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磯貝語録:音楽編(10/23)

【磯貝語録とは、各講座で磯貝塾長が語った語録です。
 それをわかり易い様に、塾長自身が補足をします。】


◆プロをめざす人は、程好い距離感(ドラマと自分、言葉と自分、
 音楽と自分)等が必要である。 

◎よろずプロと名の付く人(職業)は、自分が夢中になってやったからとい
って出来るものではない。特に歌の演奏家という職業は自分の状態(発声、
精神、身体、準備、集中力など)に対しては全面的に責任を負わされている。
その上で演奏作品の品質を上げこそすれ、下げる事は出来ない。自分なりで
良いなどといったレベルは問題にならない。実際、あの五線譜の記号と自分
との間で具体的にわき上がってくる、“あの事”が仕事である。自分の声を
使い、知力と身体を駆使して、譜面との間に生きた魔物(“あの事”でもあ
り湧き上がる音楽でもあり、生き生きとした音楽の実感)を造り出す仕事だ。
入りすぎると魔物に飲み込まれる。距離があり過ぎると魔物は書き割り絵の
ごとく止まったままだ。とり合えず音は出すが、死んだ音だ。音楽との距離
感は中でも面妖だ。魔物が立ち上がると、音楽も自発的にうごめき始める。
魔物を中にはさみ、自分と音楽との取り引きが面白くもすさまじい戦いとな
る。ここまで来ると、プロ級の演奏と言えるかも知れない。計算して出来る
ものではない。練習しなくては出来ないが、練習して出来る訳でもない。し
ばらくの間、魔物に魂を売り渡す作業なのかも知れない。


                歌演奏講座
                テーマ:「オペラ・アリア試唱会、全体評から」
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