3月14日(日)表現の声とことば
講座テーマ「即興と表現力③ アンサンブルのアドリブ」
〔Ⅰ〕準備運動と身体表現基礎(塾長)
①手をこすり合わせる→手首・腕をさする
②踏み足:慣れてきたら足のスタンスを変える。
丹田をぬく・入れるなど感覚を変えながら。
③肘とひざを使って動いてみる。四関節を同時に動かす。
*表現のエクササイズ③を使ってパターンを作っていく。
〔2〕即興表現③「アンサンブルのアドリブ」
・即興は原則反射。だが「考える」知的回路を経てないとダメ。
・自分の内で反射で起こったことを成立させるのは身体。
心情的にならないため、声に出す。体を動かす。
(1)即興演習ー身体と声
1)手の表現、声、喉の表現
「ハ」「ヒ」「フ」「ヘ」「ホ」を発しながら手で表現。
身体表現は大きい方が良い。
<エクササイズ>
Step1.両肘、両膝、4つの関節をつかって身体表現
*関節主導
・合図に合わせて動く。しっかり止まる。
身体動は美しくなければならない=形が決まる
Step2.身体動に顔の動きをつける。
*動きのマンネリ化;丹田、仙骨の意識を高め
*顔の表現=声を出す前提。喉はあいている。
Step3.声もつける。
①「ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ」 *ハ行は日本語で一番深い音
*アンダーコードの声
②「マ、ミ、ム、メ、モ」(顔の表情中心)
③「ギャ、ギュ、ギョ」子音、母音の距離を短く、母音を伸ばさない。
圧縮した音声と身体表現。
口と喉と体が一致してくるとキレイ(喉を深くあける)
④「ニャ、ニュ、ニョ」
2)1人2つ感嘆詞を書き出す(2×8=16)
その中から2つ選んで身体+声の表現をする
オノマトペー感嘆詞
・ヒョー ・アキャ ・ハッ ・ホッ ・ハァー ・オゥッ ・ギャッ ・キャッ
・ギョエー ・ドヒャー ・エーッ ・ゲーッ ・ワヤッ! ・ググッ ・トリャー
・アリャ ・ウヮー ・アチャー
*手の表現(手首・指)形が決まった時、静止する
・声だけだと上に上がる。体を使うことで下に降ろす。
(2)表現とでたらめ(アンサンブルの即興、2人一組で)
・即興はほとんどダメ。だからこそ有効なものはインパクトが大きくなる。
・体、頭、声がどういう状態のとき有効・無効か。
・芝居の中(のインプロ) 受けることも重要
・受け芝居は自分の内側に入れない。皮膚で反射するスピード
<題1> A「これどうすればいいと思う?」
B「逆さにして振ってみたら?」 をきっかけに即興芝居を作る。
・口が先行しないで身体の動きが先行すること
・全てを観せる。(動き)内側に引き込まない。
・地でなくなるように。 *キャラクターを設定する必要はない
◎冷静でないと即興はできない。ただしHiエネルギーの
<題2> A「もしもし亀よって知ってる?」
B「あ、100円で売ってた。」
◎インプロ・身体性が強くある。
*振りが不鮮明なところは、言葉も不鮮明
*聴くという動作
*相手が受けやすいように投げる
◎即興はまず動きから入る⇔口先行
生き生きとした即興 ①発声 ②言葉が流れない
<題3> A[そろそろ桜が咲きますよ」(立って)
B「梅は散りましたよ」
<題4> A[夜中の3時になると毎晩目が覚めるんですよ」
・ドラマを作る
・自分で勝手に、こういうドラマというのを作っておく
→どういう流れになってもドラマがつくれる。
・使えるものを作るぞということ、そっちにいく。
<発表>
・聴こうとしている→自分の中に入れると苦しい。反射させる。
・喋り先行ではない。
・負ける方は早口になる。敢えてゆっくりにして自分を取り戻す。
・台本がない。自分達で台本を作っていく
・一緒に台本を作っていこうという意識がないとダメになる。
・デタラメから有効なものにしていく。
・相手がデタラメをしても、どう有効にもっていくか、作為でなくできる。
・やっていることが面白くて笑ってはダメ(地に戻っている) 役に没入しても
ダメ。
・やっていることを冷静に見ている自分がいる。
・演劇:ある特殊なしつらえられた空間に入る。
・切りかえし
・表現のゼロ
◎即興芝居は厳格で冷静。だからピッピッとやり取りできる。
フザケが入ったら終わり。
・全部聴いて、終わるまで待って出す→有効な芝居ではない。
聴きながら何かがおこっているはず。
・無の状態で出されたものを確認しながら乗っけていくのは難しい。
事前に自分の中でのライン。見通しを持っておく必要がある。
2)身体の即興(2人1組/机1・椅子3使用可)
◇仕草の芝居
条件:A・・・椅子に腰掛けている
B・・・下手よりIN
2人は知り合い
①2人で相談してストーリーを作る
)それぞれの人がどういう人かをまず決める。
)2人の関係を決める
)場所を作る。レイアウトを決める。
・状況をセットする。その中で動きを作る。
*身体が動けば、頭も動く
)セリフを作る
動線でここにきたら、このセルフを言う(動き先行でセリフを作る)
)実際動きながら、確認。台本を固めていく
※作りやすいこと。見ている人が分かりやすい。説明が少ないことがPoint
セリフが長いとOut
<中間発表>
・内面の状態を考えすぎ。心理劇に入ったらアウト
・お客は動きをみている
・心理からではなく、動きから芝居をつくる
◎次から次へと芝居を繰り出すところにドラマが生まれる
・誰が見ても分かる表現をする
・芝居を作るー何を観せたいのか
・普通のことをやってもドラマにはならない
cf)普通に起こすのではない起こし方。
◎芝居は1日24時間を5分くらいに圧縮、もしくは5分くらいの出来事を
間延びして3時間くらいにしたもの。日常の尺度とはちがう。
*ナチュラルでできるのは、ナチュラルでないものを知っているから。
・心のハイスピード
・発するだけでなく、相手に質問させる頭
・テンポをかえる
・Aが動いたら、次にBが動かないと芝居が止まる。
・俳優プレッシャー、追い詰められた時、まず足を使って動く。
〇インプロで芝居を作る時は、原則喜劇
・思い出芝居はNG
・感情で何かするより、格好でみせる
・形が決まることで、感情になるし、声にもなる。
・喉・笛(より下)で芝居をする
●即興は芝居の最高峰にある
・初期段階でやると、ある感性が覚醒する
・即興芝居は洗練芝居
・即興の意外性・確実性があることで、芝居にキラッとしたものが生まれる。
◆本日の磯貝語録
即興は自然の観興の最高の瞬間。芸の即興は意を超えたもの。
言葉の即興は知の蓄積をつきぬけたもの。体の即興は美に照らされたもの。
◆本日の感想
“即興”をやりました。“表現の最高な味付け”だそうで、瞬発力に高いエネ
ルギー頭と身体の回転が必要だと感じ、理解出来ました。考えたらダメ、出
鱈目はもっとダメというのがズキッときました。
2010/03/14 (Sun) 20:00