講座テーマ「今昔物語①」
[1]磯貝塾長による、塾生個人指導
[2]今昔物語集(31巻 1040説話)
説話とは「今は昔」ではじまり「となむ語り伝へたるとや」で終わる
(1)p.6 「はじめに」p.243「おわりに」をよむ
(2)p.27 「2天竺の-」(巻四の第六話)原文と現代語訳をよむ
・慣れてくると原文のほうが話しになじむと感じるようになる
・その言葉を使う時代の人になる
・身体感覚でわかると充実感が強い(視覚だけよりも)
・集団でよむと、よむ人によって物語が変化する
・何回もよむと言葉の切れ目がわかるようになる
・漢字を見れば意味は大体わかる
(3)p.89「5近衛の-」(巻二十八の第一話)解説もよむ
・1000年前の人々も、言葉の使い方は、はっきりあり、教養によりその格差があ
った。
・現代は唯物世界のため、言葉も文学もその影響下にある
・尊敬語、謙譲語の精神状態はなくならない。ことばはなくならない
◎目先の文化はどんどん変わるが今昔の時代から精神は変わっていない
・現れ方は変わっても根底は変わっていない
・現代のみに通じるものと、ずっと通じているものと両方やって、次へつなげる
・残ってきたものをやると残ってきただけの力を受けることができる
・横だけの関係だと個が萎縮する、縦の広がりをもつ
・後々に通じることばをつくる(消費、消耗しない、なくてならないもの)
・残せるものがたくさんあるので飽きて、消耗文化を敢えてやっている→現日本
・五十年後、百年後に残る作品を作る(蓄積しないものの危機感)
・思いつきはすぐ消費されてなくなる
・かつてのものをもらい、よく知り、のっかる 今のためにやるとだめになる
・”お金か人の資本をつくる”ことからはじめる。次のために
・書かれてあるものを声に出して肥やし、今の世に生き返らせる
・言語の本流にのる 歴史の重みを知る と軽く浅くならない
・自分に資本を蓄える
・当たり前のことを当たり前にすると強くなる
節分け、句分けして、不自然なところをなくす
◎消費経済、消費文化の中でその流れに押し流されると、一見時流に乗った
活動と錯覚してしまう。その実態は消耗的であり、蓄積や継続といった文化の
本質から乖離して行く。人工的にエントロピーを上げてゆくと、一時的に充実
感を持つが、じき消滅する。言語の本質と芸能の本質を正確につかみ、末梢
を行き来する所に、生き生きとした芸能が生まれる。
◆本日の磯貝語録
人は見かけは変わっても、本質は今昔物語のころから変わっていない。
◆本日の感想
身体のことを知り、ノドを下げて重心も下げ、芯があってその上
豊かな響きのある声を持ちたいです。その声で日本の古典が読めたら
本当に楽しく素敵な仕事だと思います。
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