6月20日(金)リーディング・発声
講座テーマ「聞かせる朗読発語②」
[Ⅰ]フリーストレッチ
[Ⅱ]声の種類と声作り
朗読の声の種類
①実声 生活実声、普段の声、幅が狭い
②息声 Whisper、実声まじり、うがい有声・無声
③裏声 虚の世界、宗教曲、神様に届く声
(ファルセット) ↳歌の基本、自分の「実」が少し混ざる
・散文と古典を並列して読んでいる。
テキストへの向かい方などをやってきたが、改めて“声”にもどる。
[Ⅲ]テキスト演習
(1)怪談「お山へいこう」は軍隊隆盛のとき、のどをしめて抑揚を少なくする話し
方であった。
意味伝達優先、ふり幅が少ない、抑揚をつけると「おかしい」
母音がひびくときに感情を感じるが、抑揚をつけないのがいいという「社会的
風潮」
「お山」は会話が少なくワンパターン、刺激が多い方がおもしろい cf.今の銭湯
淡々とでなく、TV、ラジオのようでなく、あまり変でないもの
落語、講談、謡い、新内ほか伝統芸能の安心感=耳になじみがある、保守的
音楽のように素っ頓狂な声は出さないのが朗読
息声でよくきこえないと観客は注意を払う(か、聞くのをやめる)
息声はたいへん、裏声は楽だが飽きる。実声で疲れると飽きる
試演会
「お山」P.95「ふしぎなお話~」からおわりまで「~夫人談より」
↓
声の凸凹、陰影をつける
(2)「方丈記」1と3-24←流し読み
・息声で読んでみる。上あごのうがいするところ。その前に実声で
(Aさん)地の中にも台詞がある。自分と本だけの関係から観客を含めた関係をつ
くる。
鏑木さんの奥さん談=会話、しゃべり、相手がいる⇔独話
語りしゃべり、伝える 読みしゃべり
語りの実感、わからせる ひけている、ひいている
(Bさん)疲れと飽き、観客を具体的に意識をすると保ちやすい
意志を投げて、渡してしまうと楽になる。コミュニケートする
文の長さと集中の配分、終わりが悪いとだめ
終わりが付け足しで読みにくいものをうまく読めるようにする
「お山へ行く」ことの意味をあらわしてほしい。「まつられない神様」無縁仏
子供の台詞、花を持ってくる、消える、ありうる非現実
声を変えて次元を変える。実世界と非現実世界を往き来する
息声―軟口蓋と硬口蓋の境目の息を硬口蓋で転がす。
ときどき実声をまぜる、前に出す、歯をたくさん使う
実声よりも声がかれやすいのでときどき実声を入れる
腹で支える、実声に半分入れると揺れができてくる―話芸
息だけにすると目眩がする、とにかく前に息を出す
息の凸凹をつくる、立体感ができる、パワーがつく、遠くに届ける、ひと息読み
する、スピード感
技術は技術としてやる、その人を潰さない
素材を磨く、その人のおもしろさを残す
最後に方丈記1を息声、実声まじりで読む、声半分、息半分
◆本日の磯貝語録
・息の凸凹をつくる。感覚と術
・日常生活で使っていることを磨いて技芸にする
2008/06/20 (Fri) 23:00