6月6日(金)リーディング・発声
講座テーマ「聞かせる朗読発声③ 語を掴む」
[Ⅰ] フリーストレッチ
[Ⅱ]聞かせる朗読発声③(「方丈記」・三 鴨長明)
・方丈記[一]を発声練習を兼ねて読む。
・[三]を読む。
◎テキストの「語を掴み、自分に引きつけ同調する」
ここで一度自分を納得させるために自分に引きつけて読んでみる。
↳語を発しているだけの場合と、自分のものとして出している場合とでは客に
は違いが伝わる。
↳とはいえ、表現としては自分が納得するだけの読み方ではよい表現とは
いえない。
・外に出すということは今までやってきた。(表出の生理)
今度は自分から出してみたり客から受けてみたりをやってみる。
↳しかし、完全に自分自身から出し入れをするというわけではない。
自分の前方にそれを作ってそこから出し入れをする。
◎どんな表現でも、自分から離れたところの表現が出来る人はうまいといわれ
る。
・日本の教育のように、意味や解釈から学ばなくとも何度も何度も声に出して
繰り返すことによって意味が起こってくるものだ。
↳長台詞にしても、自分でまずは30回ほど声に発して稽古に臨む。稽古後
同じように30回ほど発する。これを5回もやれば自然に起こってくるし、身
に付いてしまう。
・古典は現代文よりも複雑な裏の意味があったりしない率直なものが多いので、
これを稽古すれば実感を興すことはやり易い。
★各自それを踏まえて一人一人やってみる。三の[二四]
<Aさん>
「かぞうべからず」が掴みきれていない。
<Bさん>
中に引き込むというよりは、外のことをやってる感じがする。声帯より高い位置
でやっている。引き込むときは声帯はあがらない。
・結果的には外にも出しながら中にも引き込んだりという読みと声をすること。
<Cさん>
前半がちょっと口先で説明していた。自分の中心の下でぐーっと上に上がった
ポジションを引っ張っている感じでやる。
また、それが普通に出来るようになればよい。
<Dさん>
まだ読んでいる感じではあるが、良い方向だ。
無意識に体が風船になるのが良い。鼻が開いていない。
・掴めてくると自然と周りと合ってくる。
★各自、三の[二五]をやってみる。その後一人一人順に読む。
<Dさん>
まだ字を読んでいて内容がわかっていない感じ。
読んでいて喉が開いてくると実感が出てくるはず。
<Cさん>
今までの頭だけの納得でなく身体での納得も出てきた。
より横隔膜を押さえつけるようにやるとより身体の下の方までいくはず。
“恐れ”や“恨み”といった実感が少ない。これがうまいとお客さんは引き込ま
れる。
・語を発することは基礎として、自分の中にぐっと掴み込めば、その溜まった
エネルギーから発することで語る。
<Bさん>
“もし、狭き地にをれば~”以降、完全にただ文字を読んでいる感じになってし
まっている。声と口をもって字を説明しているだけになった。
何を目的としてこれを読んでいるのかというのが見えない。
テクニックは必要だがそれをやるためだけに一生懸命になってしまっては意味
がない。
<Aさん>
第三者について語るというよりは、今回のテーマとしては自分のことのように引
き込んだ読み方を行うこと。
音調が上がっている個所が他人事に聞える。激すると音調が上がるのかもし
れない。
読みのグレードを上げるためには、無声子音の言葉を使えるようになって欲
しい。
・文を読むわけだが、語には内容がある。作品の動きと自分の息の動きが相
似していると客にわかりやすい。そのために内容を自分に掴み入れることを
やったし、鼻が開かないと実感が少ない。また、前段階では胸まで下ろし、
さらに腹までいけるように。いかに口と声だけでただ説明しないように、実感
あるものにするか。
・主観的な表現になっているということは、練習不足だと思う。何度も何度も読
み砕いていけば客観的になっていくものだ。
・人間の感情は常に一定せずに不安定だということを表現すること。極端なと
ころが感情や人間性ではなく、そういったものを包含しているその下の不安
定なところこそが感情の実感だし、人間らしさだ。
◆本日の磯貝語録
◎文の語や句を掴み、自分に引き込む。
◎読みは先ず、全ての中心を掴むことから・・・。
◆本日の感想
声に自分が出すぎている。読んでいる時の自分の声を聞いて実感した。
(頭を使わないとそうなるらしい!!)
2008/06/06 (Fri) 23:00