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活舌・発音法(2015.10.29)

講師:磯貝靖洋
助手:益田喜晴 出先拓也

【テーマ】
舌子音調音(2)

●講座で展開される事はどれも大事なことだけれども、「それらを今直ぐに全部出来るようにするよりも、まずは自らの感性で捉えた、〈最も重要である事〉、或いは〈一番印象に残った事〉等のポイントを絞り、それを確実にモノにする事の方がずっと有意義である」と言われたので、本日の私のポイントをまとめました。


【今回のポイント】
音の感覚は 1)「前への直進」であり、2)「立体的」である。
それらを養う為に、3)「頭で考える前の〈パッ〉という瞬間を捉える感性を磨く」。

前回同様、まず直線歩行、つまり「歩く」事から始まり、更に今回は新たに、「横足歩き」が加わりました。
横に進むことにより、水平感覚を覚醒させます。その後、直線歩行に戻すと誰もが歩き易さを実感しました。
これは歩く際に、「まっすぐ」を決め付けると固くなるが、「横に揺れてもいい」と言う心身的な余裕が出来る事により、活き活きとした直進力が生まれるからです。
同じように「声・ことば」も前に飛ばす事ばかりに囚われて固くなるよりも、前後・左右感覚を磨き、身体のシンメトリーを意識する事により、生き活きとした「まっすぐ」となり、聴手に届きます。
この感性を育てなければ、幾ら調音を学んでも、生きた活舌になりません。
何故なら、「歩く」事も、「話す」事も、3次元世界での立体的行為だからです。
しかし、この当たり前と思えることを頭だけで理解し、わかった気になることは、実に平面的です。
頭でわかる前の〈何か〉を感覚で捉え、身体で理解することは立体的感性であり、つまりは〈生きている〉という感性であると言えます。

〈まっすぐ〉とか、〈水平〉とかどこか一方を決めると固くなり、そこで揺れていいと思うと楽になる。しかし、自分勝手に揺れすぎると崩れてしまう。

正しいことばを発するために、舌の形や動きを学び、訓練する事はとても大切です。
しかし、その運動は舌だけにとどまらず、自分の身体・感性とも関わると同時に、聴手の身体・感性ともつながります。
舌は舌だけの為に存在するに非ず。自分の為のモノであり、他人の為のモノであり、しいては社会の為のモノでもあるのです。
舌の感性を磨くことが、活きた舌、つまり〈活舌〉を育てます。


20151029
文責 益田喜晴
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