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声・ことば表現テーマ別(10/19)                  《ことば系》

10月19日声・ことば表現テーマ別

講座テーマ「『虚と実』・演習『オイディプース王』」

[1]広島公演を終えて。出演者の方から発表とそれを受けて塾長の話。
 塾長より
 ・声ができれば、演出家の様々な要求に対応できる。
 ・技術と、価値観を共有するネットワークを持って、高いものをつくる。
   ↳これを持って全国でできる。
  →VASCは、これをつくりあげる。長いスパンで。
 ・外から思い切り吸収すること。
 ・内側では、よいライバル意識を持った関係をつくる。
 ・演出家と、役者は、ライバル。
 ◎なにがなんでも、技術はしっかりしていなければダメ!

[2]コクトー 「オイディプース王」概論
 絶対表現 神様はひとつ
 相対表現 どんどんと分離していく
  どっちかができたらすごいけれど、天才はどちらもできる(ex ピカソ)
    ↓
  劇場には、いろいろな価値観を持った人がくる。
  その人々を満足させるためには、緊張感を保つ!
  ⇒緊張を保つには、練習しすぎてはダメ。慣れてはダメ。

 ・コクトーの作品は材料。
 「オイディプース王」→うまいからそのままをしてしまいたくなる。
               しかし、それではおもしろくない。

 ◎テーマ「虚と実」

 <実>
 まず、本を表読み。出てきたところだけをやってみる。
 →しかし、それだけやってもわからない。表側だけだから。
                          ↓
                      人生をつくりあげる。→芝居を読み解く。

 <実のウラ>
 「これはなぜだろう。」と探していく。しかしwhyだけでは、芝居はできない。
 「なぜ」「どうして」→「答」←それは何

 なぜ起こっているこのことが、何であるか。何なのか。
 →これを見つけなければ、演じることは出来ない。
 →コクトーは、特にココをやらなければ、芝居にならない。
 ・考えなければ、物事を知らなければ、この芝居はできない。
 ・一言、一言、考えなければダメ。

 ・誠か、嘘か
 虚:嘘でないものが正しいか
 実:正しいものがすべて誠か
 ⇒そんなことはない。
 ・「正しいこと」と、「誤り」→この間には、無限に近い中性がある。その間にまた
 虚実がある。入れ子のような関係。
 ◎虚と実を隔てる薄い皮膜がある。その間を行き来し、双方をあばいていこうと
 する。コクトーの文学の特徴である。

[3] 演習
 プロローグ;初めて読むときも、外へ向けて。セリフにして、語る!実の朗読は
 不用。特に、外国のものをやるときには、動く、手をつけるなど。→それをおさ
 えるのが演技。

 ・各自、読んでみる。(語る、動くをふまえて。)
 ・2回目は、別人格でやってみる。
 ◎観客とサシで話をする。観客に賛同を求める。説明ではなく訴えかける。
  ⇒台本読みをする時の必要条件。

 <塾生発表>
 ①Aさん
 オーディエンスの感想;オープニングらしい世界観が入ってこない。
 塾長;・演っている人の魅力が足りない。もしくは役の魅力をつくる。
 ・演じはじめ→観客を見ること、眼で訴えること。まず、眼をあける。
 ・ところどころ関心を削ぐ。間の取り方が悪い。客を引き込まなくてはダメ。

 ②Bさん
 オーディエンスの感想;その音で語るなら、もっと動いてほしい。勢いがほしい。
 本人;このキャラクターでは、持たないと思った。
 塾長;・一瞬、文を読むときにBさん自身になっている。
 ・即座に把握して、ぱっ!とやる即応力がほしい。
 ・本人の理解のみになっている。客をねじ伏せようとしていない。

 ③Cさん
 塾長;一人の喜劇役者が生まれた!後半が秀逸!Good!

 ④Dさん
 オーディエンスの感想;
 ・一本これをやりとおすのは、なかなか、つらい。
 ・動きに変化はあったのでカバーされていたが
 ・空間の使い方が面白い。後半引き込まれた。
 ・後ろを向いたとき、空間がなくなる。
 塾長;・後半、四苦八苦で、ごまかしていた。
 ・持ち味をだしてやる。
 ◎セリフは、読まない。初見でも、喋れ!

 ⑤Eさん
 塾長;どんなキャラクター?→神様の子供、悲劇を楽しんでいる
 →抽象的すぎる。リアリティーを!
 ◎ リアリティを持った、キャラを作る。
 (例)魔女 
 指示を出されたときに分からなければ、相手に質問して、取りひきをして出し
 てもらうこと。しかし、自分に有利なように持って行く。

 ・具体的(外側)からつくっていく。内側からつくるのは、研究者達、演じ手では
  ない。
 ・あなたが分かることをしないと分からなくなる。
 ・価値観を1つでやってしまった。魔女は裏だ。裏が表をやるということを考え
  てみる。
 ・もっと意地悪に。出ていることを、出ているようにやっていてはダメ。
 裏をやる。ウソとマコト両方をやる。

 ⑥Fさん 塾長から→ウラとオモテをつけて演じてほしい。
 オーディエンス;
 ・今までより明るい。オモテウラは、感じられない。
 ・声のパターンを上下するか、声で聴かせる。
 ・声のいろいろな手法がほしい。
 塾長;・ユーモアがなかった。一本道へ入ってしまった。
 本人;・なんとかしようとしたが、できなかった。客観的でなかった。
 <客観的?>
 ・テキストに集中して他へ逃げられなかった。

 ⑦Gさん
 オーディエンス;
 ・そうではないものをやってほしい。
 ・自己完結をしている。放送劇っぽい。芝居をしてほしい。
 ・読んでいる。語尾が同じで、芝居が消える。
 ◎伝えてほしい。
 ◎芝居をするには・・・何をどうしたらいいのか、自分で考え出す。
 その役になる覚悟を全身でやる。自分をやめる。

 ⑧Hさん
 オーディエンス;自分がいやらしく思えてくる。
 塾長;台本を読むというところから、早く抜けよう。
 →芸に対する甘え。自分に引きつけたら芸ではなくなる。
 ・時計がひとつしかない。(早く、遅く、動く時計を持て。)

 ⑨Iさん
 オーディエンス;
 ・やろうとしていることは、わかる。
 ・身体のなかがついていってない。見えてこない。
 塾長;書いてあることを自分に説明している。見えていなければ、手を使って
 説明する。本人は、見えていても、客には見えていない。バカみたいに、ジェ
 ステャーをつけてみる。1ツ1ツ、すべて。

 ⑩Jさん
 オーディエンス;稽古を覗いているような。書いてあることは、わかる。
 塾長;物言いにクセ。子音がまずい。
 ・観客がいない。
 <なぜか?>
 オーディエンス;台本とのやり取りになっている。

 ⑪Kさん
 オーディエンス;
 ・前よりもずっと伝わってきた。
 ・声のゆれがもったいない。
 ・客を見て届けてほしい。見られているという意識を持って。
 ・なぜを掘り下げていく。
 塾長;・顔の表情がない。
 ・しっかりとキャラをつくる。役を決める。やり通す。

 <まとめ>
 人のをきいて観ているときに、演じ手として観る!ただし自分の好み、価値観
 でみない。
 受けていることを客観的にみる。主観的な意見は必要ない。評論や、批評家
 になるのではないから。
 実のある見かたを覚える。
 ◎演じ手は・・・・・決める。自分のやることを決める。→そこを育てる。

◆本日の磯貝語録
 虚と実の間には無限に近い中性質があり、その中にまた虚実が存在し入れ子
 のようになっている。

◆本日の感想
 演者のセリフを聴き、「そのままを受け止め、客観的に批評する。」その的確さ
 がすごい。こういう耳と価値観を持ちたいと思う。自分の好みや思いの様な主
 観的感想は、いくらやり合ってもそれだけでむなしい。
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