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俳優発声上級(11/11)                      《ことば系》

11月11日(日)俳優発声上級

講座テーマ「チェーホフ"桜の園"を学ぶ-セリフ学」

 ・美しさは背中。呼吸のほうが感じやすいし、表しやすい。繊細さがある。
 ・日本人の特徴-自分の眼鏡で分かる範囲で質問を受ける。
 
[Ⅰ]チェーホフ 第3幕演習(磯貝塾長)
 配役:
 ピーシク(Aさん)、エピホードフ(Bさん)、トロフィーモフ(Cさん)
 ヤーシャ(Dさん)、ワーリャ(Eさん)、ロパーヒン(Fさん)
 ラネーフスカヤ(Gさん)、ガーエフ(Hさん)、フィールス(Jさん)
 ドゥニャーシャ、シャルロッタ(Iさん)

 ・自分の思いや感じ方は避ける。
 ・その語その文を喋り読みをし、語や文を想起してゆく。
 ・息を自在に変化させ、閉じこめない。
 ・鼻と喉がいつも開いていること。
 ・相手役のセリフを耳だけで聴かない。鼻と喉で受け止める。
  
 ◎作者は、その役に何を言わせたかったか。
  どのような状態(心、身体、他人との関係)を求めていたかを読み取ること。

 ・キャラクターの喉を作る。主観的にする。
 ・セリフの読み間違い、咬む等は、呼吸が上がる、後首に力が入る。
  重心がなくなる。前頭意識だけになる、等の時におこりやすい。

 p89 "私の息子が溺れて死んだのも、ここよ"
  ・もっと早くもっと奥へ引き込んで、その反動で外にだす。
  ・ともかく内向しない。外に作る。外で描く。

 ◎他人のセリフを聞いているときは、鼻と喉を開けたままで聞くこと。
  それは、ひとつひとつの台詞を情報としてでなく、より身体的実感として
  受けることができるためである。
   
 ・ラネーフスカヤのセリフが暗い。内向している→受けゼリフで息を止めて
  鼻と喉がしまっている→開けること。
 ・若い俳優が老け役を演じる(声で)時は、気持ちを老けても嘘ごと。
  年よりは、歯と口唇と息のスピードが違う。口唇と歯で口跡を作る。
 ・ガーエフは声や言葉はしっかりしていること、暗くはない。始めに
  少し捨て息を流してから言葉にする。→息先行。

 <最重要メッセージ>
 今までは良く鳴る声、通る声、透明な高い声、はりのある声、全てエネルギー
 の高い声を各自つくってきた。これは、俳優の基本(素材を練り磨く)である。
 今後は、これを基準に各役、各状態により。各々にエネルギーを消す弱める
 テクニックを持つことを始める。または、各状態によっては、もっときたなく、
 不明瞭につくる。これはテクニックである。

 p96
 ヤーシャ(Dさん)
  ・自分の声からヤーシャを創り出す。自分の状態や精神が決まっていない。
   全部いい声でやってはいけない。
 エピホードフ(Bさん)
  ・字読み、口読みをしない。喋ること。
 ドゥニャーシャ(Iさん)
  ・息が高い。もっと降ろすこと。降りたところでささえ、鼻、喉を開ける。
   その状態で彼女の人格をつくる。身体でやること。
 ワーリャ(Eさん)
  ・他人のセリフをワーリャの身体でなく本人の身体で受けている。
   "お礼には及びませんわ"→感情的セリフはささえが上がり、喉が閉まり、
   声のコントロールができなくなる。強すぎる。もっと息を使うこと。
   鳴りでなく、響きゼリフをつくること。

 ◎字(テキスト)は、いくら正確に読んでも、読んでいる限り、その語、その
  言葉、その文のそれなりの状態にはならない。俳優は字を喋ること。喋りには、
  その語を発する人の生理状態、精神情態が含まれている。聴き取れる音声
  で字を喋る訓練がセリフ訓練である。

 p103 ロパーヒン(Fさん)
  ・"私が取ったのです"→様々な意味を持ったセリフ
   1)誇らしげ 2)感慨深げ 3)ラネーフスカヤへの気兼ね 4)未来への決心
   5)不用意の興奮
   自らの口と声で、これらの事をひとつひとつ確認して喋る。

 ◎いい芝居とは、役者が役になっていくこと。 

◆本日の磯貝語録
 良い表現者はテキストを字読み音声化しない。字を読まずに喋る。

◆本日の感想
 長年にわたって"良い声を作る"ことをしてきましたが、最近になってその良い
 声を使わない消すということを教わり、選択枝が増えました。もうひとつ上のステ
 ージに上がった気がします。(K.N)
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