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俳優発声中級(2/6)                      《ことば系》

2月6日(水)俳優発声中級

講座テーマ「役づくり-(1) 老役」

[1]磯貝塾長によるレッスン
◎演劇の役づくりは、テキストに指定された条件をもとに、立体的にデザインし、
 性質、性格、考え方、思い方などつくり上げるが、それを入れる身体の生理情
 態をつくる事が必要となる。

(1)「老役」をつくる。
  今の時代から計算して役年を相対的に考えること。
  今は70歳~が老人と考えているが、昔は40歳~。年寄りの身体、声、精神
  があり、類型化すること。
A)身体の特徴をあげる。(耳が遠い、目が弱い、髪が薄い、皺、弛み、背が丸い
  etc.)
 ・自分の近くで80歳以上の親しい人を題材とし、身体、生理特徴、動き等を
  細かく観察し、実際の老人の実態を把握する。
 ・老けをやることで、今の自分が見えてくる。人間の重みをつかみとる。
B)声の特徴をあげる(ふるえている、はりがない、甲高い、音が消えていく、語尾
 が長い)
 ・背が丸くなると息がおちて、それでも声を出そうとすると、下顎に音がいく。
  支えて張っているものがおちていく。老人の笑い方がある、形がある。
 ・人の見方を客観的にする。老人を情で見てしまうと、役者として演ずるための
  観察ができなくなる。

◎今、生きている人間から学び、その真実をつかみ、身につけること。生きた芝居
 をするために、生きた人間を捉えること。
 ・自分から出て来たものより、そこにあるものをそのまま演ずること、言っている事
  以外のことを人間はしているし、それがそのものの生きざま。キャラクターは生き
  ざまである。
 ・台本に書かれた、語になった‘心’は、ほとんど表現しきれない。だからこそ俳
  優は、語と文の中から、すべてを見つけ出し、体におとして、心を演じなくては
  いけない。
 ・演技は、言われたことをそのままやるのではなくて、想像しておもしろくすること。
  でも、書かれたこと以外のことをしてはダメ。
◎芝居をするにあたって、芝居とは、何なのだろうと考えること。

(2)条件をつけて、演じてみる(老人でやること)
   以下の条件で老人のドラマをつくり、演じてみる。
 条件-①テーブルの上に自分の持ち物を1つ置き、スタート線から歩き、取りに
       行く。
 条件-②2組になって、片方の持ち物をもってきてあげる。
 ・全てその場で考え、その場で演じ、続けてドラマをつくり上げてゆく。
 ・やっている人間がどう言う人間なのか、先ず、そこから決めてからつくっていく。
 早く老人になって、やりあげてしまったら、状態が後からついてくる。
 ・初めから条件に入ってしまう、そして、外との関係をつくり、外に向かって出す。
 ・自分が何で、どんな関係かを決めて、自分の中のソースを使いながらつくる。
 ・様々のエピソードをつくり上げ、ドラマをつくり出す。
 ≪エピソード=様々な生きていく瞬間を具体的に挿入する。≫

 ・老人とは、これからなっていくもの、自分から遠いものを演じた方が自分になら
  ずにいられる。
 ・口の中や鼻の中、すべてが老人なのだから、その状態をつくる。
 ・人間の状態を克明にするのが、俳優の仕事である。
 ・自分のスタイルをみつけていくこと。

◆本日の磯貝語録
 ◎すぐ先が無くなる様な芸でなく、自分がいつまでも追い、そしてつなげて行ける
 芸をつかまえることが大切。
 ◎芝居はつくるもんであって、教わるもんじゃない。

◆本日の感想
 “老役”は実物を沢山観察が必要だと実感した。何となくつもりでやれる程、
 楽ではない。でもなかなか面白かった。
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