FC2ブログ

ことば初級:音声レッスン(6/8)

「ことばの意志と身体実感」

[1]ウォーミングアップ
 スワイショウ
 歩く、踵を使って大股で
  Aさん:腕を上げて
  Bさん:指折り数えながら。視線は下げない
  Cさん:腕を抱えて、後ろ手を組んで

[2]講義 「ことばの意志と身体実感」
・元来、人が生きているときには意志がある。
 そうなるようにテキストを読むにはどうしたらいいか。
 自分以外の人間をやるとき、その人間が自分とどれだけ離れているか。
 芸をやるには自分をのりこえる必要がある。その前に自分を知る。

Aさん:ゆっくり行動すると、癖がわかる。無意識を意識的にやってみる。

◎自分の資質の根幹にたどりつくとよい。
 自分を消す。もうひとりの自分をもつ。

 (((自己)自我(意識))身体)=自←→ことば←→他

 ことば=意識・意志・意味・感情・情態・声

・私を意識するとはどういうことか 脳内のヴァーチャルでなく身体的なもの
Ex-1 自分の実感で「生ビールですよ」
Ex-2 「ソフトクリーム 誰が食べたんだよ」 ことばに実感があるか
 自分の中か外にものがあるか、それをもらって頭や体が変化、反応する。
 反応したことを自覚することが「実感」すること。頭よりも体の反応。
Ex-3 「これは私の手です。」
 手は私の部分、言うのも私。私の意志・意識・実感
・自己実感には時間がかかる。情報の伝達だけは早い。
 実感の伴わない情報は情報として伝わり、相手の実感も薄い。
・実感がないと責任感も希薄になる。実感があれば「あ」「うん」で伝わる。
◎俳優は実感をつなぐ作業。

Ex-4 言っているセリフに実感があるか「これ」「は」「私」「の」「手」「です」
 「歩く」こと、「踵を出す」ことに実感がないと、その動作はできない。
 最後の一語まで実感して言い切ること。でなければ口先になる。
・実感を作り上げる。自分のことはなかなか実感しにくい。
 「何か」を認識して反応するが、反応した行為そのものは実感していない。
 実感を選別することと、実感をやり上げようとする意志、意識
 自分なりでなく自分を実感すること、そのための回路をつくる。
 「これは」「私の」「手です」空白も私にしてひとつにつなぐ。
・実感のできるスピードがある。それをつかむ。実感する。無理につなげない。
・脳の生理でなく、体の生理でやる。関係、生命感が生まれる。
 死にそうな生命感、苦しみの喜び、を実感する。
 手は口に近く、心臓に近いので、自己の代弁者になりうる。
◎脳・口は架空のこと、あごから下が「実」全体で感じる。
 手を感じるときにも足がある、全身がある。
◎自分自身を客観的に捉える皮膚感覚を使う。
 「私の考え」は頭の中でやるのと頭の皮膚でやるのとで全然ちがう。
 体の中に入ると力みやすい。皮膚でやると芸としてきれい。
 裸だと自分がわかる。服を着ると外がわかる。
・全身の皮膚を感じる。その中に「手」がある実感。
 実感を伝えられる音を声で出す。ストレートに出す。

Ex-5 皮膚感覚で「これは私の手です」いろいろな手があるのもみつけるとよい。
 実感があると声が出るし、ことばも出る。
 すべてを実感して表すのは至難の技なので、まずは自分を実感する。
◎表現は架空のものを自分の実感におしこめて表すこと。
 頭ばかりだとわざとらしい。内臓感覚だと重たい。

Ex-6 宮澤賢治「雨ニモマケズ」
 うたは「流れる」、謡は「ゆれる」
 「ワタシハナリタイ」未来・願望の自己実感、全ての行の自己実感
 一瞬一瞬に反応し、実感する。

 しばらくやる。
 具体的なこと、抽象的なこと、単純なこと
 実感を伴わなくなりやすい。
 実感ができると、声やことばが出る。
 「ツカレタ母」体全体、皮膚までつかれている。
 実感ができると、それに必要な音がわかる。


◆本日の磯貝語録
 自分の本来の資質、能力の根幹にたどりつくのは修業によるしかない。
 自分自身を実感するのにも時間やチャンスが必要だ。
 ことばはそのための1つの手はずだ。

◆本日の感想
 「これは私の手です。」という言葉がどう皮膚感覚をもとに喋れるのか、
 とてもむずかしかった。よく復習して考えてみたい。
関連記事