10月29日(木)歌発声中級
講座テーマ「日本の名曲を歌う②」
[1]喉の鳴らし方とピッチの取り方、合わせ方
(オトガイと舌骨の距離を縮めて少し下アゴを突き出す)
↳舌小帯に少し力を入れる。下アゴを引くと喉が絞まるので注意
Ex-1 u音(下顎下唇を前に出し、息を吹き出し)発声練習
・外に出ている音(声のピッチ)をピアノのピッチと合わせる。内側の響きでしない。
Ex-2 母音渡り ”ウィー、ウェー、ウァー、ウォー”の発声発語練習
・”ウ”の音を出した時のポジションを守ったまま、”イ、エ、ア、オ”を出そうとする
[2]テキスト歌唱
(1)「秋風の歌」:喋り語のスピードで、くずして唄う練習
・先ほどのポジションをつくって、詞を読んでみる。(一節ずつ回し読み)
・鼻は閉じて、音を無駄に鼻に逃がさない。
・息や音は口の前(外側)に出す。(口前約10~15cmを響かせる)
・音符、歌詩より必ず前に口を動かす事。
・以上を踏まえて歌唱練習。言葉に従い、曲がアゴギーグ(うごく)する。
・カタカナ喋りをしてフレーズをつぶさない。歌詞を音楽化すること。
・どういうリズム、スピード感で歌っているのか把握して声を出すこと。
・「~だよ」の”だよ”の部分が何なのか。ここで歌を殺さない。
(2)「すずらんの祭」:歌詩言葉のリアリズムで歌う。情緒に流れない
・休む暇もない曲なので、私の感じているリアリズムではなく、曲のテンポが持
つリアリズム(現実感)に合わせないと歌いきれない。
・おじいさんの事が大事なのではなく、主眼は”すずらん”である。
・家が無い、職が無い状態を悲しい事として歌わない。同情の歌ではない。
色々な階層が存在するが、それらが同じ所に存在できるのがフランスの面白
いところ。それを歌に表現しないと面白くない。生き生きした活力が死ぬ。
・ひとつひとつのフレーズはもっとカラッと歌い切る。
(3)歌詞の暗記練習:芸能は憶える力。歌手は1に憶え2に憶え、その上でうま
くなる
◎歌詞を憶える際は、「軽く」、「速く」。歌うより速いテンポで頭が回るようにす
る事。絶対に自分の頭、口、情感のスピードで憶えない。
・歌の感情が歌詞と同時進行では、自分の情緒に入ってしまう。
・「秋風の歌」に戻って歌詞の暗記練習
↓
伴奏をつけてもらい、歌わずに歌詞を乗せてみる ⇒歌唱
・口が語る、口が歌う。口はもっと軽やかに動くと良い。
・トーンの”しな”の部分をどう歌うか。ここがススキの実体である。
・「若い人だよ」のくだりを歌っている際も秋風は吹いている事を忘れない。
◆本日の磯貝語録
・頭と口は歌うより速いテンポで動いている。
・芸能は憶える力。1に憶え、2に憶え、3に憶え、その上でうまくなる。
◆本日の感想
・歌は外側の響き。内面や意志が第1ではなく、伝わる、響く事をただただ求
め、ものにするのが全ての歌のはじまり。
2009/10/29 (Thu) 23:00