講座テーマ「情の言語、意の言語 叙情と激情②」(磯貝塾長)
[1]ノドをあける練習(声門の下まで使う)
テキスト① Ha Ho Yo-
② Ho Ha Ya-
顎関節をあけ、喉と舌を降ろし、咽頭を大きく開け、頭から胸まで筒にする。
のどを鳴らす。あごとのどのポジションを決める。首の下、胴を鳴らす。
基本は歌と一緒。息は口の前に出さない。言葉は下げた舌で発語する。
[2]情は身体の心:こころのからだ。 首から下 頭が入っては×
◇海外在住者で5年ぶり帰国者の東京の感想「日本人(大人も子供も)幼稚。顔も
立ち居振る舞いも、態度も幼い。言葉が不明。子供が老人の顔。溌剌としていない。
育っていない」
全員でディスカッション
・自分を育てることを止めているのではないか
・日常、プライベートの“地”を育てていない。自立しても自律していない。
・自分のことに徹していて、他人の領域を自分の中にいつも用意していない。
・“地”の言語体系が幼稚である。自他の差がない。→頭脳構造
・自分の欲望を満たすために生きている。他の大きな律が弱い。
・日常生活の品が悪い。中間性、中立性がない。
・他人のためでなくても、まず自分のためだけに生きるのをやめる
(一つの価値観に固まると止まってしまう)
◎欲望は情のひとつ(それだけだと劇にならない)
・いつも自分が主体。他を共有し難い。もしくは下手なのはなぜか。
・日本は今どこも向いていない。方向性を拒否している。
(責任がないのに自由がある(と思っている))
◎自・他の境がない。公に私を持ち込む。
◎成熟とは、境界倫理をつくること。もてること。見せられること。
芝居には共通の倫理観がある。倫理観は共通である。
・情が身体実感でなく頭の中の問題(思い)になっていないか
・頭・知・意のバーチャルな限定した情の世界を作っている。
・音声化=声帯化=実質化=身体化=情態化
・身体言語-体内感覚を外におくこと→客体化
・身体の精神を相手に伝えること。
[3]☆音声客体化訓練用テキスト
ミィーヤ ・サンスクリット語 経の言葉と同じ(ナーム):音に意味がある、音が身体を
震わせる
ミューヤ ・ヤ行は身体の底の音。そして天に響く音
ミョーヤ ・きちんと支えて腹から身体を響かせる
・煙突より狭く細く作る→下に降ろしやすい
(1)座位でテキスト練習
・身体化された音声が情動の音声(響き)
・口の音声は頭で考えた情で、いやらしく、品がない。
いわゆる感情的音声で、響きが少なく、伝わりにくい声
◎<情動音声をつくる> 俳優の音声は情動言語
身体性があると親切で無駄がない → ケチじゃない
(2)股割り姿勢でテキスト練習
・顔、上肢が下向きのため、よだれが出始める→良
・強い声でなくて良い。後頚部、背面に響かせる。
・口から身体に降ろす。情報より状態を身体でできることをあらわす。
◆本日の磯貝語録
真の情動音声をつくる:自分を育てる。
他のもののためとまではいかなくとも、自分のためだけに生きることをやめる
◆本日の感想
日本人は、他人のための事をしなくなった。そのくせ自分を育てる事も止めて
しまった。それに巻き込まれない術を確実にもてない自分を知る。自分の今を
おかしいと感じたり、異和感をいつも持つことが止まったら芸術は無理だ、と
思った。本当はこういうことをちゃんとしないと芝居は出来ないんだ(H・K)
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