講座テーマ「感と意 泉鏡花『天守物語』」
[1]歩行チェック
踵を使って前へ。正しく歩く。ペアになって歩き方を観察して直しあう。(塾長)
[2]感覚器の受容実感は頭の上と、その上の実感(塾長)
例:聴く→耳の2~3センチ上でとらえる
見る→眉毛のあたりでとらえる。これより上で感ずる。(頭の上に感じる)
◎感頭上 意胴下

・意識をすると高い位置(前頭葉)でやってしまう→頭から胴に降ろす。
◎こうなのだという意識は、胴より下の体実感にある。(頭から胴に降ろす)
◎情=身体のこと
・頭だけの意識は他人と共有しにくい。身体性がないとダメ。
・美しいという意識、感情 身体の上と下で繋がると通じやすい。
・身体化してから表現をする。
感覚を頭の辺りで捉えて処理するのは一番まずい。
口にあつめて発話しない。胴まで降ろして、意識を下げる。
頭部の意識作業の「考える」は胴の下へ→「意胴下」
まずしい→頭のなかだけだと伝わりにくい。感は頭上部
音も頭上部できく
感は頭より上で、意は胴より下で。〈これを一年間、探してください〉
[3]テキスト演習「天守物語」より
(1)概論
・アーツ=消えない、普遍的である。
=時間・広がりに耐えられる。生である。美しい。
・現代は、普遍的なものと、消費(今通用している)されゆくものが、行ったり
来たりして差が激しい。
・書いてあるものだけを出すのでは単純。言葉や社会をよく知る より深いも
のを出していくこと。
ゲーテ→Aさん コクトー→Bさん 平家物語→Cさん
(2)鏡花研究発表(西本浩明)
・戯曲年表を使って…
「天守物語」は、鏡花の作品の中では、割と遅め
・岩波文庫の渋澤の解説の確認
・石川県生まれ
・授業出るときに!
鏡花の人物、作品、年代、影響など調べておく。
(3)非現実、霊、魂、あの世、死等について(塾長)
・お化けについて
神をたたえる(表向き)
お化け (民間)
→この2つがあわさって祭りとなる。外国では、精霊信仰など
・心の中には分からないものがたくさんある→お化けとなって表現
・晴れやかで、陰のない人間性のみだと嘘っぽい
→その「ひねくれ」が、文学である。
→深層に入っていくと、晴れやかなだけじゃないというリアリスティックが
あるということが分かる
→現代の社会性では、合理性では考えられなくなっている。
・それぞれのお化け体験談をひろう
<鏡花を選んだ理由>
今の社会のなかでは表せないものを、鏡花はあらわしている。
それをどのように表していくか・・・。
↓
テキストをそのままやっても、表だけをやっただけにすぎない。
理解しにくいものをやっていくことで、何かが出てくる。
説明して、分からせようとするからつまらない。それとは別の世界
↓
◎自分が分かるように読まない。分かるように演らない。
・見えて、分かって、触れるもの
・見えない、分からない、触れないもの
→この2つがある!
・生き死にの両方をたぐる(死があるから生があるという考え方)と、他のものが
みえてくる。
・生き死に 両方へ行けるのが文学。
死は終わりという片方だけの考え方は、文学ではない。
・表があって、裏がある。そこをやると「天守物語」がかわる。
↳裏を感じる
・天守夫人と図書とのやりとり(121ページ)
リアリスティックな場面だが、そういうようにやらない。
①字義通りのことを読み取る
②五層ではどういうものが展開されているか。創造力で考える
・何をあらわしているか考える。
・表に書かれているもの以外に、何を出せるか。
<次回>
p.85~女郎花のセリフから
*実際のものではないように読む!!
目に見えないものを読もうとする!!
(何を感じさせるのか 別のものをみつけさせるか)
非現実を現実化する
◆本日の磯貝語録
舞台芸術は、非現実なことを現実化する芸術である。
◆本日の感想
生活実感と別な世界に行く・・・。感頭上、意胴下を修得する。
それは、顔を消すことではないかと思いました。
この一年間、楽しみです。