講座テーマ「日本語調音法 母音③」
[1]ストレッチ・トレーニング、各自テーマを行う。
[2]講座「母音をつくる」
(1)演習:声の音をつくって行く:鳴り位置、響き位置
・舌の付け根に舌骨があり、すぐ下にふえがある(喉頭、その中に声帯)
・舌の動きでふえから出る音声をだめにすることがある(雑音や不明瞭音)
・舌骨をさわってみる。左右に動かしてふえもガクガクしてみる
・ふえ:喉頭は動きが悪くなるとだんだん死んでいく
声幅が狭くなると生きるのがつらくなる-死んでいく準備
・あごや舌を動かして、喉頭の動きをみる、舌を根っこからうごかす。
Ex-(1)今日のテキスト「私の名は○○○○です。よろしくお願い致します。」
(2)「口しゃべり」について
◎口先から吐くことばは質が悪い-口の内側のひびきがたりず分りにくい。
・口腔の後ろ半分に前口蓋で調音した声を、後ろ奥にひびき返す。
・「自分の口はどこからどこまで?」口唇と歯よりも前。奥はあまり感じない。
・「口しゃべり」とそうでないしゃべりのちがいがわかるか。
◎「口しゃべり」は歯列から前を使い口の奥をひろげ音をひびかせないので、
平板な音声になり、言葉も平たくなる。当然思考も平板になる。
・「口しゃべり」は下あごと舌がひっついている時が多く、舌面音のベチャ音が
多くなる。平舌・前舌が多く、息を前に吐き出す場合が多い。
・「口しゃべり・ベチャ語」は極端に強調すると、劇画コミカルのキャラクター音
声・語調となり、非日常へとなってゆく。
・「口しゃべり」は舌運動性が低く、音声も思考も感情も単純化する。
(3)舌骨とのど開け
◎Ex-(3)舌骨をひらいて、下顎と舌を分離する。その状態で慎重に音をつくる
1音1音閉じないように注意して開きっぱなしにして骨をならす
◎喉頭をひらいて、ひらいたところをひびかせる
<注>口を横開きにすると声帯までひらいてしまう。舌骨だけひらく。
・のどがあがらないように下半身から引張る、重心は下に。
◎のどが鳴り、胸がひびくと充実感がある。喉に音を溜める。
・高い位置で舌骨がひらくと、吹き上げ声になる。
・音の価値観は自分の外への効果で判断する(意志は伝わらない)
◎声が増す→感情がかわる→感覚がふえる→思考がかわる→人格がかわる
・出す前にその状態を準備してつくってから、出す(かまえとささえ)
・のどをひらいて、のどをきたえる、やりすぎると嗄れるので注意。
・口角をしめると、舌骨がひらき、のどがおりやすい。
・社会的な責任には社会的な音声が必要
声のためには何としても中心をつかむ。
≪のどをあけて、のどをおろす、のどをひびかせる。舌骨、舌根≫
・舌根でしゃべるのがいちばんいい声。しゃべり続けられる人は声の仕事向き。
・早口ではしゃべれない。考えながらしゃべれる。わかりながらしゃべれる
人格がきこえる声を出す
日常を知っているから、非日常ができる。
Ex-(5)舌の裏側のつけ根をひびかせて「イ・エ・ア・オ・ウ」
[3]前回の復習:奥壁をあけ、ひびかせる
口の前の音を後ろに戻す。狭いほうが効率がいい
実感が強いと声が割れやすい
下あご、おとがいを使ってうがいする。のどの奥から軟口蓋、硬口蓋まで。
構音器官のひびき位置をかえて、いろいろな声を出す。
舌骨をおろすと、鼻がひらく。
◆本日の磯貝語録
のどをあけて、のどをおろし、のどをひびかせる
人格がきこえる声を出す。
◆本日の感想
今日は舌骨の実感とコントロールを学びました。自然に出る声を使って最も
良い声をつくるというのは、こういうことをしたりしてやって行くのだと分りまし
た。やろうとして力むとうまく行かないのがむずかしいです。
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