講座テーマ「美しい日本語音-響きと文読み」
【1】準備(各自テーマ)体操、ストレッチング
【2】日本語を美しくきかせるためには…。
日本語は、母音言葉であるから、母音が美しい音であれば、
言葉は美しくなる。
音の響きが連続してくること。音をつなげることができる。
自分の言葉が、連続性を持つことが重要。
和声句←有声音(母音は一音ずつ、どこに響かせるか)・声帯
【3】呼吸法・発声法復習「美しい母音の響きをつかむ」
地声は、近い場所の人に話すときに使う。
地声は、口から直接声を出す。きれいに聞こえない。響かない。
遠くへ伝える時は、声を張る。(喉をならす)声とする。
Ex:母音「あ」を声帯で鳴らす。(有声音発音)
「あ」の調音は、下両奥歯の内側・奥母音の位置を響かせる。
◎下顎の奥歯から奥を使って響かせる(容器に響かせる)
Ex:良質母音の響きを捉える。
○「ア」-口を開きすぎず奥に引く。口唇は、中央にわずかに
締めるように喉の音をきかせる。喉の声が日本語を
きれいにする。
○「オ」奥歯よりも奥。懸よう垂よりもさらに奥、奥頚がなる。
○「ア」と「オ」を組み合わせ、連続させて繰り返し音を出す。
いい響きのいい音を作りたければ、早口ではダメ!
いい響きをつくるためには、口の奥で音にするので
「さばき」の切り替えに、時間がかかる落ち着いて余裕のある
しゃべりが、よい響きとなる。
この講座で、2回連続で、和歌、日本文学の例文で音を出してきた。
Ex:「今日 11月28日です」をテキストに良い響きをつくってみる。
喉を使って振動させる。実感する。
喉を半開きのまま息をとめずに、切らずに音にする。
この場合、自分の音をしっかり聞くことができる。
【4】「蜘蛛の糸」(芥川龍之介)を響き読み演習。
顎を少し上げ喉を開けて、文章をよむ。
◎読んでいる言葉の響きから意味を取るようにする。
喉から鎖骨あたりまで音をおろして、声帯をならす。
「な~む(南無)」無限の音、無限の響きである。
日本語の美しさ→しゃべっている言葉の意味がわかる。
情報の意味を頭でわかろうとしていると、本当にわかっていない。
“やがて”は、時間の経過を示す。その音が経過であり現象である。
自分が読んで、自分が納得できるようにする。
「水の面」→広い場所の音であるべきで、説明しない。
◎声を響かせ、音から意味を理解するように。
読んで納得できる-スピード、間の取り方、意味を理解する。
接続詞「すると」 口で読まず喉で読む。
ゆっくり読むと、音を喉でつくり、聞いて理解できる。
○カンダタのセリフ-あまりリアルに読まなくて良い。
音を響かせて、流れを作って読む。
○お釈迦様の読み方に注意。
固有名詞として音にするのではなく、実態にする。
お釈迦様の具体的な行動、実像を考えて声にしてみる。
文章を読み始め遭遇したならば、否定しない。
理解する受け入れようとすること。言葉の音に意味がある。
実感があるか、意味が湧いてくるかが、大切だ。
◎文章、始まりの音が、母音である時は、喉を開けて音を出す。
「救う」…もし~ならば
できるなら…可能性としては低いが、決定を覆しての
気持ちを汲み取る。
Aさん…喉がなって響いているとGood voice
急いで説明調になると、響きがなくなり、よくない。
エネルギーが高いので、気持ちが入りすぎる傾向がある。
Bさん…エネルギーが低い。考えて読んでいるようで、いい気持ちに
ならないように聞こえる。音を細くだそうとしているので
響きが不十分。外にわからない響きで読んでは、面白くない
のでは?
Cさん…考えると暗い声で読んでしまっている。先入観で芥川の
文章を暗いとイメ-ジしてしまっている。
高めの響く声を出せるが、文章を読むと鼻が開いていない。
喉と鼻はつながっているので、両方開けておく。
鼻は響かせた音にするために、息をあげること。
○高いポジションになると声が大きくなる。
○響きがあることで、必ず言葉の意味がわいてくる。
頭が指令してくれる。
体が意味を実感させてくれる。
その言葉を頭で意味がわかる。ことと、喉、鼻の響きがあることで
意味があることの違いは、美しいかどうかの違いになる。
◎頭読み-書いてある文字読み。説明読み、口読みとなる。
◎音で意味を取る…音の響きをつくる喉や鼻、身体の実感で掴んだ音
である。
情報読み-本来の意味を理解できない。
文字読み-奥行や肌合いが、読み取れない。
日常会話でも、どれだけ音を美しくだすか。モノを表現できるか。
自分の中で。音、声の響きから意味がわかることが必要。
これは、感性の訓練で、知覚訓練ではありません。
◆本日の磯貝語録
響きがあることで、必ず言葉の意味がわいてくる。
自分の中で、声の響きからから意味を理解する習慣を身につける。
◆本日の感想
前回 お休みしたので、体も心も固まった状態で教室に入りました。
でも歩行練習で「「私は歩いている」と念じて歩き続けたおかげで、
体も心もほんとうにほぐれました。私は鼻が開いて響かせ高い
位置をつかむこと、思い込みをなくすことが課題です。