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月刊「聲の力」 第6号(2016年4月21日 発行)

▼月刊「聲の力」第6号▼_____________________________________________________________
本メールは「聲とことばの磯貝メソッド」がお届けするニュースレターです。
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この度の熊本地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

4月も後半に入り声とことばの磯貝メソッド「声の学校」も、2015年度のカリキュラムが終了し、5月から新年度がスタートします。
そこで今月号の特集では「IM基礎身体法」を取り上げます。講座の始まりに準備体操として行っているストレッチ運動。その目的を少し詳しく掘り下げ、身体への意識を高めて、新たな講座に臨んでいただけたましたら、幸いです。


**** 目次 ***************************

1.今月の事務局だより

2.特集:「IM基礎身体法とは?」

3.地方塾からの便り―広島より―

4.編集後記

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■□磯貝メソッドからのお知らせ ………
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[1]【5月~】「磯貝メソッド声の学校」2016年度前期(5~8月)参加者募集中!
――発声法から表現まで、日本語音声を幅広く学べるスクールです。
  残業しない水曜の夜に、大人の日本語学校「声とことばの基礎」開講!
http://isogai-method.com/guide

[2]【6/25(土)】声とことばの祭典「Vocal Arts Theater No.7」開催
――演目:竹取物語、日本の女詩力、ほか
http://isogai-method.com/archives/1142

[3]【7/17(日)】夏のボイスチェック開催!
――声とことばの健康診断です、お申込み受付中です。
http://www.voice-check.com/

[4]【日程調整OK】磯貝靖洋の個人レッスン受付中!
――舞台演出家、音楽指導者の顔も持つ磯貝靖洋のマンツーマンレッスン
http://isogai-method.com/archives/524
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■□特集:「IM基礎身体法とは?」…
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声とことばの磯貝メソッド(以下IMと表記)では、専門的な理論と長年培った実績に基づいて声やことばの改善、豊かな表現法の獲得の指導を行っています。声やことばのためには、身体のしくみや知識、どの様に使われているのか実感を持つことを重視しています。そこで、講座で毎回行っているIM基礎身体法は、何故実施しているのか、何が大切なのか等をご紹介します。

≪IM基礎身体法≫について
IM基礎身体法は『柔軟(ストレッチ)』と『強化(肉体訓練)』とに大別されます。ここでは主に『柔軟』について述べていきます。

1.IMの講座で、なぜIM身体法を行うのか。
より豊かな声とことばを発するためにはまず、呼吸をささえるからだが必要です。そのためには腹部・骨盤まわり、胸部、背部、腰部等を使います。また声は、鳴りと響きですから、からだの各共鳴部位である、喉、口腔、鼻腔、胸腔等の意識も必要です。
からだの様々なところが動いて呼吸をし、声を発し、ことばをつくっているのです。
「あなたのからだが声を発し、ことばをつくる」ということです。そのためにはからだの柔軟性があった方が有利なのですが、硬ければだめということではなく、からだの自覚を持つことが大切です。「身体感覚の喚起と実感」です。このからだ実感を持つことが、声やことばの実感を持つことに繋がります。

2.IM身体法の特徴
身体感覚を「体幹」で捉えます。体幹の定義にもいろいろあるのですが、IMでは体幹をまず、脊椎・肋骨・骨盤の骨で捉え、それらに付随する骨や筋肉やからだのパーツを意識し動かしていきます。この「意識をする」ところが重要で、日常では無意識のうちにからだを動かしていますが、意識をすることで心と体の回路を繋げます。
まあ、意識でからだの各部分を指差し確認するみたいなものでしょうか。また、「正中感覚」も大切です。これは主に背骨で捉えますが、からだの中心軸を実感することです。背骨は人のからだの大黒柱です。この大黒柱をしっかりと意識し、しなやかに動かします。

3.IM身体法の実施内容

IM身体法の中から主なものをいくつか紹介します。

『首まわり』

*目的
首の骨と頭骨を動かすことで首回りの筋肉をほぐし、あごの関節も緩めます。喉周辺の筋肉を柔軟にし、舌の付け根を緩めることで、発声や発語をしやすい状態にしておきます。

*方法
頭の骨をゆっくりと前に倒して、重さを使って首の後ろ側を伸ばします。その際に頭に手を添えて負荷をかけて行う事もあります。同様に首の骨の傾きを変えて、首をゆっくり横に倒し首の横側を伸ばし、そのまま片手を頭の横に乗せ、頭と腕の重さでさらに伸ばします。(反対も同様に)次に顎先をゆっくり引き上げ首の前側を伸ばします。その状態で手の平を重ね合わせて胸に当て、手で胸を引き下げながらさらに伸ばし、ゆっくり戻します。

*注意点
首の前の喉側を伸ばす際に、首の骨を後ろに折り曲げる様に傾けないで、顎を上前に引き上げるようにしましょう(首の骨の後ろ側には神経の束が通っているので、それを圧迫しないようにするため)。奥歯を噛みしめず顎を緩めた状態で行います。

『胸郭』

*目的
肋骨の間の筋肉(肋間筋)やその周囲の筋肉をほぐすことで、横隔膜の動きを良くし、肺の収縮拡張範囲を広げます。また、胸まわり(胸郭)の意識を高めることにより、声やことばの元となる『胸郭での息のささえ』を行いやすくします。

*方法
片腕を上げ、指先を天井に引き上げる様に伸ばし、その時、片側肋骨の側面が開きます。伸びている側の骨盤は床に降ろしていきます。そのまま背骨をゆっくりと横に傾けて、更に肋骨を開きます。降ろしている骨盤が浮いてこないように気をつけます。
他にも背骨の傾きを利用して、背面側や胸側の筋肉を伸ばしていきます。その際に腕を補助的に使ったり、肩甲骨を意識したりもします。

*注意点
からだの中心軸を実感し、からだ全体がぶれないようにします。からだの重心は力まずに下向きです。

『骨盤まわり』

*目的
IMの呼吸法において重要な『丹田』を含む下腹部を支えているのが骨盤です。下腹部の動きを柔軟にするためにも骨盤をしっかりと動かせるようにしましょう。
骨盤意識が高まってくると、より深い呼吸が行えるようになり、一番安定した声になる『丹田での息のささえ』が使えるようになります。

*方法
〈骨盤の左右の傾き〉
骨盤片側の側面上部のでっぱり(骨の硬いところ:腸骨)をゆっくりと引き上げます。反対側は下がります。下がる方の膝を緩める。(前に曲げて)。引き上げ足は踵が浮かないように。骨盤の横の傾きを注意します。ゆっくりと戻します。反対側も同じように行います。
その他、恥骨結合部や仙骨、尾骨を意識実感しながら、骨盤の前後の傾き、骨盤の回転を行います。

*注意点
上半身が一緒に傾かないようにします。慣れないうちは骨盤が思うように動きませんので、ゆっくりと丁寧に行いましょう。

4.声とことばとの関係性等
先にも述べましたように、あなたのからだが声を発し、ことばをつくります。身体のどこを使って呼吸しているか、からだのどこで声が響いているか。響くと実際にからだのパーツがぶるぶると振動します。また、からだが歪んでいるとことばも歪み、聞きにくくなります。
IMでは「からだの真ん中で声を出す。」としています。そのためにからだの正中感覚を探るレッスンも行います。からだの「真ん中」感覚を持っている人とそうでない人とでは、声の飛び方が明らかに違います(2.の文中 正中感覚の説明を参照)。
声を発し、ことばをつくる時には、からだが使われ反応するという具体的な現象が起っているわけです。声やことばの仕組みを理解しようとすることは、からだの仕組みを理解し自覚していくことにほかならないのです。
そしてその「身体感覚の喚起と実感」が、より豊かな声を発し、ことばをつくるために重要なことなのです。
(執筆 館林敦士・文責 磯貝靖洋)
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■□地方塾からの便り―広島より―
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地方塾だより 広島塾

こんにちは。音声学講座広島実行委員会 実行委員長の河野です。
磯貝メソッド広島塾は、実行委員会形式で講座運営を行ってきました。現在の実行委員は5名(河野・竹元・石橋・三浦・真鍋)です。

当初は、実行委員も講座参加者も地元の演劇人が中心で、磯貝先生の招聘講座のみでスタートしましたが、近年の講座参加者は、教師・講師・司会者・僧侶・ナレーター・アナウンサー・電話応対者など、業務や日常で必要性を感じている社会人と、定年後の自己啓発で勉強熱心な方が中心です。

地元の公設文化センターとの連携で地道に続けておりますが、口コミでの紹介で門を叩かれる方や、しばらく参加できなくなっていた方が必要性を強く感じて復帰されるケースも多いので、音声訓練と同じく、根気よく続けることがプラスに繋がる実感を得ています。

広島塾では4月~3月を年度区切りとしているので、新年度もまさに今月スタートです。
講座内容は、毎月第4土曜の午前開催「定例基礎講座」、第2水曜の夕方開催「復習・個人課題克服」講座、年2回の磯貝先生招聘「特別講座」のラインナップです。

広島塾では、全ての講座へいつでも一般参加が可能です。入口がオープンな分、単発で終わる方も多いですが、前出のように必要と感じて戻って来られる時を歓迎しています。広島にたまたま立ち寄られる機会がある方の単発参加や見学も受け入れますので、お気軽にご連絡ください。 (執筆 河野寛)

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編集後記
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今回身体法を取り上げてみて、或るスポーツコメンテーターの言葉を思い出しました。
「一流のアスリートたちは、自分の身体のことを熟知している。コンディションは日々違う。違っていても自分の身体のことを知っていれば、良いコンディションを保つために、微妙な違いや変化に気付き、調整することができる。それが一流の所以である」
声やことばのためには身体への意識を持つことは必須です。響きのある声、洗練された美しい音、豊かな声の表現力を獲得するには、声を出せる身体を整え、身体の意識、実感をどんどん高めていきたいものです。IM基礎身体法も日頃のコンディションづくりに役立ててくださいね。(文責 菅家ゆかり)
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