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セリフの技法(3/4)                         《ことば系》

3月4日(木)セリフの技法

講座テーマ「一年を省みて、何が見えてきた」

〔1〕年度後半より、「演劇上演」より「演劇とは何ぞや」「台詞とは」「演じるとは」
 「生とは」等にシフトした。そこにひそみ、そこから見えてきたのは何であろ
  うか?
 「なぜ声を出してする」「偽装して行う」意義は何か? その本質は?等々

 〈演劇〉以前はこうある、という姿があった→今は?→答えが多すぎ、答えに
  ならない。
 ・落語3年で高座に上がれてしまう手軽さ→消耗品化してしまった。
 ・オリンパスの時代から「演劇」がある―4千年→音楽・絵画・演劇はなくなら
   ない→「芸術」
 ・引き継いでゆきたい、つながってゆくもの VS 個人消費
   演劇=「つながって行くもの」。今の日本現代劇には繋げていくものがあ
   るのか?
 ◎消耗品ではなく(飽きないもの)、時間を越えて存在できるもの
  フォルスタッフを上演して、商品化するのは大変。
  (誰が引き継いでゆけるものにするか、プロモーターが必要)

〔2〕演劇のプロVSアマチュア と俳優という存在は?
・自分が出来そうなことをやりたい人ばかり増えた→アマチュア化→必要な訓
 練を嫌う。
・自分に投資する訓練をするプロが激減した→消耗品化→良く訓練されてい
 ない。
・手軽で見ばえの良いものを客も俳優も好む→表面的で深くない→見てくれ
 小ギヨウ
・「役者は何をどうするべきか」から発しないで「どうしたらいいか」の処理人と
 なる。
・「演ずる」とは元来根本的なこと→「どうしたら」は演出家の方向
演技の生理「ドキドキ」がないとダメ(2、3月)。不安の無い演技はウソッポイ。
      (「ドキドキ」しつつ、それをドキドキ見ている自分がいる。)

〔3〕「意」と「気」を分けて考え、体験した。(10、11、12月)
(役者:劇場の中に縛られて、生活志向の「ドキドキ」を自ら作るには!)
人工的セリフ(意→文字)の中に、自然的不安(気と身体)をどうしてつくるか
ここをやっていけば、アマチュアの壁を越えられる。それを訓練する。
自分自身の心身チャンネルを増加させないとダメ訓練(要メソッド)
 身体が演技する VS 言語が身体を束縛する 
 身体が音声を発する VS 知が音声を人工化(社会化)する。

〈知・意 VS 体・気〉
・現代は知意優位なので、両者を一度切り離す事が必要→基礎訓練
 演ずる人:一度、今の自分と決別し、本来の生物的自分を取り戻す事。
・俳優は、劇作りのためのあり来たりの材料ではない。俳優の能力によっては、
 書かれた劇の予定調和的結果ではない、表現空間が創出可能となる。
・そのストーリー、その役、その台詞をどこまで別次元に持って行けるか、で
 俳優の優劣が決まる。
・頭で台本を理解するレベル(能力)は低くてはダメ。しかし、それにも増し、気
 の世界を持っていることが必要。
・神秘性の乏しい役者は、劇を豊かにしない。役を喜ばせない。自分自身に
 不思議のない役者は育たない。

〔4〕身体感覚(全身)を起こすエキササイズ
①足裏の感覚、手掌感覚の覚醒
 (良くこする、良くはたく、指間をひらく)
・自分自身の中の散漫になっているエネルギーを集合させる。集中をつくる
・足裏と足首、膝関節の運動と“気”の感知
・スクワット15分間
・足の指を離す。
 アースする、よくこする。時には人にしてもらう、人のをさせてもらう。
 アースして、地磁力→身体をまわっている
・手の使い方を良くとらえる。
 手を使うことで、足を感じるように。足指で字や絵を描く。
・足を使い物事を考える。自己感情を表現しようとする。
・他人と足と足を触り合ってみる。→親密さを感じる。

②皮膚感覚の覚醒
 目を頼りにしない→耳
   →触覚―受ける(肌で受ける感覚)
     さわる、温度感、風、触れられる感覚

・頭で考え、言葉で認識している、出来るものとは、次元が違うこと。
 「私が見えていないものはどれだけあるのか」(本質的好奇心)
  視能力で見えないものが鑑えるということ。
 「ここに気がついていないものはない」という雑な感覚ではだめ。
(見えていないもの、触っていないものがどれほどあるか、どれくらい触られて
いるか)
誰かができれば、必ずできる、誰もできないなら、やってやろう→生命の欲求

③活舌(タンギング) 音声の言葉は全て舌から。
・音を意識しない発語は、客観でとらえにくい。
音には必ず中心核―芯がある(実感がある→伝わる) 自己実感
・音声→ストレート→雑音がない、少ない→分かる
    不鮮明  →雑音があり、集中少ない→わからない。
・「しっかりした声を作る」→自分を表現するためではなく、外とどうつながるか、
 伝達力を上げるため。
 純度の高いものを求めて修業する。 

◆本日の磯貝語録
◎人工の精神では宇宙も分からんし、身近な心もわからんよ。見えないものが
 視えるし、聴こえんものが聴こえる様にになって初めて人は楽になるんよ。そ
 れからが芸術の世界だな。

◆本日の感想
 眼に見えないものをどれだけ感じられるか。足裏、手掌がアンテナで、腕か
 ら全身の“皮膚感覚”をどれだけ生きたものと感じられるか。外の視えないも
 のを皮膚で受けることから始まる、その重要性を知りました。
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