講座テーマ「試演会(今昔物語を読む)」
[1]ストレッチ
[2]試演会
「特別やっている人(プロ)」以外こんなにきちんとよんでいるところはないだろう。
言葉は全部きこえる。声もこもっていない。前へ出ている。
何が書いてあるか分かる。何がおきているか分かる。
工夫している。全員あるレベルには達している。
しかし、
きいている人が「何のためによんでいるの?」と思う。
題材そのものが観客にやってこない。こっちがうごかされない。
本と読み手の間では取引きは出来ているようだが、そこから出てこない。
喜劇か教訓物か悲劇か?「仏教説話」ではあるが、信者ではないから説教的
にするといやらしい。
その時代のこの物語のニーズは何で、なぜまだ残っているのか?
よみ手は「何を伝え、何を印象づけたかったのか」が聞こえない。
<読み手の答>
・中盤の比丘のてんまつを伝えたかった。
・ばかばかしさを伝えたかった。笑わせたかった。
自分の頭にないことを考え出す力があると良いですネ
自分の中の独創的なものをひっぱりだすにはどうしたら良いのか?
◎女はあの読み声で「女」か? - オンナの音から個有実態が聞こえない。
女は女のことを知らない - 男を通して女を知る(一般論は別)
男は男同士で男を確立して行く(一般論)
男は女のことをもっとよく考える、知ることが必要。
本をよんで自分をひろげる、深める。
◎本を自分の中にひきいれて自分化する読み方はダメ
生き死には自分がするのでなく、人がやっているのを見るもの
・艶:比丘の色っぽさが出ていない。
さがしていなくても色っぽさはみつかる。
普遍的なもの - 水の中・手触り・助ける・いたす等
品格ある男と女の関係 どちらにもなくてはならない
強姦でないものにまでもちあげる → 表現の力
品のある色っぽさを表現する 「性の品格」
・皆、比丘への天罰としてよんでいた。同情でない。読みが単純。
・優婆崛多の位置:主人公・ひとりで楽しんでいる
立派で、見せしめ、改心 → 教訓なのか?
艶笑小噺 ちくっとする、よくある、やっちゃいけない、しようがない
◎優婆崛多の声、語り口が最も重要
・本のどこにポイントがあり、どこに宝があるか、どこに重点を置くかをきめる。
今のよみ方が出発点
・今よみながら別のことを考えていること(多層の同時進行)
表を正確につくり、裏をさがしだす。裏付けをつくる。
よみながらさがし、みつけることをはじめる。 → 次のことへいく ⇒ 銭をとる
皮膚感覚のある女の声 スピード感
・どういうときにどうするかはおしえることが出来ない。言葉にするとちがうもの
になる。
一年後にはみんなライバルになる。
本物はあまり見せなくなる 稽古で一回きりくらい出せればよい。
技術があればすぐ盗める。
・「作品をどうしていくか」をつくれるか、をはじめる。
「裏をきかせられる力」をみせる。
果し合いをしにきたら、いっしょに作ることができる
◎はやく自分の範囲外に出ること、その力を持つこと。
夢のあることをやりたいと思わないか?
とんでもないものが「ドラマ」
役者が台本から夢をつくりだす。
◆本日の磯貝語録
俳優が台本から夢を見付け出し、創り出すのが良い。
◆本日の感想
自分がやるべきこと、やりたいことが改めて明確になった試演会だった。
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