10月11日(木)俳優発声実践
講座テーマ「情の言語、意の言語 入情ということ」
[1]日本語と情の特性(磯貝講師)
・情は受身:刺激に対して装置が動く。間の影響が大。
・日本語は:自分を立てる必要がない。自分を消す構造。主体が見えない。
割愛したエネルギーが「情」になる。
・日本語の研究:どんな社会・感情を生み出す構造なのか。
借り物の哲学、漢字をベースにやって来た。
日本語の性質を理解してグレードをあげる。「独特」ではすまされない。
・個と全体の両軸がある哲学を実論検証するのが音声言語。
・個と全体が適当に都合よくすりかわる曖昧さが今の日本語。
・日本人の心性が日本語をつくる→感情移入特性の強い言語構造。
◎自分の心にひきつける。事実よりも大事。喋り言葉は特に自己心理的
[2]「情の音声」を考える 言葉の扱い方、つかまえ方、置き方から
長唄、新内、端唄、小浄瑠璃等は情の音声傾向が高い
◎口の中が湿っぽいと良い。色情「濡れ場」 乾いてはダメ。
潤っている。温度感と湿度が必要。平温±2度の揺らぎ。
・現代語は乾いてる。
◎《情の音声学》→軟口蓋にためるしゃべり。両奥歯の後ろ側。
・口の奥が開いて動く形。茄子のような口型:奥が深く声を溜められる。
日常は前か奥
・あまり奥すぎないで軟口蓋に集める。少しカン高い声になる。
・のどをいつも湿らせておく。発声法と呼吸法が入要。
その中で場所を変えて声を変える。
・情は直接的でなく表面的でなく、奥に沈んでもいない。
情は理屈っぽくない。形容詞、形容動詞、副詞的。
・身体的だが筋肉的は多く水分を含んだ声
それでいてビンビン響く発声法。
[3]落語「崇徳院」で情を読み出せるかの演習。
・頭蓋骨をひびかせる。吐き出さない。広げない。
・湿気を逃がさない。しゃべる(台本の字を読まない)
・強い声を出す。頭蓋骨と軟口蓋と喉にあつめる。ふくらむ。
・若旦那が病気を白状する部分を各自やる(熊はとばす)
◎<色っぽいセリフ>女は男っぽく、男は女っぽく。 しめっぽく。
色気。色には品(しな)がある。声帯を細く、なよなよとした声。
しめるのとは違い、メリハリはある。
◎情のポジションをみつける。
息が流れる。糸のようなセリフを出す。
次回 崇徳院と着物
◆本日の磯貝語録
日本語の構造・性質を理解して日本語のグレードをあげる。
情のポジションをみつける
◆本日の感想
和室がとても素敵な空間で心地良かった。自分は色気がないなぁとしみじ
み感じました。 情のしめっぽさが欲しい。(K・T)
2007/10/11 (Thu) 23:30