2014年2月18日レッスンデータメモ「声ことば初級」講座
担当講師 磯貝靖洋
講座テーマ「通る声・届く声の発声法―強い声・弱い声―」
[1]準備体操
長座…膝をゆるめて開き、足裏を合わせ、手は足を持ち、前にお辞儀
前に深めに倒す。仙骨をゴニョゴニョ動かす。
呼吸、鼻から吸って口から吐く。徐々に深く倒す。
首、肩の力を抜くように、お辞儀を深くしていく。
○吐きながら遠くへ倒し、吸いながら上体を起こす。
○ほぐして回復運動
後期高齢者になった時、股関節が固いと骨折しやすい
首、肩に力が入る人は、自分ではあまり自覚がない。
筋肉を使うこと。特に関節を良く動かすこと。
[2]呼吸法ー腰方形筋による呼吸法
強い声のための呼吸…横隔膜のコントロール
(1)後方腰部…腰方形筋を外側に張り出すように息を入れ、
吐くことで、大きく動かす。
Ex―先ずは、長座、足を楽に前に出して、息を出し入れする。
上体は、少し前傾。
回復運動…膝を曲げて片方ずつ捻じる。
ヨガの猫のポーズ、腰伸ばし。
正座ー右手を左側に置き、上体を捻じる。反対にも捻じる
椅子座位…両手を後手に組み、胸を開く。
(2)腰部呼吸法、実演…肩幅くらいに足を開く、腰形形筋を両手で確認。
(側腹筋呼吸) しっかり触れて、呼吸で押し返すようにする。
そのまま、左右に上体を倒してみる。
↓ (筋肉の動きを確認)
(スキューバダイビングの時の呼吸法)
○腰法形筋の出し入れで、内臓が良く動き横隔膜の動きも活発にする。
→側腹呼吸ともいう。
◎腹式呼吸よりも、呼吸量は少ないが瞬発力のある呼吸ができる。
⇒強い声、発声の呼吸
腹式呼吸は、エネルギーが高すぎる…原則低い声
腰法形筋呼吸は、落ち着いて気持ちが良い。
高い声も出しやすい。→背面を使用
首を柔軟にし、息を吸うと、穏やかな声が出る。
○側腹呼吸―すばやく息が吸える。
◎〈腰方形筋を意識するには?〉股関節をゆるめる(片足を腿に乗せる)
骨盤を回すように腰方形筋をほぐす
腰方形筋に力が入ると便秘になる。
前面の側腹(腰方形筋の対面位置)
腰の状態が良い時は、顔の表情も穏やかで良い顔
慌て者は、鼻が良くない(つまっているケースが多い)
○腹部―臍を中心に上部、下部とする。
Ex―『腹もみ』…下部、鼠径部からもみほぐす―あがりの解消
上腹は、胃や肝臓を刺激するので強くしない。
手の平で穏やかに優しく動かす。
上腹筋呼吸…歌舞伎の強い声などで使う。
腹もみで動かす筋肉の延長に腰方形筋がある。
○腰方形筋…鼻から息を吸い込んで、引っ込める、吐いて戻す。
回復―片足を反対の膝にかけ捻じる。
横隔膜の上げ下げをする。
○腹式呼吸…腸を動かす。腸の動きが悪くなる、腸の外側の脂が
たまってしまう。
◎声を出す…上手く出て、いい声で出す。様々な呼吸が自由にできる。
笛は一つ。使い方で多彩な声が出せる。
*受講生Sさんへー
自分の身体を知る。人はそれぞれ癖がある。それを知り
変えていくことで。良いものになっていく。
◎自分の身体の動きの特徴を、クセを時間をかけて知っていく。
呼吸→声→言葉→生きていくこと
すべてつながっている。呼吸が基本となる。
頭とその下の部分は違う。
自分のクセ、身体のクセを知ること。そのクセがその人にとって
ベターか否かを考えてみる。
◎Ex―「手の平」を一時間に一回くらい観察し変化を確認。
自分も違う、他人も違う。人間は時々刻々違っている。
受講生Oさんへ―
「自分がどんな声でしゃべっているか、良く聴くこと」
今出した声を聴く。しゃべりながら聴く
自分の声を聴くには、人の声も聴けなければならない。
音に意味があるので、しっかり聴こうとすること。
音を聴こうとすると意識が覚醒する。
言葉は、音である。〈自分の声を聴く〉
Iさんへー
子供っぽい。→〈大人のしゃべり方にしよう〉
自分の声をあまり聴いていない。しゃべり声が不鮮明
歩き方もキチンとしなければ、声も変わらない。
◎中心を持つ事。「言葉を横に広げない」
思考が前に進んでいない。思っているより真面目で重くなってしまう。
ゆるい環境で育ってきたのだろう。
◎発語を鍛える。
Fさんへー
発声不全≪シャープさが足りない≫
どこでも自分らしさを出せるかどうか、シャープに!
本当の自分を確立すること。
出した音を、ちゃんと聴いていない。
こんな音を出したいという音にスパッと定めて声を出せていない。
シャープであること。
直線ばかりでなく、きれいな球体、美しい形、ラインをつくれること。
垂直、水平をつくっていくこと。
どうすればいいかまで考えることはないが、目指す目標があると
意識においておくこと
◎垂直感覚、水平感覚を身につけること。
◆本日の磯貝語録
「呼吸は基本、声、ことば、いきることとすべてに関わっていく。」
「自分のクセ、自分の身体、声のクセを知ること。」
◆本日の感想
腰方形筋を使い呼吸することを知りました。まず、腰方形筋が風船のように
動くのに驚き、使い方で声が変わるのが信じられない気持でした。
「声を聴く」ことをやり、人間変わるなあと思いました。
2014/02/18 (Tue) 19:30
2014年2月18日レッスンデータメモ「声ことば初級」講座
2014/02/04 (Tue) 19:30
2014年 2月 4日(火)声ことば初級講座
2014年 2月 4日(火)声ことば初級講座
講座テーマ「通る声・届く声の発声法」
[1]ストレッチ
・手を組んで回す→前に突っ張って背中を丸める→腕ひしぎ(顔と腕の向きを逆に)
・腕と腰を使って肩をほぐす→ロールダウン&アップ(重心を変える。坐骨を動かして工夫)
・ロールダウンから手を床について、重心前後移動→そのまま腰を下ろして床へ。
・床:鼡径部を押しつぶすように前屈。
足を前に投げ出した状態で坐骨をゴリゴリ。
(回復運動)
※頭と腰、そして手の関係→現代は動きはおろか、考える事まで腰が担うようになった。
(腰⇒骨盤)
【「知っている」ということと「分かる」ということが同居しているのが腰だと思え。】
思うのは脳の仕事。実感するのは身体の仕事。
☆腰まわりの可動性が高まると、できることが増える。幅が出る。
☆足と骨盤は、乳鉢のような関係・
・床の続き:足を前に伸ばして(鼡径部を緩めて)前屈、両足首を持ってさらに前屈。
手を後ろに着いて卍の形(股間を陥没させずに反るぐらいに)
[2]丹田運動(床面座位)
・丹田の出し入れ(分からなければ、1円玉を貼り付けるなど無理にでも意識。)
・椅子座位→坐骨が分かる座り方。頭を動かさずに骨盤を揺さぶる。
☆呼吸というのは上半身の出来事だ(決して口とその周りだけではない)
☆聞いた人間が分かるようにするのが言葉。
→文字と音声は同じ。
→わたくしが判断する事ではない。
[3]ことばで人に伝えるための(他人に通ずることばが出せるための)呼吸法
☆健康のための呼吸法ではない。
・「あした」という単語を使って練習する。
→出すことに夢中になってる=人に聞かせる言葉ではない。
やっているうちに疲れてくる。その先まで乗り越えていく。
Q.自分の(出した)音を聴けるか、聴けないか?
A.何度も発している言葉は何となく聴けているかも。
→“聴く”と“チェックする”は違う。(ex.セリフの出来をチェックする)
実は音声にのみ意味がある。
つもりや想いが他人に伝わっているか否かは音声次第。
[4]呼吸と発声
☆人が情動で納得するには、多くの音声の種類が必要。
☆音は響きがあるから聞こえる。ことばの意味を“響き”で作る。
自身の振動が強いものは聴こえにくい(ex.地声)
繊細なものの方が聴こえやすい(ex.ハミング)
→実感するための方法としてのハミング。その獲得のためのトレーニング。
①音を長くする。(話し言葉は全て短い。音を流し続けてみる。)
②鼻三味線。どんどん音を変える。高くしていく。
③ハミング。首筋と鼻の三角形を意識して(使って)出す。
→音が高くなると、響きの位置が変わってくる。
☆この言葉が、相手に通ずるのか否かという問いを常に持っておく。
→技術的な事はその後。この前提がなければ、伝わらない、表現できない。
稽古場で生まれたものを客に伝えるのが役者の仕事。
それは稽古場と同じことを舞台上でする、ということではない。
想像力というスパイス。
☆地声というのはなかなか通らない。(但し、“地声”の定義は人は分野でブレる)
→地声=鼻が閉まった状態での母音5音→思ったより小さな音のはず。
※戯曲中の言葉を感覚に置き換え、役柄をヴァイオリンで表現したフランス人女優の話。
※自分の考えていることを照らす鏡が必要。自分にとってのそれを見つけ出す。
☆人間は全部「型」で生きている。(ということをまず決める。自由放任ではダメ。)
「型」を声で作る。
自分自身の納得や(ちっぽけな)経験は排除する。さもなくば伝わらない。
【ハミングひとつできないで、芝居をやろうだなんて図々しいことを考えるな】
◆本日の磯貝語録
思うのは脳の仕事。実感するのは身体の仕事。
◆本日の感想
・声の幅はハミングの響きだということが納得できた。
・ハミングをやっていいんだということがわかった。
・台本を読む時、ハミングと地声でやってみるという方法論が新鮮だった。
講座テーマ「通る声・届く声の発声法」
[1]ストレッチ
・手を組んで回す→前に突っ張って背中を丸める→腕ひしぎ(顔と腕の向きを逆に)
・腕と腰を使って肩をほぐす→ロールダウン&アップ(重心を変える。坐骨を動かして工夫)
・ロールダウンから手を床について、重心前後移動→そのまま腰を下ろして床へ。
・床:鼡径部を押しつぶすように前屈。
足を前に投げ出した状態で坐骨をゴリゴリ。
(回復運動)
※頭と腰、そして手の関係→現代は動きはおろか、考える事まで腰が担うようになった。
(腰⇒骨盤)
【「知っている」ということと「分かる」ということが同居しているのが腰だと思え。】
思うのは脳の仕事。実感するのは身体の仕事。
☆腰まわりの可動性が高まると、できることが増える。幅が出る。
☆足と骨盤は、乳鉢のような関係・
・床の続き:足を前に伸ばして(鼡径部を緩めて)前屈、両足首を持ってさらに前屈。
手を後ろに着いて卍の形(股間を陥没させずに反るぐらいに)
[2]丹田運動(床面座位)
・丹田の出し入れ(分からなければ、1円玉を貼り付けるなど無理にでも意識。)
・椅子座位→坐骨が分かる座り方。頭を動かさずに骨盤を揺さぶる。
☆呼吸というのは上半身の出来事だ(決して口とその周りだけではない)
☆聞いた人間が分かるようにするのが言葉。
→文字と音声は同じ。
→わたくしが判断する事ではない。
[3]ことばで人に伝えるための(他人に通ずることばが出せるための)呼吸法
☆健康のための呼吸法ではない。
・「あした」という単語を使って練習する。
→出すことに夢中になってる=人に聞かせる言葉ではない。
やっているうちに疲れてくる。その先まで乗り越えていく。
Q.自分の(出した)音を聴けるか、聴けないか?
A.何度も発している言葉は何となく聴けているかも。
→“聴く”と“チェックする”は違う。(ex.セリフの出来をチェックする)
実は音声にのみ意味がある。
つもりや想いが他人に伝わっているか否かは音声次第。
[4]呼吸と発声
☆人が情動で納得するには、多くの音声の種類が必要。
☆音は響きがあるから聞こえる。ことばの意味を“響き”で作る。
自身の振動が強いものは聴こえにくい(ex.地声)
繊細なものの方が聴こえやすい(ex.ハミング)
→実感するための方法としてのハミング。その獲得のためのトレーニング。
①音を長くする。(話し言葉は全て短い。音を流し続けてみる。)
②鼻三味線。どんどん音を変える。高くしていく。
③ハミング。首筋と鼻の三角形を意識して(使って)出す。
→音が高くなると、響きの位置が変わってくる。
☆この言葉が、相手に通ずるのか否かという問いを常に持っておく。
→技術的な事はその後。この前提がなければ、伝わらない、表現できない。
稽古場で生まれたものを客に伝えるのが役者の仕事。
それは稽古場と同じことを舞台上でする、ということではない。
想像力というスパイス。
☆地声というのはなかなか通らない。(但し、“地声”の定義は人は分野でブレる)
→地声=鼻が閉まった状態での母音5音→思ったより小さな音のはず。
※戯曲中の言葉を感覚に置き換え、役柄をヴァイオリンで表現したフランス人女優の話。
※自分の考えていることを照らす鏡が必要。自分にとってのそれを見つけ出す。
☆人間は全部「型」で生きている。(ということをまず決める。自由放任ではダメ。)
「型」を声で作る。
自分自身の納得や(ちっぽけな)経験は排除する。さもなくば伝わらない。
【ハミングひとつできないで、芝居をやろうだなんて図々しいことを考えるな】
◆本日の磯貝語録
思うのは脳の仕事。実感するのは身体の仕事。
◆本日の感想
・声の幅はハミングの響きだということが納得できた。
・ハミングをやっていいんだということがわかった。
・台本を読む時、ハミングと地声でやってみるという方法論が新鮮だった。