考える。腹をこする。腹をあたためる。手が赤くなるくらい、両手でやる。
(わからなかったらきく、きいてわからなかったらやってもらう)
◎末梢まで気を行き渡らせる。

Ex-1:臍の上と下に手を当てて、ことばをきく。声を出さないで「小林一茶」
・感じやすい方の手がある。その手から声を出す。あるいはその手に向かって
 つもりでなく身体の実感がある。

◎感情は最初に腹に起こり、それから頭にいき、各身体に指令がいく。
・頭の理解を腹に送り返す。
→テキストをしみつかせる(100回音読する。100回書く)早く頭に入れる。
◎気の条件を身体に、腹に、小腸におこす。
・言葉の記憶は前頭葉に、情報として入れる。脳幹の情動にしない。

◎<情念芝居>大げさ、くさいのは、江戸時代からの日本人の特有のもの。
 声に出さなくても息がおこる。喉がうごく言葉をつくる。
 腹は別の作業で状態をつくる。(感情移入はない)
Dさん 腎臓を温める。背中の下がかたい。そこで感情をつくる。
・楽しむ、苦しまない、「悲しむ」ことが楽しい身体の状態をつかむ。
 暑さ、寒さもまず小腸にくる。

◎知(大脳前頭葉)・情(脳幹)・意(前2つを統合する脳)
 その部位が生理的に反応する。3つを分離できる。
 いい役者を見て、受けて、感じて、反応して、わかることがある。
 現在は役者でなく、演出家がやっている演劇が多い。だからつまらない。
 さらに演出家が演出でなく、自分をやりたがる。
 うまい役者がいれば、演出家は何もしなくてよい。
◎気・感情・腹(肚)を自分でみつける。言葉はそれから。
・身体でやる。頭でやるといいことない。
 呼吸運動を全身でやる。瞬間やる。ひたらない。頭はちがうことをやる。
 腹で字が読めれば、繰り返しやれば感情は湧いてくる。
・本来の「思・想」は長い時間のもの。今のは瞬間のひらめき、頭の
 今思ってもその演技はできない。
 鼻から吸う。吐き出さずに出す。ささえて出す。
◎わかったあとで技術が身に付く。技術とは整えること。
◎技術(technique)と操作(operation)はちがう。
 テレビは実(体)でなく虚を楽しんでる。
 自分はどうするのか、どうしたいのか次第である。
 実があって真があると、みんな見に来るのではないか。
・今は虚が多い。虚を実と思っていることがある。
 でも人間の実(排泄とか)は変わらない。
◎自分の中に真実をみつけることからはじめる(真の実)。
 それを外側と技術でつなげる。
・真に納得したものは外にも通じる。
◎「これだ」という自分の実感をひとつずつ積み上げる、それが自信になる。
 道には先があり、尻尾もある。ずっと続いているものにのっかっている。
 道のある「芸」をやろう!



◆本日の磯貝語録
なし

◆本日の感想
 講師の話が分るようになって来た。次に実感を手にしたい。
 この1年で、理解した事、気付いた課題をしっかりこなしてゆきます。

ことば「活舌」改善講座(3/1)

〔1〕ストレッチ
・ほぐす…3T運動「止めない、閉じない、溜めない」
・ビニールの袋に水が入っていて移動するように、アクビの後のような状態。
アゴがゆるむ。あくびをたくさんする。
・関節主体から筋肉主体にしてやる。
・腰→仙骨→仙骨まわりの筋肉→腹筋→肋骨(前・横・後)、
 直立して落ち着かせる。

〔2〕呼吸と支えの確認
・床座位、足裏をあわせて前屈。(体重を床のほうへのせるように)
 鼠径部に体重をのせて、鼻から息をすって吐く(風船を膨らますように)、
 ラクになるように吐く。
・手は後ろ。鼠径部を押し出すように息を吸い、自分のペースで吐く。
・足を前へ出して伸ばし、体をゆすってほぐす。

(1)腹式呼吸
・内臓の上下によって横隔膜を上下させて呼吸する。
・鼻から吸う。腹腔の一番下は鼠径部、
 そこを使って横隔膜を上下させる。→腹式呼吸

(2)呼吸と支えの演習
①下丹田のささえと腹式呼吸
EX‐丹田の位置確認。(おへそから指3本下)→下丹田
・指でまず押す(押し込む)→痛いと思ったら筋肉で指を押し返す。
 それを何度かやってみる。
・イスを使って、同様にやってみる。おなか、脚を使って同様にやってみる。
②腹直筋…(物を持ち上げるときに使う)
腹直筋のみでなく、腹直筋がうまく参加すると良い。
EX‐次に丹田の出し入れを自発的にやる(丹田の運動)
・呼吸を連動させて、出し入れをしてみる。《丹田呼吸》
・丹田を使うとたくさん出し入れができる。呼吸量が増えるので、
 強い声を出したい時に使える。
EX‐おへそを使って、呼吸の練習、「ア」「オ」を短く発声。
・入る分量が減り、呼吸がはやくなる。
EX‐鳩尾を押し込んで、ゆるめる。(指を使って押し込み) 
・押し込むときに鼻で吸いゆるめる。
 何度がやって、次は指を使わず自発的にやる《横隔膜呼吸》
・緊張させようとするときに使う、歌や喋りなどでたくさん使う。
・呼吸量は丹田呼吸よりも少ない。《胸式呼吸》とも言われる。
・胸式呼吸は、階段をかけあがる時、高熱の時等に行う
(気管支のあたり、高いところ)

②上腹筋を使った上丹田ささえ法での発音「ア」音。
EX‐おへそと鳩尾の中間(胃のポジション)で指を押し込み、上腹筋で外に押し出す。
・その時、下腹(鼠径部)は内側に引っ込む。
・鼠径部、恥骨を下の支えとして、上部をつくる。
◎意識は頭の先行認識、非行動。意志は身体の先行認識と反応と行動。
 意識(頭)→意志(身体)→おなかに出る。意志を重たくするなら鼠径部まで落とす。
 上ってくると態度が変わる。
・磯貝先生のをさわってみる→個人でやってみる。
Aさん→ノドとお腹が一致していない。もれている、タイミングがあうと鳴る。
Bさん→下腹が主体になっている。胸のあたりでやる感じ。
Cさん→だんだん息が多くなってしまった。
・「あ」という意志が強いと息が多くなる。
・発声のための呼吸法をやる。そのためにお腹をたくさん使う準備はする。
 でも、声を出すときは忘れる。
・「みれんがあってはダメ」…反省会ばかりしていると「あ」ではなく
 反省をやってしまう。
◎意識が勝っていると意志の発動は少ない。
・結果を意識する。そのためのプロセスはたくさんする。
Dさん→しっかりと座る。自分に暗示をかける「全部でやるぞ」。
・「あ」を言っている時に、違う音が入る。
・どんな「あ」の意識ですか。意志になっていないとダメ。
 答えを掴んでいないと、言葉はうまくならない。
・下のほうまで使ってしまっている。
◎余分なことをしたがるが、いろいろ意味が広がってしまっても
 1つにまとめることが出来るのが力。
→頭で考えることではない。意識や意志は感覚。集中力が欲しいナ。
Eさん→もう少し遠くに「あ」がある。
・口のあき方が消極的、奥を開ける。
・「あ」の音を想定して、その音を出そうとする。
・ノドで止めない、カラスになってやる。
・イイ音だ、おもしろいと思えたら上手くなる。
・失敗しないようにやっている。
・音声を決めるのは、思い切りが必要。未練があってはダメ。思い切りが大切。

◎感覚が育つことが声が育つということ。
・身体全体が感覚器官。どこかが響いている。
・音声は体のなかで動いている。動いた先のところの音がでる。
 失敗したら相手にうまく伝わらない。
 しかしちゃんと出しているのに出したものが分からないのは鈍感か、ひねくれた人。
◎内部の感情で聞いていたら正しく理解できない。(受け手の問題)。
・外側に出ていたら客観的に受け止めることが出来る。
◎身体の緊張が少ない時、相手に同調できる。受けることができる。
EX‐上丹田を前へ出して「イ・エ・ア・オ・ウ」と言ってみる。
・有声音の確認のため、喉を指で触って発音する。
EX‐「イ・イ・エ・エ・ア・ア・オ・オ・ウ・ウ」母音二点打ちのささえと響き。

◎どんな感じですか?
Aさん→前とは違う、はっきりした。
・上丹田で支える(背中、脚、胸の筋肉に参加してもらう。)

◎出すと同時に聞く 例‐「イ・イ・エ・エ・ア・ア・オ・オ・ウ・ウ」
こめかみのあたりで聞く…上丹田からノドを通ってY字に分かれる。
そこで聞くと聞ける。
Cさん→良くなった。やりはじめると縮まる。薄皮をはぐように少しずつやっていく。
そういうものだと分かったほうが良い。和やかでいるほうが声になる。
Dさん→唇の音を聞いていた。(磯貝)
アゴで「ウ」といわない、鼻を使う。鼻を響かせていると通ってくる。使わないと閉じる。
◎自分に対して怒る、眉間のあたりで怒る。
Aさん→響きが高くなった。意識がこめかみのあたりにあるように。
こめかみ…耳の穴のまっすぐ上、眼球の真ん中。

◎胸から上、そこを支えるのが上丹田の支え。
・歌舞伎で「よっ」という声は丹田を使った声。聞いている人が同調できる。
 上丹田の支えはそれよりは軽い。
Bさん→「ウ」がマズイ。歯のなかがわで唇を使わない。周りに向かって出そうとしない。
自分に向かって怒る、鼻を開ける。
Cさん→大きな声はいらないが、鳴った音が欲しい。しかし、うまくいかないとひ弱に
なる。合わせるという練習(声帯をあわせる)。
・参拝しているように手を合わせながら言っている。
・口で伝えようとするとうまくいかない。

例‐3点打ちで「イ・イ・イ・エ・エ・エ・・・・・」
・リッセトして戻す→勘でやる。
・全員でやって、各人で順番に。

Aさん→腰で支えて抜かない。やっていて、楽になるようにやる。
・高い声でやってみる。自分の可能性を広げる。
・出来ると嬉しい。安定したところだけでは広がらない。
Dさん→ダメなときは首をふっている。余計なことはしない。
・間違ってはいけないと思ってやらない。正々堂々と間違える。
Cさん→高めの声でやってみる。少しそっくり返る。
・顔も上げる、明るい声になった。音を高くして全員でやる。
 上丹田で支える、抜かない。
・あなたの持っている音は、みんなも持っている。沈んだ声は相手も沈ませる。
上っている人生をしたい、その声を出す。
Fさん→高い音でやる。お面をかぶっているように。目ではなく眉間でやる。

◎無意識でも反射的に働いてくれるように腹部の練習はする。支えの練習もする。
・いつものところでしゃべってしまうが、そうでないところで喋ること。
経験すること、いろいろな声が出る。音感五感を育てる。
・人の声を声として聞く。意味しか聞かないとつまらない。
人の声を音楽だと思って聞くと新しい世界が広がる。
すると音を出してみようかとなる。歌もすぐ歌える。

◎活舌は声が出てこないと改善しにくい。

◎有声音(息が声になっている):喉頭を指で触り、振動している時の声。
 母音は全て有声音で、喉実感ある語音で情感、生命感がある声。
・頭で考えたことがことばをつかまえる(これは50%しかあっていない)。
 身体が内容を引っ張り出す。
 生きている全部が身体感→実感としてとらえることが出来る。
 相手によって反応が変わる。それは身体だから、頭ではない。
・頭が先行すると、身体が固まって声が出にくい。
・出口の一番最初は声である。声が言葉を作り出す。
・声がことばをつくっている。声が脳からひきずり出す。
・寒いという声にすると寒くなる。
・声の出るしくみ、声がなにをしてくるか。
 →考えたことをことばにしたい時、すでにことばはある。
・頭や心や気持ちが先行して声を出すなら、声は出てこない。
・ことばをみつけるのではなく、声をみつける。適切な場所から出てくる。
・思い、考えが先行するのではない。
・納得して身体におろすのでは遅い。今のその身体では違うことをしてしまう。
・自分が声を出すことで「あ」と感じる。

◎下丹田(低い)‐上丹田(意志・ことば・高い) 支え二ヶ所。

◆本日の磯貝語録
人は無意識で反射的行動が先行しうまく行く事を好み、自由と感じる。
新たに意識が生じると、それを行おうと意志が発動する。
意識は頭脳行動が主で、意志は身体行動が主である。

◆本日の感想
受講中、身体が生き生きと伸びをし、精神が楽になりました。
3T運動、2つの丹田とささえ、声が音を引き出し、音が言葉を引き出す、
ということが頭と身体で実感できてとても満足しました。アー、スッキリ!!